著者 : 柘植由紀美
街と相良さんの四季街と相良さんの四季
石の街とよそ者相良(ソーラ)さんの四季折々の物語。 現実と非現実、あるいはリアリズム的要素と寓話的要素が混在して展開する堅固な格子街路のある街と、そこで暮らす人びとの点描。 カルヴィーノの『マルコヴァルドさんの四季』を念頭に書き継いだ十六篇は、 わたしたちのいま現在に通じてもいる!? あるいは未だ遠いところにある「街」への旅だったのかもしれない。 春 街とホウレン草 夏 街とサングラス 秋 街と一時間のオマケ 冬 街と広場 春 街と春の祭 夏 街とピッツァ屋 秋 街と白い人 冬 街と雪の日 春 街と空気 夏 街と破壊される街 秋 街ともうひとつの街 冬 街と教会 番外篇 春 町と石地蔵 番外篇 夏 町と磐いわくら座 番外篇 秋 町と石の銘板 番外篇 冬 町と石の化身 あとがき
スモッグの雲スモッグの雲
1950年代の模索 「スモッグだ!」クラウディアに叫んだ。「あれが見える?スモッグの雲だよ!」 だが彼女は、…何かに気をとられていて、鳥のひと群れが、飛ぶのを見ていた。そして私はといえば……。 存在の仕方が異なる五人の副次的人物との関わりから描かれる「私」という人物像。樹上を軽やかに渡り歩く「ペンのリス」カルヴィーノの1950年代の模索がここにもある。他に掌篇四篇併載。─本邦初訳─
サトコと里子サトコと里子
連作短篇集 「行為のスタイル」が「存在のスタイル」でもある世界をめざして 日本にいるサトコは職場での軋轢にもがき、イタリアを旅する里子はトリノという文学の磁場で模索する。 二つの連作と屋根裏部屋の「私」の呟きが交錯する短篇集。
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