著者 : 掛川恭子
想像力豊かな少女アンを、あたたかく包み育んだアボンリーの村。そして、アンに負けず劣らずユニークな村人たち。頑固でプライドが高いけれども気のいい人たちが引き起こす、思わずほほえんでしまう12の「事件」。その結末に、愛の偉大さを感じずにはいられない。好評完訳版シリーズの第9巻。
アンの子どもたちは成長し、末娘のリラだけを残してグレンの村を離れ、進学することになった。しかし、世界大戦が始まり、“炉辺荘”と牧師館の「男の子」たちは、ヨーロッパ西部戦線へつぎつぎに出征していく。リラの日記とともに、母親と少女たちの止むことのない不安と悲しみが綴られる。
アンの子どもたちが最も愛する場所“虹の谷”。そこは“炉辺荘”の子どもたちにとって、丘の上に建つ牧師館に着任したメレディス牧師の子どもたちとの、友情の場所だ。村人たちを悩ませる、母親のいない牧師館の子どもたちの行い。やがて“虹の谷”は牧師館一家にとって、新しい愛情の場所となる。
ギルバートと結婚したアンは、アボンリーを離れ、フォア・ウインズに見つけた「夢の家」で暮らしはじめる。おだやかな内海沿いに建つ家に訪ねて来る、人間味豊かな隣人たちとの、出会い、ふれあい、別れ。そして、やがておとずれる新しい命。魂の邂逅が、いっそうの愛情あふれる人生をかたちづくる。
高校の若き校長になったアンは、海辺の町から、婚約者ギルバートに手紙を綴る。ふたりの未亡人たちの家“風にそよぐヤナギ荘”での楽しい下宿生活。地元の有力一族や年上の女教師の反発など、仕事のほうは前途多難だけれども。愛情豊かな便りを交え語られる、大人の女性への成熟の記録。
アンの待ち焦がれていた大学生活がはじまった。憧れの小さな白い家を借りての友人たちとの暮らし。育ちのいい美人のフィルを通して友だちの輪は広がり、小説もひそかに書きはじめた。でも、ある日、幼なじみギルバートから愛を告白され…ずっと親友でいたかったのに…。好評完訳版シリーズ第3巻。
アボンリーの学校の教師になった16歳のアン。ギルバートや親友ダイアナたちと始めた村のささやかな改善運動や、家で預かることになった双子の世話にも追われる毎日。けれども「想像が開く王国」で心を遊ばせることは忘れない。少女から大人へ成長していく多感なアンを描く、好評完訳版シリーズ第2巻。
ふとした手違いで、老兄妹に引き取られることになった、やせっぽちの孤児アン。想像力豊かで明るい性格は、いつしか周囲をあたたかく変えていく。グリーン・ゲーブルズの美しい自然の中で繰り広げられるさまざまな事件と、成長していくアンを綴った永遠の名作。講談社だけの完訳版シリーズ、刊行開始。
父親のマーチ氏がわが家に戻って三年後、メグはジョン・ブルックと結婚して育児に追われ、ジョーは病身のベスに心を痛めながら作家修業に励み、エイミーは外国で絵の才能をみがく…。それぞれが自分にふさわしい愛と人生を、苦悩し、真摯な思いで見つけていく日々をみずみずしく描く。四人姉妹の輝く青春編。
マーチ家の四人姉妹ー、長女のメグは温順な美少女、次女のジョーは活発で作家志望、三女のベスは心優しく内気、末っ子はおしゃれで絵の好きなエイミー。南北戦争に従軍中の父と、その留守を守る母の愛情につつまれて、貧しくても自分らしく精いっぱい生きる姉妹の一年間を描いた、アメリカ文学の不朽の名作。