著者 : 斎藤栄
小早川警視正は、リピーターによる政界汚職事件の鍵を握る人物で、代議士秘書の伊藤明の行方を追っていた。が、伊藤は心中死体となって発見され、捜査は暗礁に乗り上げた。一方、夏木梨香は親友の河井安里から、彼女と城ケ島でデートの約束をしたまま失踪した恋人友野主計の行方を探してほしいと依頼された。手掛かりは友野が残した、〈みすたくまか〉という謎の言葉。だが、その直後、安里は絞殺死体となって発見された。誰が、なぜ、彼女を殺したのか?小早川は、暗号マニアの友野が愛読していた北原白秋の詩〈片恋〉をヒントに〈みすたくまか〉の解読に挑むが…。政界汚職・伊藤の心中死に、友野失踪・安里絞撮事件の関連は?やがて事件は意外な展開を見せ始めた…。ミステリーの名手が贈る小早川警視正シリーズ第5弾。
夏休み中のある夜、光風学園高校の敷地内にある紫水殿から仏像が盗まれた。宿直は大苗先生だった。その先生、犬や猫の言葉を理解できるので犬猫先生と呼ばれていた。その後も殺人、誘拐など事件は続発し先生は苦境に立たされる。それを助けるのが愛犬スージー、愛猫トミー、それに教え子のモッペル君、彼らの協力を得て先生は犯人を追いつめていく。
私立鎌倉光風学園高校の国語の教師である大苗吾郎は、犬や猫をはじめ鳥などの言葉を理解できるところから、犬猫先生と呼ばれている。両親のいない教え子の小山田基夫の邸宅に下宿し、そこには犬や猫も仲良く同居している。ある日、魚の言葉の研究をするために大洗水族館へみんなで出かけ、夜遅く戻ってみると、若い女が倒れていた。さるぐつわをされ、ぐるぐる巻きに縛られていたが、頭を強く殴られたらしく、記憶喪失の症状が見られた。日が経るにつれて、彼女の記憶が少しずつ戻ってきた時、犬猫先生の冴えた推理が効を奏して、事件の全容が見事に解明されることとなった。…「悪女の口の中」珠玉の連作4篇を収めた本格ミステリー。
時効-このスリリングな限界に挑戦した著者会心の一千枚に及ぶ大長篇ミステリー。戦後日本を揺がした「60年安保」。右翼少年が起した暗殺計画が、15年の歳月を経て殺人事件に発展する…。
鎌倉市役所に〈殺人鬼〉と名乗る発信人より脅迫状が舞込んだ。内容は〈福祉予算を倍増せよ。さもなければ次々に犠牲が出るだろう〉というものだった。市長がどう対応すべきか迷っているうちに、殺人鬼は行動を開始した。本編の主人公・犬猫先生の隣人・緑川月夜子が飼っているインコが首を斬られて殺され、次いでねこのミューの死骸が市役所玄関前にワープロで〈殺人鬼〉と打たれた紙とともに発見された。-ユニーク探偵大活躍の“犬猫先生シリーズ”最新作。長編推理小説。
六千枚に及ぶ「魔法陣」シリーズの記念碑的大長篇ミステリー!医療ミスによる死亡事故に端を発した連続殺人事件…。本シリーズでお馴染みの梶記者と真部警部が活躍!
若き薬学者・皆川洪志が、謎の秘薬・冬虫夏草を探して蔵王へ出かけたまま、消息を絶った。自宅に残された多額の通帳に、犯罪の臭いを感じた婚約者の桂木由美子は、皆川の行方を追うが、その矢先、失踪の鍵を握る男が、奇怪な姿で殺されてしまった。皆川の生死も不明のまま、由美子は再び蔵王へ発つ。だが、そこでは第二の殺人が!謎の連続殺人に挑む長篇本格ミステリー。
いぬ語ねこ語を理解する犬猫先生こと大苗吾郎は、鎌光学園の教え子・モッペルこと小山田基夫の家に同居している。9月8日の満月の夜、月見のすすきを取りに源氏山に行ったモッペルは、UFOを目撃してしまった。その報告を受けた犬猫先生とモッペルが、現場に戻ると竹薮の中に美少女が座っていた。手に持っているハンカチーフから、彼女の名は佐々友良里と推測されたが、困ったことに彼女は言葉を喋ることができなかった。男所帯の犬猫先生の手許に若い娘を置いておくわけにもいかず、友良里を預かってもらった先々で、彼女を奪回に来たと思われる怪しい人物が出現した。そして遂にはモッペルが誘拐されてしまった。彼女の正体解明、モッペル誘拐事件の解決に、犬猫先生の推理が冴える!-“犬猫先生シリーズ”の最新作!
鎌倉署の二階堂警部の妻・日美子はタロットカード占いの名手だ。高校時代の同級生が日美子に占いの依頼のために相次いで訪ねて来た。南米に旅立つ商社社長を父に持つ川島恭子、証券会社支店長が父の藤村和江の二人だが、恭子の父は旅先の南米で、和江の父はジョギング中に海岸でそれぞれ非業の死を迎えた。その後も写真館の主人、幼稚園園長、不動産業者と死者が続出した。それらの死者は江の電に面した駐車場の周囲に縁のある者ばかりで、死因はそれぞれ犯罪の臭いが濃厚だった。日美子は友人が関係していることもあって、得意のタロットカードを駆使して行動を開始した!長篇推理小説。
タロット占いの二階堂日美子は、友人の皆川昭子の家に招かれたが、昭子は何者かに刺し殺されていた。彼女は生前不倫をしていたらしい。数日後、「値打ちを調べて欲しい」と、殺された昭子から一枚のタロットカードが届いた!ダイイング・メッセージか?調べてみると、そのカードはそろいで1億円するという歌麿のものらしい。さらに、昭子の夫・治郎の許に脅迫状が…。そして、つづいて起こる謎の連続殺人!事件を追う日美子にも黒い影が襲いかかった!大トリックを駆使し、レトロ感覚で描いた好評“日美子”シリーズ!書下ろし長編推理小説の秀作!
鎌倉光風学園高校教師・大苗吾郎は、犬語、猫語を理解できることから、犬猫先生と呼ばれている。犬猫先生は、教え子の姉の披露宴に出席。そこで出会ったもじゃもじゃ頭の初老の男は、なんと、かの名探偵・金田一耕助だった!披露宴から8日後、若妻が鐘楼から墜落死!犬猫先生と金田一探偵は…。著者初のパロディ・ミステリー!
大富豪で病気療養中の富島英太郎には、妻のほかに2人の愛人がおり、それぞれに子供もいた。彼の財産の行方を記してある遺言書の内容は、関係者の誰もが知りたいところだが、それを届ける途中の列車内で、弁護士は殺され、奪われてしまった。その後、遺言書の写しと思われるものが、愛人の1人の友人である二階堂日美子の手に入った。日美子は夫を警部に持ち、タロット占いでは評判が高い。その遺言書は0から9までの数字とJRの急行の愛称が列記された暗号で、日美子は得意のタロット占いを併用して解読にかかったが、その間に正妻をはじめ3人が殺害された…!-人気推理作家が放つタロット日美子シリーズの最新作!