著者 : 木村由利子
引退を決心した71歳の精神科医のもとにやってきた最後の新患は、若くして希死念慮にとらわれた女性だった。精神科医は彼女の面談をとおして、他者とのかかわりを避けてきた自らの人生に向き合う。デンマーク人精神科医が描く、老いと死を静かに見つめる小説。
絵画誘拐を成功させた老人犯罪一味の面々。ほとぼりが冷めるまでと。ラスベガスでカジノ三昧の日々を送っていたが、さすがに故郷が恋しくなってきた。国の福祉の皺寄せを受けている老人たちのための資金は、まだまだ足りない。メッタをリーダーとする五人の団員は新たな犯罪に着手すべく、再びスウェーデンに。だが新たに入手したアジトの隣は、バイク族の巣窟だった。五人で合計四百歳、老人たちの痛快な活躍を描くシリーズ第二弾。
離婚して学生時代を過ごした町に戻った新聞記者ディクテ。彼女の誕生日を祝いオープンカフェで盛り上がっていた時、目の前の川に桶に入った赤ん坊が流れてきた。一方親友の一人が勤める病院では新生児が額にいたずら書きをされ、さらにそこで出産した別の親友の赤ん坊が誘拐された。ディクテは赤ん坊を巡る三つの事件の取材に奔走する。デンマークを舞台にしたライトミステリ。
ハンマルビー署の刑事ペトラは、公園で凍えきった赤ん坊を発見した。近くにはひき逃げの被害にあったらしい、母親と思われる女性の死体が。警察が捜査を開始しようとした矢先、一本の電話が入った。フィンランドフェリーの船内で十六歳の少女が絞殺体で見つかったという。犯人は恋人か、行きずりの男か。子供をめぐる二つの事件は、意外な展開を見せる。ショーベリ警視シリーズ。
裕福だが厳格な祖母と美しい母と共に重苦しい生活を送るジェーン。ある日突然、死んだと思っていた父親が現れ、暗い都会から光に満ちあふれたプリンスエドワード島を訪れることに。温かな愛に包まれる物語。
ベブとフェリックスの兄弟がプリンス・エドワード島で出会ったのは少し大人びた不思議な雰囲気の少女。美しい島の四季と共に成長する多感な少年少女たちの日々を描く『赤毛のアン』の姉妹編ともいえる人気作。
「狼」と呼ばれるダイヤモンドを手にした瞬間、美貌の青年ダニエルの運命は変わった。満月が昇るたびに狼に変身し、殺戮を繰り返すようになったのだ。人間たちを血祭にあげながら、ダニエルはダイヤに導かれるように故郷の村へと舞い戻る。懐かしい地で出会ったのは焔のごとく赤い髪の美しい女。ダニエルと女はダイヤの魔力の命ずるままに激しい恋に落ちた…ファンタジイ界の女王が贈る華麗なるロマンティック・ホラー。
貴族の圧政に耐えかねたシャリーン市民が暴徒と化してベヴィアール宮を襲った。なんとか宮廷から脱出したエリステは侍女と共に祖母の屋敷に潜伏し、混乱が去るのを待つことにした。ところが、急進派の首魁ウィス・ヴァルールが魔力で動く古代処刑機械をよみがえらせ、あろうことか国王を処刑し、徹底した貴族狩りを開始したのだ。迫りくる死の運命から逃れるためエリステたちは都からの逃亡を決意するが…。
騎士の娘マリアンが十字軍帰りのロバートから聞かされたのは、代官ドレイシーと結婚せよという父の遺志だった。だが、代官は酷薄な男。彼に嫌悪を覚えたマリアンは、しだいにロバートに惹かれていった。そんなある日、マリアンが逃亡死刑囚にさらわれ、無法者が徘徊するシャーウッドの森に連れこまれた。ロバートは彼女を救うべく森に足を踏み入れた…ロビン・フッド伝説を鮮やかに甦らせるシリーズ第2弾。
12世紀英国。ハンティントン伯爵家では、十字軍遠征から生還した嫡子ロバートを囲む祝賀会が開かれていた。領主の娘マリアンは一縷の望みを胸にこの祝賀会に駆けつけた。ロバートなら、同じ十字軍で死んだ父の最期を語ってくれるはずだ。かくしてマリアンは出会った、後のロビン・フッド、己の恋人となる運命の男と…。伝説の人物たちの姿を生き生きと甦らせた新たなるロビン・フッドの物語、ここに登場。
ある夏の日、カールとレギッツェの老夫婦は家族や旧友たちを招きパーティーを開く。にぎやかな宴の中、二人の心に去来する様々な想い。家族、友人、夫婦、愛とは-。人生の真実を淡々と描く、デンマークの国民的ベストセラー小説。