著者 : 日下三蔵
人を喰らう「神」の住む迷宮へ送り出された、いけにえの少女二人の闘いを描く『ラビリンス〈迷宮〉』。権謀うずまく争いに翻弄される、王族母子の苛烈な運命を描く『ディアナ・ディア・ディアス』--同じ世界を舞台にしたヒロイック・ファンタジーの傑作二編を収録。初期短編「週に一度のお食事を」「宇宙魚顚末記」を併録、新井SFの魅力あふれるシリーズがここに完結! 関連資料として、著者の才能にいち早く注目、デビューを熱烈に後押した星新一へのインタビュー、ホラー作家・友成純一による貴重な新井素子論を再録。そして、刊行済み2巻と同様、「既刊全あとがき」ももちろん収録、あらゆるファンを満足させる決定版コレクション。 ラビリンス〈迷宮〉 ディアナ・ディア・ディアス 週に一度のお食事を 宇宙魚顚末記 付録1 関連資料 ビッグ・インタビュー《星新一氏に聞く》デビューから現在まで、その豊かな才能万歳 新井素子の言魔術(評論) 友成純一 自作を語る 新井素子 付録2 既刊全あとがき あとがき 編者解説 日下三蔵
ある日突然異世界に飛び込んだ、三人の若き男女たちの縦横無尽の活躍に胸躍るファンタジーアドベンチャー『扉を開けて』、一癖も二癖もある住人ばかりが居住する第13あかねマンションの地下で繰り広げられる奇妙な戦いを描く『二分割幽霊綺譚』--コミカルな筆致の中にも、歴史や宇宙における「人間」の存在の意義について鋭い問いを投げかける二つの傑作長篇! また、『扉を開けて』の主人公三人によるスピンオフ短篇「斉木杳の憂鬱」を単行本初収録。巻末付録として著者自身のエッセイやインタビュー、さらに対談や新井素子論を収めるとともに、第1巻同様、単行本・文庫本など刊行の度に書かれた「著者あとがき」をすべて収録。かつてのファンから新しい読者までを満足させる、新井素子の魅力満載のシリーズ第2弾! 扉を開けて 斉木杳の憂鬱 二分割幽霊綺譚 付録1 関連資料 二分割千円札綺譚(エッセイ) 新井素子 二分割素子綺譚(インタビュー) イラスト・くりた陸 スペシャル・トーク(対談) 出崎哲×新井素子 扉を開けて、目を開けて(評論) 山本弘 新井素子インタビュー 聞き手・星敬 付録2 既刊全あとがき 編者解説 日下三蔵
2018年の日本SF短編の精華を収録。今年度版には円城塔、斉藤直子、坂永雄一、三方行成、柴田勝家、高野史緒、田中啓文、飛浩隆、西崎憲、長谷敏司、藤井太洋、古橋秀之、日高トモキチ、水見稜、宮内悠介、宮部みゆきの短編作品のほか、肋骨凹介、道満晴明による漫画も収録。巻末には第10回創元SF短編賞の受賞作と選評を掲載。編者二人による各作品解説や年間日本SF概況、短編推薦作リストなど解説記事も充実した、2018年の日本SFが一望できる年刊ベスト・アンソロジー。
本格ミステリ界の驍将・鮎川哲也の知られざる少年少女向けミステリ集第二巻。連作「一夫と豪助の事件簿」全作と単行本未収録短編、麻耶雄嵩氏の書下ろしエッセイを収録。 悪魔博士 あなたは名探偵になれるか 白鳥号の悲劇 虫原博士の死 一夫と豪助の事件簿 黄色い切手 冷凍人間・補遺 巻末エッセイ 『風の証言』創作ノートより 特別寄稿 麻耶雄嵩「鮎川作品との出遭い」 編者解題 日下三蔵
本格ミステリ界の暁将たる鮎川哲也の知られざる少年少女向けミステリを一挙集成! 第一巻には北村薫氏の書下ろしエッセイを収録。 冷凍人間 透明人間 鳥羽ひろし君の推理ノート 悪魔の手 片目の道化師 魔人鋼鉄仮面 編者解題 日下三蔵
『黒死館殺人事件』で有名な博覧強記の名探偵・法水麟太郎。住職の変死事件に挑む初登場作「後光殺人事件」から、礼拝堂内で起きた殺人の驚愕の動機が解き明かされる傑作「聖アレキセイ寺院の惨劇」、最終篇「国なき人々」まで、法水の活躍する奇想天外でペダンチックな探偵小説全短篇。
美貌の丹夫人を巡り決闘した初山と高見。敗れた初山は「丹夫人の化粧台に気をつけろ」という言葉を残してこと切れる。勝者の高見は、丹夫人の化粧台の秘密を探り、恐るべき真相に辿り着き…(「丹夫人の化粧台」)。画家はポケットの中に奇妙な紙切れを見付けた。日比谷公園で、青い外套を着た女に会えと書いてある。その通りにしたところ、とんでもない事件に巻き込まれ…(「青い外套を着た女」)。初期作品14篇を所収。
芝居小屋で起きた人気役者の謎めいた自殺と、その驚くべき顛末を描く「赤姫」。絵画をこよなく愛した父の死後、母の中に巣くう狂気に意外な形で気づく「陽射し」。女性の秘めた復讐心を静謐な筆致で浮かび上がらせる「紡ぎ唄」。中川多理氏が制作した球体関節人形から想を得た「そこは、わたしの人形の」など24篇。初期の作品から現在までの単行本未収録作品を精選して収録。短くも濃密な物語の数々に、著者の物語世界の多彩さと奥深さを堪能できる贅沢な作品集。
他の病院で断られたわけありの患者も引き受ける堕胎専門医、新興宗教にはまる妻、元患者の愛人、胎児の処理をさせられる書生……歪な病院で起きた患者の失踪の?末(表題作)。新婚旅行初夜の新婦を襲う救いようのない悲劇(「ブラック・ハネムーン」)。めくるめく官能と幻想、常人の倫理を超えていく不条理と奇想によって独自の世界観を作り出す官能ミステリの女王の傑作をこの一冊に凝縮。
過度な自己破壊衝動を持つ男は最愛の妻を得ることで生きる意味を見出したかに思えたが、主治医の男と妻の関係に疑念を抱く(「落ちる」)。うだつの上がらない万年平行員の宿直当番中に銃を持った強盗が現れた。その意外な顛末とは?(「ある脅迫」)。サスペンスからユーモア、本格推理、叙情豊かな青春までバラエティに富む昭和ミステリの傑作短篇集。単行本未収録作「砂丘にて」収録。
2017年の日本SF短編の精華を収録。今年度版には我孫子武丸、彩瀬まる、新井素子、上田早夕里、円城塔、小川哲、小田雅久仁、筒井康隆、酉島伝法、伴名練、松崎有理、眉村卓、宮内悠介、山尾悠子、横田順彌らの小説15編をはじめ、加藤元浩の漫画も収録。巻末には第9回創元SF短編賞の受賞作と選評を掲載。編者二人による各作品解説や年間日本SF概況、短編推薦作リストなど解説記事も充実した、2017年の日本SFが一望できる年刊ベスト・アンソロジー。
「赤い酒場を訪れたまえ」「わがふるさとは黄泉の国」などの伝奇SFから、映画化もされた「戦国自衛隊」まで全12篇収録の傑作選
実直な刑事の徳持が捜査に出たきり行方不明になった。捜査係は総力をあげて事件の解決に乗りだすが、彼とやくざについての噂が同僚のあいだに疑念を呼び起こす。そんな中、徳持はホテルで扼殺死体となって見つかる(『夜の終る時』)。二部構成の鮮やかさと乾いた筆致で描かれる警察組織の歪みのリアルさは今なお色あせない。日本推理作家協会賞を受賞した警察小説の金字塔に4作の傑作短篇を増補。
「無の障壁」「勇者還る」など初期宇宙SFの傑作から「アマゾン砂漠」「火星人の道」など東キャナル市連作まで全15篇を収録。
「レオノーラ」「虎は暗闇より…」「エスパーお蘭」などの傑作短篇、黒人警官の苦悩を描く『サイボーグ・ブルース』全篇収録