著者 : 林譲治
帝国海軍は軍縮条約期限後の軍備拡張を計画、その目玉は新型戦艦だった。列強各国の関心を新型戦艦から逸らすため、同時に甲型駆逐艦と一等潜水艦の建造予算が申請された。日華事変の勃発により、新型戦艦A140と同じ予算で水中を20ノットで潜航する新型高速潜水艦と、その潜水母艦の建造が決まる…。昭和16年12月7日、戦艦大和は最後の公試運転に臨み、主砲の発射実験に成功した。翌日未明、山本五十六連合艦隊司令長官は「トラトラトラ」の暗号文を受け取った。そして昭和17年1月、戦艦大和は潜水母艦と新型潜水艦・伊201型4隻と共にボルネオ島沖で初陣を迎える!書下ろし長編仮想戦史、新シリーズ!
二隻の伊号潜水艦の衝突。それは演習中の不幸な事故として処理された。だが日本海軍の井上成美をはじめとする軍人たちは、それがクトゥルフの復活の兆しであることをしり、クトゥルフの復活を阻止すべく、秘密組織「委員会」を発足させる。一方、異変はアメリカ合衆国でも起きていた。太平洋戦争勃発後、それがクトゥルフの陰謀と考えた日米秘密機関はその復活を阻止すべく戦艦大和と戦艦アイオワを派遣する。太平洋に日米両軍の砲声がこだまする。
昭和16年12月8日、日本軍は奇襲により真珠湾の基地機能を破壊。戦艦8隻を撃沈・大破させて米太平洋艦隊の戦艦は全滅した。昭和17年2月、ラバウルをめぐる攻防が激しさを増すなか、ハルゼーが空母ホーネットとヨークタウンを率いてソロモン海に向かう。しかし、五航戦の戦爆連合が両空母を沈め、米軍の有力軍艦は空母サラトガだけになった。ラバウルを攻略した日本軍はMI作戦を発動、米基地を破壊してミッドウェーの要塞化に取りかかった。日本軍は米豪遮断作戦のためソロモン諸島の航空基地化を進め、ガダルカナル島が日米攻防の最前線となる…。
戦艦ターチンと戦艦メークロンは、タイ王国の依頼により日本海軍が建造。マレー半島侵攻と同時に2戦艦には日本海軍陸戦隊が乗り込み、イギリスZ艦隊と交戦、レパルスとプリンス・オブ・ウェールズの撃沈に成功した。その後、両艦は日本政府に売却され、ターチンは戦艦丹後に、メークロンは戦艦相模と改称され、日本海軍に編入された。米豪遮断を目論む日本軍は戦艦丹後と相模の活躍もあり、珊瑚海海戦で空母ヨークタウンを沈め、ポートモレスビーも完全制圧する。しかし、老朽商船を改造した米空母の反撃により戦闘は激化していく…。
戦艦ターチンと戦艦メークロンは、タイ王国の依頼を受けて日本海軍が建造した船体をタイに売却後、バンコクの中村造船所で完成された。その2戦艦に日本海軍陸戦隊が乗り込み、マレー半島侵攻と同時に造船所を出て南シナ海に向かう。2戦艦はイギリス海軍Z艦隊を発見し、巡洋戦艦レパルスを撃沈。そして、小説艦隊も戦艦プリンス・オブ・ウェールズの撃沈に成功する。両艦はタイから日本政府に売却され、ターチンは戦艦丹後に、メークロンは戦艦相模と改称され、日本海軍へ編入された…。
インドシナ海上での日仏海軍による合同演習が決まり、アジアの情勢は日増しに緊張が高まっていた。ドイツの傀儡である、フランス・ヴィシー政府と日本の接近は、英国にとっては二正面作戦という悪夢になりかねないのだ。そこで、イギリス海軍は日仏に対抗すべく、最新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋艦レパルスをシンガポールに回航させるという強硬策に出た。そうしたなかで合同演習を敢行すれば、演習が武力衝突になりかねない。苦慮した大本営は、秘密兵器によるプリンス・オブ・ウェールズ撃沈を狙った極秘作戦を発令する。
西暦2100年、1機のX線観測衛星が発見したブラックホール・カーリー-それがすべての始まりだった。カーリーの軌道を改変、その周囲に巨大な人工降着円盤を建設することで、太陽系全域を網羅するエネルギー転送システムを確立する-この1世紀におよぶ巨大プロジェクトのためAADDが創設されたが、その社会構造と価値観の相違は地球との間に深刻な対立を生み、人類は激動の時代を迎えようとしていた…。火星、エウロパ、チタニア-変貌する太陽系社会を背景に、星ぼしと人間たちのドラマを活写する連作短篇集。
宇宙都市『オデッサ』の太陽が爆発する!?この事態によって、オデッサ代官華表はオデッサを占領下に置いていた宇宙犯罪組織龍党と手を結び、10万人の市民を脱出させるべく行動を開始する。残された時間は1ヶ月しかない。だが龍党と手を結ぶのを良しとしない筆頭内与力コーデリアはこの情報を秘密裏に那国へ送信する。那国防衛軍は艦隊を派遣するが、不可解なことにこの脱出船団を撃破する作戦を発令した!オデッサに未来はあるのか。
不幸なファーストコンタクトから、那国文明圏とエキドナ文明は交戦状態に陥った。千年単位での技術格差によって、那国は圧倒的優勢のまま王都ルゴフを制圧。ここにエキドナ文明ルゴフ王国は陥落した。しかし、コミュニケーション手段として投入した翻訳機が誤訳の嵐で、交渉すら頓挫していた。そのころ筆頭教授マーサは、遺跡から発掘された遺体が、我々人類とほぼ同じ遺伝子パターンを持つことを発見する。大好評シリーズ待望の第二弾。
数百年前に那国文明圏が放った無人恒星間探査船が、後にエキドナ文明と命名される異星文明を発見した。合同調査隊は、産業革命後の文明を持った人類型異星人を発見する。しかも衛星ラミアには、彼らの技術水準では不可能な核融合炉、大規模マスドライバーなどの遺跡が存在していたのだ。そんななか、合同調査隊の帝都エクスカーナ代表部は、独自の極秘計画を発動する…。気鋭の作家が贈る新生ハードSFここに開幕。
イギリス軍の香港・啓徳飛行場がドイツのJu87により爆撃された。イギリスからの要請を受けた日本政府は蒼龍・飛龍の2隻の空母と駆逐艦4隻からなる南雲少将の第2連合航空戦隊を派遣した。そして、さらに陸軍の将兵の輸送にあたり、井上少将の第4艦隊も出撃する。2隻の空母には試験飛行半ばで実戦配備された双発の九試長距離戦闘機が2機搭載されていた。ドイツの新鋭機He112・Bf109対日本の鷲型戦闘機と九試戦闘機の空中戦。
第一次世界大戦で欧州に出兵した日本は、戦勝国となったものの、ジェットランド沖海戦で金剛が撃沈され扶桑も大破した。またUボートにより輸送船も次々と沈められ、多くの将兵を失った。この近代戦を目の当たりにした若手将校は空軍と戦車の重要さを認識し、軍備の改革を進める。折しも租界地の奪還を目ざして蒋介石の国府軍は上海を包囲した。ただちに帝国政府は英米仏とともに租界地防衛のため、空母に改装した扶桑を旗艦とした上海派遣艦隊を赴かせるが…。