著者 : 森田義信
スミシー・アイドは43歳。体重126キロ。昼間は兵隊フィギュアの製品管理で退屈な時間を過ごし、夜は酒と紫煙とジャンクフードに身を浸して漫然と日々を送っている。そんなある日、両親が自動車事故で死亡。葬儀を済ませ、遺品を整理していた彼は、父に宛てられた一通の手紙を開封する。それは、20年以上も消息を絶っていた姉ベサニーの死亡通知だった。こうしてスミシーは、いっぺんにひとりぼっちにー。放心状態の彼は、実家のガレージで少年時代の自転車を発見する。タイアの空気が抜けているのに気づいた彼は、ガソリンスタンドに向かう。それが、姉の眠るLAにいたる大陸横断旅行のスタートとなることも知らずにー。心を病んで奇行に走りつづけた姉。そんな彼女に振り回されながらも温かく幸せだった家庭。記憶をたどりながらひたすら西へとペダルを踏みつづけるスミシーを、優しくも残酷なアメリカの人々はどう迎えるのか…。
「なぜなんだ、アーセナル!」と頭を抱えて四半世紀。熱病にとりつかれたサポーターの人生はかくも辛い。すべてのスケジュールは試合日程次第。頭のなかでは自分とチームとがこんがらがっている。人生設計なんて立てられたもんじゃない。そんなひどい生活だったけど、ぼくには見えてきたことがあったー。英国で百万部を突破し、WHスポーツ・ブック賞を獲得した鮮烈なデビュー作。アーセナルにとりつかれてミリオンセラー作家となった男の魂の記録。
戦場に地獄を見た五体不満足の兵士。ホンダのバイクで爆走するウィリアム・バロウズ。妻(四十歳)のオナニー現場を見てしまった夫。変態KKK主義老人の愛人に惚れた青年。チェスをするとオカマ化するパパ…。生の現実の薄皮一枚向こうに透けてみえる醜悪で滑稽で陰惨でなまぐさい人間の本質。アメリカ随一の短編名人が腕をふるってじわじわ語る人生の悲喜劇、どすどす込み上げる黒い笑い!フォークナー賞作家の悲喜劇コレクション。
彼女のためにテープを編集したこと、ありますか?彼氏からそんなテープを贈られたこと、ありますか?この本は、そんな貴男とそんな貴女のための小説です。もうからない中古レコード店を営むロブと、出世街道まっしぐらの女性弁護士ローラ。同棲の危機を迎えたふたりは、どんな結末を迎えるのでしょうか。英国だけで百万部を突破した話題のベストセラー、いよいよ日本に上陸です。
アメリカ文学界に決定的衝撃を与え、この一冊によって現在までブロドキーを巨匠と呼ばせる名著中の名著。美しい姉への憧れと、少年の揺れ動く心を静謐な筆致で描いた表題作他、アメリカ青春文学に永遠の輝きを放つ一冊、ついに登場。