著者 : 松本真一
“FINAL CURTAIN”(1947年)は、ロデリック・アレン警部をフューチャーしたシリーズの第14作。前半はアレン警部の妻トロイの視点でアンクレトン館の様子と事件の推移が描かれる。アンクレトン館の人々のやや異様とも思える人間関係の微妙な均衡が崩れ、まるで運命に導かれるように悲劇的な結末へと進んでいく。アレン警部は丁寧な聴取を重ね、ついに驚くべき真相にたどり着くのだが…。英国女流推理作家“ビッグ4”の一人、ナイオ・マーシュのベストとの呼び声も高い傑作、ついに初邦訳!
「ビック」と何度か呟きました。それが最後の言葉でした…イギリスの片田舎で名士として名高いハロルド卿が亡くなる。閉鎖的な村に暮らす人々のなかで徐々に殺意が醸成され、沸点に達していく。そしてついに犠牲者が…。捜査に乗り出したアレン警部は、断片的な事象を丹念に解きほぐし、事件の真相と驚くべき真犯人にたどり着く。英国女流推理作家“ビッグ4”の一人、ナイオ・マーシュの傑作、ついに本邦初邦訳!
「もうすぐここで殺人が起こるだろうから…」大農場の女主人の不気味な予言は現実となり、連続殺人へと発展。奇妙な一族に渦巻く複雑な人間関係が醸成した感情と殺意。そしてついに驚くべき真犯人が明かされる。ホームズとワトソンを想起させるチャーミングな素人夫婦探偵「ダゴベルトとジェーン」シリーズの第2弾。本邦初邦訳!物語は、ダゴベルトがジェーンと共に旧知のミランダを訪ねるところから始まります。ミランダは大学で知り合った大農場の跡取り息子ジュリアンと結婚し、経営状態の芳しくなかった農場を見事に立て直していました。大農場には、ジュリアンとミランダ夫妻と彼らの子ども、そしてミランダの妹・ペギーと父親、さらに、ジュリアンの異母兄弟の兄のハルが一緒に暮らしており、ときたま音楽家や、ペギーのボーイフレンドなど多種多様な人々が出入りしていました。そんなある日、滞在中のダゴベルトとジェーンは「もうすぐここで殺人が起こる」とミランダが予言めいたことを言ったとハルから伝えられます。そして、翌朝、ミランダは死体で発見され予言は現実となるのです。さらに、殺人者の魔の手は第二の被害者にも迫っていました。聡明で謎解きが好きな青年ダゴベルトと作家でもある妻のジェーンが、この謎を解き明かしていきます。