著者 : 折口信夫
当時僕は……昼となく夜となく、ただもう彼のことばかり思いつめていたーー江戸川乱歩、堀辰雄、川端康成、中井英夫ら男性作家による少年が少年を愛する物語。 <目次> 夕化粧……山崎俊夫 口ぶえ……折口信夫 乱歩打明け話……江戸川乱歩 稚児殺し……倉田啓明 少年の死……木下杢太郎 彼……武者小路実篤 RちゃんとSの話……稲垣足穂 燃ゆる頬……堀辰雄 沈黙の人……大手拓次 ある美少年に贈る書……村山槐多 少年(抄)……川端康成 夕映少年……中井英夫 贖……塚本邦雄 未青年(抄)……春日井建 青色夢硝子……高原英理 編者解説……高原英理 夕化粧……山崎俊夫 口ぶえ……折口信夫 乱歩打明け話……江戸川乱歩 稚児殺し……倉田啓明 少年の死……木下杢太郎 彼……武者小路実篤 RちゃんとSの話……稲垣足穂 燃ゆる頬……堀辰雄 沈黙の人……大手拓次 ある美少年に贈る書……村山槐多 少年(抄)……川端康成 夕映少年……中井英夫 贖……塚本邦雄 未青年(抄)……春日井建 青色夢硝子……高原英理 編者解説……高原英理
「した した した」 水の音と共に闇の中で目覚めた死者、滋賀津彦(大津皇子)。 一方、藤原南家豊成の娘・郎女は写経中のある日、二上山に見た俤に誘われ女人禁制の万法蔵院に足を踏み入れる。 罪を贖う間、山に葬られた滋賀津彦と彼が恋う耳面刀自の物語を聞かされた郎女の元に、 「つた つた つた」 滋賀津彦の亡霊が訪れーー。 ふたつの魂の神秘的な交感を描く、折口の代表的小説。 本書は折口信夫の弟子で折口学の研究者として著名な故・池田弥三郎氏による詳細な補注、 さらには作品執筆のきっかけとなった『山越阿弥陀図』および『當麻曼陀羅』をカラー口絵に収録。 『死者の書』の決定版といえる。 解説・持田叙子 死者の書 補注 池田弥三郎・関場武 解説 恋の宿命 持田叙子 著者略年譜
古墳の闇から復活した大津皇子の魂と藤原の郎女との交感。古代への憧憬を啓示して近代日本文学に最高の金字塔を樹立した「死者の書」、その創作契機を語る「山越しの阿弥陀像の画因」、さらに、高安長者伝説をもとに“伝説の表現形式として小説の形”で物語ったという「身毒丸」を加えた新編集版。