著者 : 椎名誠
さよなら、海の女たちさよなら、海の女たち
白い砂と蒼すぎる海の中で今、危機に瀕する珊瑚礁を憂える沖縄の女。嵐に荒れる夏の終りの北の海辺にふいに現われた酒場の女。南国のホテルで白い貝を手に踊る異国の女。そしてもう二度と見ることのできない青春の日の海でつむじ風のような恋をした少女…。潮の香りとともになつかしく浮かび上がる女たちの肖像。海と風と女の忘れ得ぬ物語。
武装島田倉庫武装島田倉庫
時はおそらく未来。破壊された街と道路、荒廃した山河。海は油泥に覆われ、異態進化し巨大化あるいは獰猛化した動植物が到る所にうごめいていても、不思議にノスタルジックな情景につつまれた国境地帯の〈戦後〉-。北の政府の侵攻や組織略奪団の襲撃にもおびえながら、異様な混沌世界を生きる男たちの愛と闘いの日々。本年度日本SF大賞を受賞して、ますます意欲的にシーナ的小説世界を広げる作者の超常小説。
長く素晴らしく憂鬱な一日長く素晴らしく憂鬱な一日
今夜も「ですですだはだは」と、酒場への階段をおりる、新宿派文筆業者は、日常茶飯的大事件をするどくブンガクするのだ。-ブルータス連載『明日は明日の風よ吹け』に、著者撮り下ろしの写真も入った比類なき東京小説。