著者 : 朝倉尚
新日本古典文学大系53 中華若木詩抄 湯山聯句鈔新日本古典文学大系53 中華若木詩抄 湯山聯句鈔
室町期の京都五山禅林は、当時の学問研究の総本山であり、仏典や漢籍に詳細な注釈を施した口語体の「抄物」が盛んに著された。本書収載の二篇はその代表的作品。五山高僧の該博な漢学の教養を遺憾なく今日に伝える。
禅林の文学禅林の文学
五山文学を代表する文人僧・横川景三の応仁の乱前後の動静を中心に、戦乱のさなかにも活動していた聯衆の活動を描出すると同時に、庇護者・小倉実澄との交流、京都における禅林復興という「動」を志した横川景三と地方における文芸・活動という「静」を志しながらも都に召喚されて斃死に近い最期を遂げた同輩・桃源瑞仙の対比等、「生きざま」の提示にも余韻を残す。 はしがき 第一部 応仁の大乱と禅林の文芸(禅林聯句の一側面) 第一章 戦乱時における文芸としての禅林聯句 -「小補東遊集」と「江東避乱聯句」(仮称)- 第二章 自筆稿本系統『小補東遊集』の出現 -天理図書館所蔵『小補東遊集』をめぐってー 第三章 「江東避乱聯句」(仮称)の第唱句と入韻句について 第四章 京都大学附属図書館所蔵『東遊集聯句』 -解題と本文復原の試み(翻刻)- 第五章 『〔湯山聯句〕』『成吠詩集(坤)』『〔梅花無尽蔵〕』『〔聯句集〕』について 第六章 「禅林聯句の総集」について 第二部 応仁の大乱をめぐる一禅僧(横川景三)の軌跡 緒言 -横川景三…江東避乱から禅林復興への歩みー 第一章 第一回上洛と帰山 第二章 第二回上洛とその前後 第三章 識廬庵への隠棲 第四章 第三回上洛 -文明四年〜五年(一四七二〜三)の動向ー 第五章 五山禅僧としての覚悟 -文明七年(一四七五)の動向ー 第六章 大乱の終結と禅林の再興 あとがき/索 引
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