小説むすび | 著者 : 森香夏子

著者 : 森香夏子

めぐる季節の贈り物めぐる季節の贈り物

誰だろう、彼の好きな人って。 考えると胸がちくりと痛い……。 父と母が旅行中に交通事故で亡くなった、ですって……? 看護師長のクロティルドは突然の悲報に、思わずへたり込んだ。 そんな彼女を心配して実家まで送ってくれたのは、 この3年間、同じ病院で共に働いているドクター・サッカリー。 その後も彼は、深い悲しみに沈むクロティルドを励まし、 身寄りのない彼女の面倒を何くれとなく見てくれた。 悩みを聞くためと言って食事にも誘ってもらい、 クロティルドはドクター・サッカリーとの距離が縮まることを喜んだ。 だが職場での彼はただの仕事仲間に逆戻りで、寂しく思う。 しかも、彼には職場に結婚を決めた相手がいると聞いて胸を痛め……。 世界のベティ・ニールズファンの中には、オランダを旅行する際にベティの小説を旅の案内書として持参する人もいるという逸話があります。かつてHQイマージュの記念号に選ばれた本書は、ロンドンからオランダのライデンへの愛の旅路が描かれた名作です!

いちばん近くて遠い君いちばん近くて遠い君

どんなに愛しくても、 あなたは亡き親友の、永遠の恋人。 リゾート地での挙式前日、嫌な予兆から結婚は間違いだと確信して リハーサルを抜け出したゾーイは、参列客のアシュにでくわした。 アシュは数年前に事故で他界した大親友の夫で、 悲しみのなか、支え合い、助け合い、理解し合ってきた相手だ。 ゾーイが助けを求めると、アシュは彼女をクルーザーに乗せ、 大富豪である彼の一族が所有する別荘に向かった。 途中、嵐に見舞われながらもたどり着いた別荘で二人きり、 今回の婚約のことや、喪った大切な人、つらかった日々…… 語り合ううちに感情は高ぶり、気づけば一線を越えてしまう。 まさか、その一夜で命を授かるとは思いもよらずに。 イマージュ人気作家が描く、亡き親友の夫とのロマンスです。この世を去った女性への忠誠が自分たちの幸せより大事だと思う二人ですが、運命はいたずらにも……。恋の行方から目が離せず、ページをめくる手が速まります。ストーリーテラーの腕が冴える秀作!

秘書とナニーの恋日記秘書とナニーの恋日記

偽りの秘書が恋をしたーー 皮肉なほど、純真な気持ちで。 リヴは旅行に行く双子の姉に頼みこまれ、数日間だけ立場を入れ替わり、 大企業の社長であるセブの秘書を務めることになった。 彼は海外出張中なので、ばれる心配はまずないという。 ところがある日の昼食後、オフィスに戻ったリヴは仰天した。 机にベビーシートが置かれ、赤ちゃんが眠っていたのだ! 〈あなたの責任よ!〉というセブ宛ての手紙と一緒に。 頼みの姉は帰りが遅れるというし、警察に届け出るわけにもいかず、 やむをえずセブに連絡すると、彼は急ぎ帰国し、こう主張した。 「僕の子供ではないが、とりあえず世話を頼めないか?」 まさか秘書が別人とは疑いもしないセブに罪悪感を覚えつつ、 魅力的な彼の懇願に負け、リヴはナニーを引き受けてしまうが……。 これまでさまざまな作家によって描かれてきた、双子の入れ替わりがテーマのラブストーリーですが、いま新たに秀逸な作品が誕生しました。ある日突然、かわいらしい赤ちゃんが書類のようにデスクに置かれていたら? ハラハラドキドキの展開から目が離せません。

愛と失恋のヒストリー愛と失恋のヒストリー

あれから時が過ぎた今もなお、 貴方への愛と失恋を繰り返している。 イタリア屈指の名家の御曹司ジオ・ヴァルティエリと、 そばにある農場の娘アニータは幼少期からの親友だ。 5年前に恋人同士となるも、その後突然ジオから一方的に振られ、 アニータはひどく傷ついた。それでも今なお、彼を愛し続けている。 あるとき、ヴァルティエリ一族の休暇旅行の直前にジオが大怪我をし、 アニータが身の回りの世話をすることになった。 二人きりの時を過ごすうち、ふたたび熱い情熱の火花が散ったが、 自分は不誠実で結婚には向かないと言うジオに、彼女は肩を落とした。 やがてそれぞれの日常へ戻ったあと、予期せぬ妊娠が発覚する。 義務感から求婚するジオに向かって、愛なき結婚はできないと、 心で泣きながらアニータは告げるのだった……。 アニータに拒まれてもなお、生まれくる我が子の面倒をみると主張するジオ。やがて、気まずく、切なく、熱い同居生活が始まりますが……。『フィレンツェで生まれた恋』の関連作。

塔の上の秘恋塔の上の秘恋

塔の上に咲いた秘恋の花は、 せつない散り模様で……。 赤ん坊のとき母に捨てられ、冷血な医師の父に育てられたヴィクトリア。 独りぼっちの少女は父の働く病院の上にある塔で孤独を癒やした。 やがて彼女はそこで働くようになり、敏腕ドクターのドミニクと出会う。 顔を合わせれば口論する二人だったが、塔の上で鉢合わせしたある日、 ふとしたきっかけで激情に駆られて熱いひとときを過ごした。 彼に惹かれる想いを抑えて一夜限りの関係と距離を置くことにしたが、 思いがけずヴィクトリアは妊娠し、状況は一変した。 事もあろうに、人間不信のドミニクは自分の子かどうかさえ疑う始末。 それを知ったヴィクトリアは決心したーー おなかの子は私一人で育てるわ……もう私には近づかないで! ロマンス作家として円熟の境に入った感のあるC・マリネッリ。本作は、親の愛を知らない孤独なヒロインと過去の衝撃体験から人間不信に陥っているヒーローの一筋縄ではいかないドキドキの恋物語で、ウィットに富んだ会話も楽しめます!

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