著者 : 榎田ユウリ
恋を覚えたばかりの美青年・魚住真澄は、クリスマス間近、病院でさちのという少女に出会う。重い病を抱え、耐えるように生きる彼女に、魚住は「おれのお母さんになって」と告げる。困惑しつつも、次第に魚住と打ち解けていくさちの。遊園地に行きたい彼女のため、魚住は久留米も誘って、煌めくような冬の一日を過ごすが…。魚住が初めて知る、胸が苦しくなるような幸福の時間。そして…。
梶真琴が、喫茶店で耳にした不可解な会話。それは、保険外交員風の男が老婦人に契約書のサインを求めている光景だった。男は、死んだことに気づかぬ人間を説得する「死神」だと宣う。漫画家志望で引きこもりの梶は、なかば強引に死神業を手伝わされることに。最期を迎えた人々を問答無用であの世へ送る、空前絶後、死神お仕事小説!
野郎と寝るくらいなら尼になる。そう決めているサラリーマンの久留米だが、なぜか近頃同性の友人・魚住が気になって仕方ない。距離を置くため同居を解消することに。一方、魚住のもとに、日下部という男が現れ、「あんたが兄貴を殺したんやろ?」と衝撃的な言葉を投げかける…。日下部の兄と、魚住に、かつてなにがあったのか?感情の欠落した魚住が、少しずつ知る生きる意味、幸福ーそして恋とその痛みの物語、第二巻。
文化祭での公演を大盛況のうちに終えた、カブキ同好会の面々。裏方を務める部長の来栖黒悟(クロ)は、歌舞伎に馴染みのない人々にも楽しんでもらえたと手応えを感じる。それには歌舞伎の英才教育を受けながらも、その道を断たれた同級生・阿久津の力も大きかった。しかし人間国宝の歌舞伎役者・三代目白銀屋が、阿久津の才能に気付き、彼に会いたいと言い出して…。白銀屋の美形御曹司・蛯原仁の苦悩も描かれる、待望の第三弾!!
普通のサラリーマン、久留米充の頭痛の種は、同居中の友人・魚住真澄だ。誰もが羨む美貌で、男女問わず虜にしてしまう男だが、生活力は皆無。久留米にとっては、ただの迷惑な居候である。けれど、狭くて暑いアパートの一室で顔を合わせているうち、どうも調子が狂いだし…。不幸な生い立ちを背負い、けれど飄々と生きている。そんな魚住真澄に起きる小さな奇跡。生と死、喪失と再生、そして恋を描いた青春群像劇、第一巻。
来栖黒悟(クロ)、高校一年生。好きなもの=歌舞伎。その想いが募り、カブキ同好会を結成したクロだけど、お披露目の舞台を前に、熱中症で倒れてしまう。同学年で歌舞伎経験者の阿久津が飛び入りで代役をこなし、舞台はなんとか無事終了。しかも、阿久津には才能があると、クロは見抜く。さて次なるは大舞台の文化祭。人気実力兼ね備える演劇部と、場所の取り合いで対決することになり!?カブキブVS演劇部、いざ出陣の第二弾!!
高校一年の来栖黒悟(クロ)は、祖父の影響で歌舞伎が大好き。歌舞伎を部活でやってみたい、でもそんな部はない。だったら創ろう!と、入学早々「カブキブ」設立を担任に訴える。けれど反応は鈍く、同好会ならと言わせるのが精一杯。それでも人数は5人必要。クロは親友のメガネ男子・トンボと仲間集めを開始。無謀にも演劇部のスター、浅葱先輩にアタックするが…!?こんな青春したかった!ポップで斬新なカブキ部物語、開幕!