著者 : 松本常彦
新日本古典文学大系 明治編13 明治実録集新日本古典文学大系 明治編13 明治実録集
時事雑説を描くことが禁じられていた江戸期に比し、明治の実録は堂々と現実の重大事件を空想・虚構をまじえ叙述する。黒船来航から西南戦争に至る維新前後史話として広く読まれた染崎延房『近世紀聞(抄)』、西南戦争における在野の志士を描く篠田仙果『鹿児島戦争記』、社会問題ともなった相馬事件を伝える渡辺綱『掃魔の曙』を収録。
鹿児島戦争記鹿児島戦争記
明治十年一月末、西郷隆盛を担ぎ鹿児島・私学校の生徒たちが蜂起した。西南戦争の始まりである。新政府に不満をもつ士族らの大規模な反乱は、八カ月後の西郷の死まで、日々新聞で報じられた。それらを絵入り読み物としてまとめ直したのが本書である。小林清親の挿絵とともに、西郷らと官軍との対峙を生きいきと伝える。
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