著者 : 東理夫
ボクサーとしての成功を夢み、ウェイトレスをしながら自己流のトレーニングに励むマギーは、ベテラン・トレーナーであるフランクの門を叩く。昔気質のフランクは女性を拒むが、熱意に負け、二人三脚で頂点を目指すことにする。意外な素質を見せ、連勝街道を突き進むマギー。場末のリングからヨーロッパ遠征、そして世界の頂点が見えたとき、悲劇が見舞った…ボクシングに生きる人々の喜怒哀楽に彩られた、感動のドラマ。
ママ特製チキン・スープ、自宅の庭に生える珍しい茸のシチュー、自家菜園でとれた野菜サラダ、愛情のこもったラム・レッグのロースト、もちろん年代物のワイン…。みんなおいしくて、完璧な凶器です。ひと味足りないから塩を取ってほしい?それはとても危険!なぜって塩も立派な凶器ですから。名シェフのアシモフが、16品のフルコースの献立にちなんで殺人事件を集めました。
カントリーの本場ナッシュヴィルで歌手として立とうとして、行方を絶った木田恵美莉。大手レコード会社の日本人調査員〈私〉は、自にの潰えた夢に重ねあわせて彼女の失踪の謎を追うが…。カントリーの殿堂を買収しようとして日米摩擦を起こす日本人実業家、音楽都市に蠢く黒い陰謀、戦争花嫁だった日系老婦人の相次ぐ不審死が、その行く手を阻む。日本人探偵の必死の追跡劇をスケール大きく描く問題作。
本場アメリカへ行き、フォークギターの勉強をしたい。そのふたりの夢が、ようやくかなう日が来た。出発の三日前、卓也は胸をはずませてアパートのドアをたたくが…。70年代初頭のフォークに生きる青春を、透徹した眼差しで追った、著者初の書き下ろし長篇恋愛小説。
ニューヨーク支社への転勤が決まった私は、それに先んじて2週間の休暇を取り、数年前、家族になんの連絡も入れずにアメリカ人と結婚し、アメリカへ渡った姉を探すことを決意した。ロス・アンジェルスからグレイハウンド・バスに乗り、ニューメキシコ、アーカンソー、テネシー、そしてニューヨーク。だが、姉の行方は杳として知れず、その代わり、私は様々な想いを抱えた様々な人々に出逢った…。アメリカの光と影、人々の感傷を抒情豊かに描く傑作ロマン。
切なく響くフイドルの音色。スチールギターがむせび泣く。カントリーの聖地ナッシュビルの日本人私立探偵は走る。見果てぬ夢とこわれた心のかけらを集め、物語が始まる。長篇ハード・ボイルド。
ハワイでしがない探偵稼業をつづける京平は、訳ありで当分日本へは帰れない。今日もワイキキ・ビーチをさまよううち、事件がやってきた。依頼人はとびきりカワイイ娘。4年前、取材中に死んだ記者の兄について調べてくれという。ハワイの観光地、食べ物などの情報を織り交ぜながら、新鋭が書き下ろした傑作探偵物語。