著者 : 杉山成子
人生を失い、それでも女は這い上がれるか人生を失い、それでも女は這い上がれるか
アルコール、性的虐待、経済的困窮ーー。 女たちは壊れてなお、生きつづける 何日もお風呂に入らないし着替えもしない。ビールもちっとも美味しくない。味などわからないのだ。 だが、飲まずにはいられない。うす汚れたかっこうでコンビニに行き、ビールを四、五本抱えて帰ってくる。 布団の中に入って、それをちびちび飲む、時々、トイレで吐く。 この連鎖をどうにか断ち切ってほしいと願うようになった。(本文より) 第18回民主文学新人賞受賞作家による、書き下ろし・発表作を4編収録。 人生を失い、それでも女は這い上がれるか ほどけない、けど結ばれない デリヘル嬢になれますか? シャツブラウス
誰もこの涙に気づかない誰もこの涙に気づかない
菱山南帆子氏(市民運動家)推薦!【写真】 〈DV加害者に男が圧倒的に多いのは女性差別が背景にあるからだ。 選んだあなたが悪いんじゃないの。女性を取り巻く構造が悪いの。 女がつながれば、女の選択肢は増え、未来は変わる。〉 第18回 民主文学新人賞受賞作収録 「現代社会に於ける夫婦間のDVを題材に、夫の暴力から逃れ、愛息との離別の悲哀にも耐えながら、人間として、女性として自立しようとする主人公の姿が、緊迫感溢れる筆で描出されている」(能島龍三氏〈作家〉「第18回 民主文学新人賞選評」) 民主文学新人賞受賞作「誰もこの涙に気づかない」と続編「忘れものは重かった」を収録した連作短編小説集。
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