著者 : 木村浩美
ハナサイド警視、第三の事件簿を初邦訳!莫大な財産の相続と会社の経営方針を巡る一族の確執。その先に待ち受けるのは新たな秩序と成功を生み出す希望か、それとも全てを奪い去る破滅か…。
最愛の兄の訃報に打ちのめされたカミラは、悲嘆にくれていたある日、思いがけない人物の訪問を受けた。ノア・グラントー巻き毛の黒髪と青い瞳を持つ億万長者。3年前、カミラはもうこれ以上愛する人を亡くしたくなかったから、命がけの仕事に就くノアに別れを告げたのだった。赴任先でカミラの兄と行動をともにしていたノアは、今わの際の兄から妹への贈り物を預かっており、それを渡しに来たという。ノアの子供を密かに産んで育てているカミラの心はかき乱された。彼の胸に飛び込んで息子の存在を伝えたいけれど、そんなことはできない。あの至福のときは過ぎ去り、愛は終わりを迎えたのだから。
高級リゾート施設の広告提案に臨んだエリーは、広告主であるニッコロ・ロッシの姿をひと目見た瞬間にまるで流砂に落ち込むような感覚を味わった。端整な顔、漆黒の髪と瞳、しなやかでたくましい体つきーギリシア神話の彫像のように美しい冷徹なプレイボーイ富豪は色気に欠けるエリーの広告案を一蹴し、悪魔のように微笑した。「1週間、現地のヴィラに泊まるんだ。僕の恋人のふりをして」わけあってこの仕事を逃すわけにいかないエリーは彼に従った。これは純粋な現地視察よーざわめく胸にそう言い聞かせながら。
「今週、僕につきあってくれたら、いくらでも払おう」大富豪のマットに誘われたのはナニーとしてだと知りながら、養子斡旋所で働くクレアは赤面した。彼はとびきりゴージャスなのだー急死した友人の赤ん坊を引き取りに来て、途方に暮れていてもなお。確かにクレアはこの4日間世話した赤ん坊と別れがたく思っていた。でも、マットと行動をともにして、彼に惹かれずにいられるかしら?仕事中毒の彼に特別な想いを抱けば傷つくのが目に見えているのに…。だが迷った末、クレアは彼の豪邸で住み込みのナニーとして働き始めた。ここにいるのはマットと恋に落ちるためではない、私は一介の使用人なのだと、揺れる心に言い聞かせながら。
火事でアパートメントを焼け出され、幼い娘とふたり、住む場所に困っていたジョイに、住み込みの家政婦の話が舞い込んできた。雇い主のサムは、大富豪だというのにもう5年も山にこもりきりだと聞き、山の上にひっそりと立つ彼の邸宅へおそるおそる向かったジョイ。現れたのは、どきりとするほどハンサムでセクシーな男性だった。彼みたいな人が、なぜ世捨て人のような生活をしているのかしら?サムはジョイを見るなり、君は若すぎると言って不機嫌になり、幼いホリーに気づくと傷ついたような顔をした。ジョイの懇願にしぶしぶ雇うと決めてはくれたものの、彼は来る日も来る日も、煩わしげにジョイを遠ざけるばかりで…。
謎めいた大学教授ドミニクと運命の出会いを果たし、めくるめく官能の世界へと誘われたサマー。抑えつけてきた性への衝動を解放した彼女は、バイオリニストとして成功し、ニューヨークのオーケストラに迎えられる。だが同居を始めたドミニクとは気持ちがすれちがうばかり。さらに、彼女に執着する男の罠に落ち、性の奉仕を強いられて…。官能ロマンス“エイティ・デイズ”シリーズ第二弾。
燃えるような赤毛のバイオリニスト、サマー。男性とうまく関係を築けない彼女は、音楽に没頭することで気を紛らせてきた。しかし路上演奏の最中に騒動に巻き込まれ、大切なバイオリンを失ってしまう。失意に沈む彼女だったが、謎の男から新しいバイオリンを提供するとの突然のメールが。それも奇妙な条件付きで…。彼はいったい誰?官能ベストセラー『エイティ・デイズ』シリーズ第一弾。