著者 : 柴田礼子
“野獣”との床入りの3日間さえ乗り切れば、 晴れて自由の身になれるーー! ゾーイは叔父に奴隷のようにこき使われて暮らしている。 両親の死後、叔父に引き取られて財産を奪われたあとは、 冷酷な仕打ちに耐えかねて逃亡するたび連れ戻され、自由などない。 いつか故郷に帰って医療を学びたい。その夢だけが支えのゾーイに、 野獣と呼ばれる裕福なシーク・ナディールとの結婚話が持ち上がった。 ナディールは最初の花嫁を気に入らず、床入りのあと突き返したという。 叔父は支度金に目が眩んだのだろう。だがゾーイに断れるはずもない。 こうなった以上、婚礼の隙をついて国外脱出する以外、道はない。 迎えた結婚式当日、ナディールに初めて対面したゾーイは息をのんだ。 黒い瞳に黒髪の彼にみなぎる圧倒的なオーラ。この人が“野獣”……? 叔父によって売られた不遇なヒロインの前に現れたのは、野獣とはとても思えないセクシーな花婿! 三日三晩続く婚礼の儀式の間、なんとか彼に心奪われまいと自身を戒めますがーー。鮮烈な印象を残す作風で話題をさらったスザンナ・カーの伝説的デビュー作!
悲しい出生の秘密を知ったから、 愛のない結婚に甘んじるしかなかった。 クレシダは12歳のとき、母の衣装部屋の奥に、 手紙と写真入りの小箱を見つけ、王の実の娘ではないと知った。 以来、華やかな姉たちの陰で勉学に励み、ひっそり生きてきた。 そんなある日、留学中のクレシダに縁談が舞い込む。 ずっと自分を無視していた王の頼みにクレシダは喜んだが、 相手のシーク・ハリルは、経済援助を盾に結婚を迫る冷血漢だ。 宿命を受け入れた彼女にしかし、想定外の出会いが訪れる。 帰国前夜に知り合った、物憂げな黒い瞳のセクシーな男性ーー ひと目で心奪われた彼こそ、誰あろうハリルだった! 恋した相手が名目だけの夫になると知らず、奪われたキスに応えたヒロイン。それが仇となり、無垢な花嫁は冷酷と悪名高い花婿に純潔を疑われることに。そして愛など与えぬとばかりに、結婚初夜、冷たく突き放されるのでした。『白馬の騎士と禁断の花』関連作。
結婚式の直前、アテナは衝撃的な光景を目にした。じきに夫となる相手が、よりによって男性とベッドにいたのだ。両親が喜ぶ顔を見たいがために受けた縁談だったけれど、やっぱり私が間違っていたんだわ…。耐えきれずに逃げだしたアテナは偶然、意外な男性にでくわす。姉の結婚式で花婿付添人をしていた、ルカ・デ・ロッシー巨万の富と数多の美女に愛されているイタリア人億万長者だ。彼はアテナを匿ってくれたが、翌朝、驚くべき提案を切りだす。「百万ポンドと引き替えに、1年間僕の妻にならないか?」