著者 : 梓林太郎
雪どけの北八ケ岳・縞枯山で、目から血を流した男の凍死死体が発見され、長野県警諏訪署の道原伝吉刑事は現場に急行した。が、続いて犯人と思われる女の絞殺死体が発見された。捜査が進むにつれて、男の死には、二年前同じ縞枯山で連続して起きた遭難事故に関わりがあることが明らかになる。そして、真犯人と思われる男には完璧なアリバイが用意されていたのだ。長篇山岳ミステリー。
八ヶ岳周辺のゴルフ場にゴルフバッグに詰められた女性のバラバラ死体が分散して送られてきた。長野県諏訪署の道原伝吉刑事は、すべてのバッグの送り主である東京の開業医、赤城貫三郎から捜査を開始する、が、事件は怨恨の線が強く迷宮入りかにみえた。だが、道原の執念は数年前に起きた赤城医師の医療ミスに辿りついて…。長篇山岳ミステリー。
季節はずれの猛吹雪に襲われた南アルプス仙丈岳。市川佑子と佐倉知弘のカップルは、避難した仙丈小屋で三人連れのパーティと天候回復を待つことになった。そこへ荷物をなくした大熊友男が逃げこんできたのだ。大熊の傍若無人のふるまいと凶暴性を秘めた態度に、五人の反感は次弟に憎しみと恐怖、ついには殺意へと変る。が、一カ月後、大熊を投げこんだ谷からパーティの一人の死体が発見されたのだ。
ガンに冒された妻を抱えるエリート・サラリーマン今泉裕司は、社長室の上崎恒子との不倫を楽しんでいた。恒子とは山歩きの趣味もあい、次第に深みにはまっていった。やがて妻が病死し、常務から再婚話がもち上ると、邪魔になった恒子を北アルプス・常念岳に誘い出し、濃霧の中、谷底に突き落したのだ。そして、今泉の結婚式当日、殺したはずの恒子から、祝電が届いた…。会心の長篇山岳ミステリー。
エリート銀行マン・相原のもとに突然かかった脅迫電話。“醜聞を公表されたくなければ、山に登れー”。奇妙な指示に従うと、山には女性の全裸死体が!電話の主は?目的は?やがて第二、第三の事件が相原にふりかかる。雪景美しい黒部山系を舞台に、山岳ミステリーの第一人者が仕掛けた巧妙な謎とサスペンス。
旅行作家茶屋次郎は、取材で訪れた信州梓川で殺人事件に巻き込まれた。現地を案内すると言った浅沼瑞恵が、早朝、梓川の岸辺で何者かに絞殺されたのだ。だが第一発見者である茶屋は、地元の豊科署に嫌疑をかけられ、その疑いを晴らすべく独自で事件の真相解決に乗り出した。瑞恵の知人小口多津子の協力を得て、やがて茶屋は浅沼家の意外な過去を探りあてた。なんと瑞恵の父は十二年前、祖父は三十年前に梓川で水死していたのである。一つの殺人と二つの水死-これは単なる偶然なのか?山岳ミステリーの名手が梓川を舞台に深まる謎を追う書下ろし旅情推理“川シリーズ”の第一弾!
諏訪駅で転勤する同僚を見送っていた、長野県警の道原伝吉のもとに衝撃的な知らせが届いた。八ヶ岳で写真を撮っていた登山者が、「岩場から人が投げ込まれるのを目撃した」といって、小屋へ駆け込んできたというのだ。投げ込まれたのは、西岡方沙子という若い女性の絞殺死体。捜査を開始した道原が探していた万沙子の親友はなんと万沙子と同時期に木曽で殺されていたのだ。「だれが、なぜ」2つの事件に関連性を見つけた道原が探しあてた男は鉄壁のアリバイを持っていた。道原伝吉の名推理はこの事件をどう解決するか。
四十半ばを過ぎた鵜ノ木は、年に二回欠かさず山に登る。彼が横尾山荘で知り合った青年安西は、北アルプスの経験は浅かった。鵜ノ木は、連れを欲しがっている彼と蝶ガ岳を目指すことになった。天候の急変とともに二人の間には異様な空気が…!〈光文社・「小説宝石」エンタテインメント小説大賞受賞作「九月の渓」で〉傑作山岳ミステリー七編収録。
長野県警・諏訪署の人情刑事、道原伝吉は雪どけの八ケ岳・縞枯山へ急行した。目から血を流した男の凍死死体が見つかったのだ。続いて、犯人と思われる美女の絞殺死体が…。捜査が進むにつれて、男の死には2人の男が繁りを持つことが明らかになった。2年前連続して起きた遭難事故、それも縞枯山で!犯人の焦点を絞れず難航する捜査の裏には、美しい姉妹の悲しい恨み節が隠されていた。事件の影に潜む3つの殺意を伝吉は解くことができるだろうか?ズッコケ刑事貞松とのコンビも快調な、道原伝吉シリーズ最新刊。
警視庁捜査1課の荒竹十三のもとに、殉職した元同僚・飯岡の弟、邦朗が訪ねてきた。姿を消した恋人の槙未弥子を捜してほしいとの依頼だった。絵はがきを頼りに、未弥子が消息を絶った尾瀬に向かった二人だったが…。尾瀬沼畔の山小屋を出た彼女の足取りはそこで途絶えた。沼田署の必死の捜索によって、未弥子は山小屋近くの湿原で、首を切断された無残な姿で発見され、別の女性も同じように殺されていた!変質者の犯行なのか?同僚の白鳥と事件を追う荒竹は、未弥子の元恋人が、冬の尾瀬で不可解な遭難死をしている事実を掴むが…。大湿原を舞台に繰り広げられる惨劇を、奇抜なトリックを駆使して描いた、書下ろし長編推理小説の傑作。
針持天八、48歳。勘がすべての誇り高き迷探偵。酒と女が大好きでひたすらマイペース。奇想天外な頭脳を持った彼には、これまた摩訶不思議な依頼が持ち込まれる。マンションに1人住まいの女性から、いたずら電話の調査依頼があった。電話の内容は、針持が大好きな“あの最中”の女の声。そして、ことは殺人事件にまで発展。