著者 : 林譲治
天涯でのガイナス戦大敗の責を負い、閑職に移った火伏礼二少将。艦隊再建が進む出雲では、新たに軍務局の吉住二三四大佐が壱岐方面艦隊の兵站監に着任、独立混成降下猟兵第一連隊のシャロン紫檀大佐とマイザー・マイア少尉は、起死回生の新兵器“原子熱線砲”の開発現場を密かに訪れていた。一方、特設降下猟兵小隊を率いるアンドレア園崎大尉は、因縁の戦場、天涯への威力偵察を指揮することになるがーシリーズ第3弾。
準惑星天涯でガイナスに辛勝した人類。しかしその勝利は、出雲と壱岐の政治・軍事各所に微妙な軋轢を生みだした。コンソーシアム艦隊の作戦行動が政治主導で制限されることを危惧する左近健一大将は、腹心の香椎士郎中将を司令長官とする壱岐方面艦隊を編組。一方、壱岐の軍需工場を巡り、タオ迫水筆頭執政官と火伏礼二兵站監は攻防を繰り広げる。さらに天涯の探査システムが正体不明の小惑星を発見しーシリーズ第2弾。
昭和16年12月8日、日本軍は奇襲により真珠湾の基地機能を破壊。戦艦8隻を撃沈・大破させて米太平洋艦隊の戦艦は全滅した。昭和17年2月、ラバウルをめぐる攻防が激しさを増すなか、ハルゼーが空母ホーネットとヨークタウンを率いてソロモン海に向かう。しかし、五航戦の戦爆連合が両空母を沈め、米軍の有力軍艦は空母サラトガだけになった。ラバウルを攻略した日本軍はMI作戦を発動、米基地を破壊してミッドウェーの要塞化に取りかかった。日本軍は米豪遮断作戦のためソロモン諸島の航空基地化を進め、ガダルカナル島が日米攻防の最前線となる…。
人類の播種船により植民された五星系文明。辺境の壱岐星系で人類外の産物らしき無人衛星が発見された。非常事態に出雲星系を根拠地とするコンソーシアム艦隊は、参謀本部の水神魁吾、軍務局の火伏礼二両大佐の壱岐派遣を決定、内政介入を企図する。壱岐政府筆頭執政官のタオ迫水はそれに対抗し、主権確保に奔走する。双方の政治的・軍事的思惑が入り乱れるなか、衛星の正体が判明するー新ミリタリーSFシリーズ開幕。
戦艦ターチンと戦艦メークロンは、タイ王国の依頼により日本海軍が建造。マレー半島侵攻と同時に2戦艦には日本海軍陸戦隊が乗り込み、イギリスZ艦隊と交戦、レパルスとプリンス・オブ・ウェールズの撃沈に成功した。その後、両艦は日本政府に売却され、ターチンは戦艦丹後に、メークロンは戦艦相模と改称され、日本海軍に編入された。米豪遮断を目論む日本軍は戦艦丹後と相模の活躍もあり、珊瑚海海戦で空母ヨークタウンを沈め、ポートモレスビーも完全制圧する。しかし、老朽商船を改造した米空母の反撃により戦闘は激化していく…。
戦艦ターチンと戦艦メークロンは、タイ王国の依頼を受けて日本海軍が建造した船体をタイに売却後、バンコクの中村造船所で完成された。その2戦艦に日本海軍陸戦隊が乗り込み、マレー半島侵攻と同時に造船所を出て南シナ海に向かう。2戦艦はイギリス海軍Z艦隊を発見し、巡洋戦艦レパルスを撃沈。そして、小説艦隊も戦艦プリンス・オブ・ウェールズの撃沈に成功する。両艦はタイから日本政府に売却され、ターチンは戦艦丹後に、メークロンは戦艦相模と改称され、日本海軍へ編入された…。
インドシナ海上での日仏海軍による合同演習が決まり、アジアの情勢は日増しに緊張が高まっていた。ドイツの傀儡である、フランス・ヴィシー政府と日本の接近は、英国にとっては二正面作戦という悪夢になりかねないのだ。そこで、イギリス海軍は日仏に対抗すべく、最新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋艦レパルスをシンガポールに回航させるという強硬策に出た。そうしたなかで合同演習を敢行すれば、演習が武力衝突になりかねない。苦慮した大本営は、秘密兵器によるプリンス・オブ・ウェールズ撃沈を狙った極秘作戦を発令する。
西暦2100年、1機のX線観測衛星が発見したブラックホール・カーリー-それがすべての始まりだった。カーリーの軌道を改変、その周囲に巨大な人工降着円盤を建設することで、太陽系全域を網羅するエネルギー転送システムを確立する-この1世紀におよぶ巨大プロジェクトのためAADDが創設されたが、その社会構造と価値観の相違は地球との間に深刻な対立を生み、人類は激動の時代を迎えようとしていた…。火星、エウロパ、チタニア-変貌する太陽系社会を背景に、星ぼしと人間たちのドラマを活写する連作短篇集。
宇宙都市『オデッサ』の太陽が爆発する!?この事態によって、オデッサ代官華表はオデッサを占領下に置いていた宇宙犯罪組織龍党と手を結び、10万人の市民を脱出させるべく行動を開始する。残された時間は1ヶ月しかない。だが龍党と手を結ぶのを良しとしない筆頭内与力コーデリアはこの情報を秘密裏に那国へ送信する。那国防衛軍は艦隊を派遣するが、不可解なことにこの脱出船団を撃破する作戦を発令した!オデッサに未来はあるのか。
不幸なファーストコンタクトから、那国文明圏とエキドナ文明は交戦状態に陥った。千年単位での技術格差によって、那国は圧倒的優勢のまま王都ルゴフを制圧。ここにエキドナ文明ルゴフ王国は陥落した。しかし、コミュニケーション手段として投入した翻訳機が誤訳の嵐で、交渉すら頓挫していた。そのころ筆頭教授マーサは、遺跡から発掘された遺体が、我々人類とほぼ同じ遺伝子パターンを持つことを発見する。大好評シリーズ待望の第二弾。
数百年前に那国文明圏が放った無人恒星間探査船が、後にエキドナ文明と命名される異星文明を発見した。合同調査隊は、産業革命後の文明を持った人類型異星人を発見する。しかも衛星ラミアには、彼らの技術水準では不可能な核融合炉、大規模マスドライバーなどの遺跡が存在していたのだ。そんななか、合同調査隊の帝都エクスカーナ代表部は、独自の極秘計画を発動する…。気鋭の作家が贈る新生ハードSFここに開幕。
イギリス軍の香港・啓徳飛行場がドイツのJu87により爆撃された。イギリスからの要請を受けた日本政府は蒼龍・飛龍の2隻の空母と駆逐艦4隻からなる南雲少将の第2連合航空戦隊を派遣した。そして、さらに陸軍の将兵の輸送にあたり、井上少将の第4艦隊も出撃する。2隻の空母には試験飛行半ばで実戦配備された双発の九試長距離戦闘機が2機搭載されていた。ドイツの新鋭機He112・Bf109対日本の鷲型戦闘機と九試戦闘機の空中戦。
第一次世界大戦で欧州に出兵した日本は、戦勝国となったものの、ジェットランド沖海戦で金剛が撃沈され扶桑も大破した。またUボートにより輸送船も次々と沈められ、多くの将兵を失った。この近代戦を目の当たりにした若手将校は空軍と戦車の重要さを認識し、軍備の改革を進める。折しも租界地の奪還を目ざして蒋介石の国府軍は上海を包囲した。ただちに帝国政府は英米仏とともに租界地防衛のため、空母に改装した扶桑を旗艦とした上海派遣艦隊を赴かせるが…。
対ソ戦の出撃拠点として中東欧諸国の背後に兵站補給基地を計画した日米両国はドイツに残っている軍需工場の再生を急ぐ…。狙い通りスターリンはトルーマンの和平提案を蹴った。ここにソ連への攻撃が開始された。連合国軍第1空挺軍所属の6個空挺師団がバルト三国に飛びたった。そしてエストニアの首都・タリンには本間第9軍の第1師団と第5戦車旅団が、本隊の第9師団と第10師団はラトビアのリガに上陸を敢行した。連合国軍150個師団に及ぶソ連侵攻作戦の大展開。
ドイツ国境地帯への進撃を準備していた連合国軍の前戦に、ドイツ装甲軍が大攻勢をかけた。アルデンヌを突破し、ミューズ河を渡り、ブリュッセルを抜いてアントワープ陥落を目指すヒットラーの起死回生の電撃作戦である。アルデンヌに展開しているのはホッジス米第1軍麾下の百武第17軍だった。ドイツ軍の猛攻を凌ぎ、補給路が伸びきったところで、百武第17軍は反撃に出た。ジークフリート・ラインを突破してルーデンドルフ橋を確保し、ラインを渡河して快進撃が続く…。
米英対独の両軍が死闘を続けるノルマンディー近郊のカーン。ここを突破すればパリへは一本道である。連合国軍第21軍集団司令官モントゴメリーは、デンプシー中将の英第2軍に加え第51ハイランド歩兵師団と第4機甲師団、それと英第6空挺師団まで投入するが、攻略できなかった。米第3軍傘下の山下第25軍は、そのカーンに向けて自由フランス軍のクレール中将率いる第2機甲師団と共に、共同作戦を展開する…。日本軍のM4シャーマン対ドイツ・タイガーの死闘。