著者 : 斉藤英一朗
昭和16年11月、御前会議において米英に対する宣戦布告が決定された。開戦は12月初旬。連合艦隊司令長官山本五十六はハワイにある米太平洋艦隊基地を攻撃すべく、準備を進めていた…。その年の夏、二人の兵隊が呉に降りたった。海軍大尉吉良俊介と指羽竜太郎一等飛行兵曹。吉良への命令は「特第一飛行隊指揮官を命ず」であった。山本長官はこの隊に真珠湾攻撃と同時に行なうもうひとつの攻撃目標を狙わせる計画の成否を託したのだ。「帽ふれ」に見送られて出撃する伊号400潜隊。めざすははるか太平洋の彼方。いよいよ開戦の時は迫る…。果たして特第一飛行隊を待ち受ける運命は。
中東の小国イズミール王国にある不思議な遺跡。突然に高い電磁エネルギーを発し始めたそのピラミッドの中では光の粒子が舞い、はるか上空には銀色に輝く奇妙な飛行物体が飛び交う。同じ頃、銀河系の外、140万光年のかなたに突如現れた光点が、このピラミッドと何か関係があるようだ。イギリス海軍も手を出し始め、みんなの不安が高まるなか、ただ1人、事情を知っているらしい天才科学者ファロンが、“明日になれば、すべてが開始される”という謎めいた言葉を発するのだった…。
1998年7月12日、オーストラリアの国立天文台では、銀河系の外、はるか140万光年のかなたに、異常な速さで地球から遠ざかっている不思議な光を発見した。同じころ中東の小国、イズミール王国でも、“ツイン・ピラミッド”と呼ばれる遺跡が突然に高い電磁エネルギーを発するという異変が起きていた。考古学者を中心にさっそく遺跡の調査が進められたが、一方、米国のCIAもまたこのエネルギーを手に入れようと画策していた。これら二つの無気味な異常現象の正体は、いったい何なのか。
雷鳴とともに現れ、刹那のうちに人を噛み裂く謎の殺戮者-。北海道・大雪山連峰で起きた大量殺人事件は、同地に予定されていた宇宙飛行士訓練センターの建設をついに挫折に追い込んだ。ただ一人、犯人らしき“怪物”と対峙したルポライターの美神佳鷹は、その正体を追い、長野へと向かう。一方、秋田県境の白神山地ではマタギ十数人が殺害される事件が起きていた。その傷痕は、犯人が大雪山の事件と同一であることを物語っていた。犯人の目的は何か。そして事件のある所必ず現れる謎の男、木貂雷介の正体とは…。
鋭い爪で無残に引き裂かれた死体-。平和な街、北海道・帯広市に連続殺人事件が起きた。被害者はいずれも大雪山系に建設予定の“宇宙飛行士訓練センター”計画推進派だ。それ以外、犯人の足取りは全く掴めなかった。自然をテーマにルポを書く美神住鷹はこの事件に興味を持ち、叔父の森警視と共に建設現場へ向かおうとした。その美神の前に山で羆から命を救けた娘の兄、木貂雷介が現われ、山へは行くなという。山で何が待ち受けているというのか?木貂兄妹の正体は?大雪山を舞台に壮大なスケールで描く「雷獣伝説」シリーズ、待望のスタート。