著者 : 桑島道夫
四書四書
黄河のほとり、第九十九更生区。知識人たちはここで「こども」に監督され、再教育を受ける。解放を夢みて狂騒的な鉄鋼農業生産に突き進む彼らを、やがて無謀な政策の果ての大飢饉が襲い……。不条理な政治に翻弄される人間の痛ましくも聖なる苦闘を、「四つの書」の形式で語る。大躍進時代を彷彿とする歴史の暗部に挑んだ意欲作。 第一章 天の子 第二章 更生区 第三章 紅の花舞う 第四章 見え隠れ 第五章 自由への道 第六章 両面 第七章 出発 第八章 天地にとどろかす 第九章 不思議な坂 第十章 省政府 第十一章 火 第十二章 作付け 第十三章 大飢饉(一) 第十四章 大飢饉(二) 第十五章 光 第十六章 原稿 訳者あとがき
エマーソンの夜エマーソンの夜
エマーソンと名づけた台風の夜に一人の女が独白を始める。父親が汚職に巻き込まれたため、やむを得ず恋人を罪に追いやった女友達の死。私が語るその真相。政治の季節が終わった後、都市生活を享受し始めた人々の倦怠感に彩られた愛。
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