著者 : 木村友馨
本所の一膳飯屋「井筒」の看板娘お蔦は、鬼平も一目おいた名親分の忘れ形見。顔は悪いが、情の厚い御用聞き「不動の井蔵」に溺愛されて育った。定廻り同心、遊佐清之介の屋敷で武家奉公することになったお蔦。清之介の母の厳しいしつけに半べそであった。そんなおり、清之介宅に現れた記憶のない女。謎の女性の哀しい過去を綴った一篇、母を知らぬ小盗の親孝行を描いた中篇、勘違いで巻き込まれた剣難の全三篇を収録。
本所の一膳飯屋「井筒」の看板娘お蔦は、鬼平も一目おいた名親分の忘れ形見。顔は悪いが、情の厚い御用聞き「不動の井蔵」に溺愛されて育った。太鼓持ち「たぬ忠」が持ってきたお蔦の見合い話を握り潰した直後、井蔵は相手がお手討騒ぎに巻き込まれたと知る。五両で我が子を売った哀しい母の顛末に、浮気医者源庵のおしゃべりが救った貧しい姉妹の話。御用達茶道具屋「洗心堂」の先代夫婦の夫婦愛を描いた全三篇を収録。
盂蘭盆が近づくと、毎年お江戸の富裕な商家を襲って店中の者を叩き斬る“意趣斬葵之介”が本所に現われた。情の厚さと顔の怖さで「鬼不動」と呼ばれる御用聞きの井蔵は、名岡っ引き「天眼通の才吉」の忘れ形見で、養女のお蔦と下手人の捕縛に挑む。そのほか、死んだはずの父親が不幸にした娘へ恩返しをする一話、怪談「置いてけ堀」をめぐる騒ぎを加えた全三篇を収録。シリーズ好評の第三弾。
本所の一膳飯屋「井筒」の看板娘、お蔦は、かの長谷川平蔵に「天眼通」と呼ばれた名親分の忘れ形見。顔は悪いが情には厚い御用聞き「不動の井蔵」に育てられた。幼い日、井筒を囲んで背比べした初恋の人、虎吉との再会で、御用達茶道具屋「洗心堂」の主が襲われた事件そっちのけで舞い上がるお蔦とやきもきする井蔵。そのほか、井蔵の隠し子騒動に、清之介の恋が絡んだ中篇、全三編を収めた好評のシリーズ第二弾。
玉の輿を願う本所の一膳飯屋「井筒」の看板娘、お蔦はかの長谷川平蔵に「天眼通の才吉」と呼ばれた名親分の忘れ形見。顔は悪いが情にはもろい、御用聞き「鬼不動の井蔵」に育てられた。実父譲りの「天眼通」で謎に近づき、養父譲りの情の厚さで謎から遠のく、お蔦の父娘二人三脚の捕物劇、その顛末やいかに?捕物帳に新ヒロイン誕生!こまやかな筆致が冴える、女流新人作家のデビュー作。