著者 : 横田順弥
古書街で見かけた美女と老人の謎の行動…、その秘密を解く鍵は古本のどこに隠されているのか?本の取り憑かれた者の執念を描いた表題作。狙った古書の獲得のためなら悪魔に魂まで売る男たち。恋愛よりもコレクションを選んだ男の恐るべき末路。鬼気迫るもの、爽やかな結末のもの、古書マニアの驚くべき姿を描いた最高に面白い連作小説集。
日露戦争前後のアメリカ、娼婦となりながらも前向きに生きた日本人女性の旅路。明治30年代のアメリカ。静子は雑貨店経営者の妻として、サンフランシスコで暮らしていた。しかし詐欺師の富井の陰謀で中国人が経営する娼館に売られてしまう。自殺まで考えた静子だったが、やがて本来の明るさをとり戻し、風船のように自由に生きていこうと、“風船お玉”と名のる。富井を追って全米を旅するお玉は、マフィアと戦い、日本人を助けるうち、“義侠娼婦”と呼ばれるようになった。
「ショート・ショート」32本一挙大公開!!横田順弥氏の奇才、いや鬼才横溢ぶりをとくとご覧じろ。よくまあ、こんなストーリーが作れるものだ、とあきれながらも、思わずひきずり込まれること請合い。なにしろ「荘戸翔人氏の短い人生」と題して、アッという間に9篇のショート・ショートを作ってしまう達人なのです。さあ、覚悟をきめてお読み下さい。
地球上の数十億の人間のなかからただ1人選ばれて、スーパーマンになった男。ところがこれが、高所恐怖症やら対人赤面恐怖症などなど、欠陥だらけの実験用だった!が、人類の幸福と正義のために、猪突猛進あるのみー。ハチャハチャの元祖による、珍無類、涙と笑いがいっぱいのスーパー騒動譚。
永田町・首相官邸。20W電球の下で火鉢を囲み、密談を交わす老人二人。何を隠そう、エネルギー危機に策もなく、米国にもアラブにも見放された首相と官房長官なのだ。藁にも縋りたい二人は、ついに久留田博士のおならエネルギー開発に縋ってしまった。久留田理論とは?へ理屈ではない!これぞ、ヨコジュンの妄想が紡ぐ魔訶不思議の異郷だ…表題作他、究極のSF世界を展く空前絶後の7篇を収録。
「留守番電話」って知ってる?バカにしないでよ、という顔をしたあなた、あなたは本当に「留守番電話」を知っているのか?自信がぐらついた人はこの本を読んでみよう。ほかにもあなたの知らなかったことがどんどん出てくることは、この私が保証する。15の不思議な味が楽しめる、ときめきの世界へ、さあ、どうぞ。
明治44年8月、巨大な円筒が東京湾に落下した。円筒から姿を現わした4台の怪異な機械。それはなんと、13年前にもロンドンを襲った火星人類の戦闘機械だった。高熱光線を発し、帝都を焼き払う戦闘機械。帝都危うし!この危機に決然と立上がる押川春浪、吉岡信敬らバンカラたちの集団・天狗倶楽部の面々。帝都の運命や如何に!明治末の東京を舞台に繰広げる書下ろしSF長編。
俺は私立探偵だ。名前を早乙女ボンド之介という。なにをかくそう旗本退屈男、早乙女主水之介の子孫なのだ。さらにイギリス情報局ジェームズ・ボンドの血も流れているのだ。ドジな真暮警部が助けを求めてきた難事件珍事件を(それも11件もだ!)名推理で、見事にジツに見事に解決した事件簿を公開しよう。
典型的な短篇型のもの書きであるぼくの作品の中でも、ことに短いものばかりを集めてあります。長いものでも400字詰原稿用紙20枚強、短い作品では4、5枚などという超ミニ・ストーリーのオンパレードです。あらためて読みなおし、われながら、よくもまあ、この短さで小説が書けたものだと半ばびっくりし、半ば感心しているしだいです(あとがき)。シリアス、ハチャハチャとり混ぜて37篇、乱れ射ち!