著者 : 東雅夫
たとえどんなお化けが現われようと、決してたじろぐには当らないのであるー。宇宙文学の大いなる始祖にして、三島由紀夫を驚嘆させた少年愛文学の先駆者でもある、昭和文学の燦爛たる流れ星「コメット・タルホ」が遺した膨大な作品群から怪奇幻想の名に値する名作を初めて集大成!文豪怪異小品集シリーズ、第十三弾。
一個色白き裸体の婦人、薄青き布を以て腰の辺を蔽えるが、身動きもせで画像の如く馬に対してたたずみたるー。初期の傑作として名高い「龍潭譚」の系譜を中心に、「白鬼女物語」「飛縁魔物語」「蝙蝠物語」など、鏡花幻想文学の知られざる名小品二十四篇を厳選収録。二〇二三年に生誕百五十年を迎える泉鏡花の妖美な世界を深くじっくり堪能できる文豪怪異小品シリーズ、第十二弾。
『おばけずき』に始まる平凡社ライブラリーの夏の定番“文豪怪異小品集”シリーズの記念すべき十冊目「特別篇」は、幻想童話ー文豪たちによるファンタジー名作集!泉鏡花「海戦の余波」、内田百〓「王様の背中」、宮沢賢治「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」のほかこの分野の創作に長けた名匠たちが決まって生涯に数作、あたかも示し合わせたかのように書き残した名作を厳選し、一巻に集成した、かつてないアンソロジー。
空前の怪談会ブームのいま、よみがえる大いなる原点の書。アニメや舞台化でも話題を呼ぶ、不朽の文豪、泉鏡花。彼が関わった春陽堂系の三大「怪談会」を、初出時の紙面を復刻することで完全再現。巻頭に特別インタビュー「京極夏彦、鏡花を語る」も掲載。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方の太平洋岸を中心に未曾有の被害をもたらした。理不尽な死に見舞われた無辜の人々と、残された者たちー彼岸と此岸、死者と生者の幽暗なあわいに思いを凝らす作家たちの手で、新時代の怪談文芸が澎湃と生み出されてゆく。平成の時代に誕生した極めつきの名作佳品を全三巻に収録する、至高の怪奇小説アンソロジー最終巻。
ホラー・ジャパネスクと怪談実話の興隆で幕を開けた平成の怪奇小説シーンは、やがて多くの人気作家や異色作家を巻きこみながら、幻想と怪奇と恐怖の絢爛たる坩堝を形成してゆく。平成の三十余年間に生み出された名作を、全三巻に精選収録するアンソロジー。第二巻は平成10年発表の小川洋子「匂いの収集」から19年の山白朝子「鳥とファフロッキーズ現象について」の全十八作。
ホラー・ジャパネスクと怪談実話の興隆で幕を開けた平成の怪奇小説は、多くの人気作家や異色作家を巻きこみながら、幻想と怪奇と恐怖の絢爛たる坩堝を形成してゆく。平成の三十余年間に生み出された名作を精選して、全三巻に収録。最高の作家たちによる至高の怪奇小説傑作選の第一巻は、平成元年発表の吉本ばなな「ある体験」から10年の宮部みゆき「布団部屋」まで全十五作。
猫ほど不思議が似合う動物はいない。謎めいたところが創作意欲をかきたてるのか、古今東西、猫をめぐる物語は数知れず。本書は古くは日本の「鍋島猫騒動」に始まり、レ・ファニュやブラックウッド、泉鏡花や岡本綺堂ら東西の巨匠による妖猫小説の競演、萩原朔太郎、江戸川乱歩、つげ義春の「猫町」物語群など21篇を収録。猫好きにも不思議好きにも堪えられないアンソロジー。
文学と妖怪は切っても切れない仲、意外な作家が妖怪を描いていたりする。本書はそんな文豪たちの綴る様々な妖怪物語を集めたアンソロジー。雰囲気たっぷりのイラスト入りの尾崎紅葉「鬼桃太郎」、泉鏡花「天守物語」、宮澤賢治「ざしき童子のはなし」、小泉八雲(円城塔訳)「ムジナ」、芥川龍之介「貉」、内田百〓「件」等19篇を収録。妖怪づくしの文学世界を存分にお楽しみ下さい。
ネット上で2003年より毎夏開催され、大反響を巻き起こしている「ビーケーワン怪談大賞」の名作佳品が一冊に!大の怪談好きで知られる3人の編者が、腕によりをかけて選んだ100編に加え、文庫オリジナル書き下ろし作品8編も収録。
いまインターネットで話題騒然の「3分で読める800字の怪談」シリーズ第二弾。一度読んだら二度と忘れられない(!?)怖い話、不思議な話、奇妙な話、せつない話…三度の飯より怪談が大好物の書き手たちが腕を競った中から、特に評価の高かった作品ばかり全108編を一巻に厳選収録。
好評の「てのひら怪談」シリーズから飛び出した、800文字の新たな文学宇宙!和漢の古典文学から、夏目漱石、泉鏡花らの文豪たち、さらには村上春樹、京極夏彦ら平成の人気作家にいたるまでー総勢100名にのぼる小説家、詩人、エッセイストの手になる妖しく不思議で奇妙な物語のカケラを蒐めた、極小にして極上のアンソロジー。
中世幻想譚の精華たる謡曲から、童話や探偵小説、そして戦後文学を代表する人々まで多彩な幻視者たちの文学を集大成。現実を超えた世界を追求する作家たちの鮮烈な軌跡を、識者によるオールタイム・ベストをもとに選ばれた名作佳品21篇によって跡づける。
王朝物語、説話文学、謡曲から近現代小説まで、日本幻想文学の豊饒な系譜を3巻本構成で総覧する画期的アンソロジー。開幕篇となる本巻には『源氏物語』『今昔物語』『雨月物語』などの大古典に始まり、明治の『遠野物語』、大正の『一千一秒物語』、昭和の『唐草物語』等々、幻想文学史を彩る妖しき物語群の中から、オールタイム・ベストとして定評ある窮極の名品21篇を収録した。
大人から子供まで、多くの人々を熱狂させる未知の生物!!純文学の世界をはじめ、スラップスティック・コメディ、批評エッセイなど、あらゆる分野に登場するとびきりの『怪獣』たちを集大成した、空前絶後の大アンソロジー。寓話、メルヘン、SF、ホラー…破壊の恐怖をひき起こしながらも、どこか懐かしく、愛らしい異形の者たち。