著者 : 桔梗楓
興信所で働く志遠は、掃除中に一匹の蜘蛛を見つけて外へ逃がした。それを見ていたという少女に連れられ、酒処『地獄の沙汰』を訪れた。そこは、見た目小学生の閻魔と部下の鬼たちが営む居酒屋だった!?閻魔たちは地獄行きしそうな人たちの心を料理とお酒で癒し更生させていくー。閻魔様による世直しストーリー!
茜はお人好しすぎる性格が災いして、会社でも無理な仕事を任される日々。ある日、絶縁状態の伯父がやってきて、従姉妹に成りすましてお見合いを頼まれてしまう!断りきれず引き受けた席で出会ったのは、無愛想で無口な御曹司・向居貴弘だった。不器用ながらも一途でストレートな愛情をくれる彼に、惹かれはじめる茜。私は身代わりなのに…。
顔良し、性格良し、おまけに仕事もデキるー中折れ帽がトレードマークの河野は、ニワトコ薬局で働くやり手販売員。しかし、本当の姿は「河童」。街に棲む神様や妖怪にも薬を売り、健康相談に乗る。一緒に販売ルートを回る麻里は、会社で唯一正体を知る理解者だ。河野の様子に違和感を覚え、穏やかな彼が珍しく喧嘩したことを知った麻里は、原因を知るため事情通の百々目鬼を訪ねるが…。
あやかし達だって悩みながらも一生懸命生きています。初夏だと言うのにやたらと寒く、麻理の住む東京の田舎では雪が降るという異常気象にテレビは賑わっていた。そんな中、麻理と河野は置き薬のチェックで雪乃を訪問する。寒さに喜ぶ雪乃と、彼女の家に遊びに来ていた椿。山の麓では雪が積もっており、巨大な足跡のようなものがあった。もののけたちが、その原因を探っていくと…現代の都会で逞しく暮らす妖怪たちの物語、第二弾。
配置薬販売のニワトコ薬局No.1販売員の河野遥河は、容姿端麗、物腰柔らかで女性社員から大人気。だが大きな秘密がある。それは真の姿が「河童」だということ。河野の顧客はクーラーで冷え症になった雪女や、ゲームにハマりドライアイになった山神など、現代病に悩む「物の怪」。河野は彼らに薬を届ける傍ら、悩みを聞いているのだが、口々に語られるのは人間との切ない過去でー。現代日本、あやかし事情。