小説むすび | 著者 : 橋本勝雄

著者 : 橋本勝雄

おやつにキャベツおやつにキャベツ

錆びた甲冑に囚われの身となった勇猛果敢な無敵の隊長、犬の毛刈りの失敗から集合住宅に巻き起こる大騒動、全員の使用言語が異なる祖父母と両親のもとに生まれた男の子に起こった奇跡、種なしサクランボを求める王をいなして幸せな結末をもたらす賢者、サルタンの不眠を治した軍総司令官の機知、ガチョウによる強奪事件を調べる地方判事が辿りついた驚くべき結論……。 『ぼくのがっかりした話』が好評の、イタリアの演劇人、挿絵画家、作家として著名な鬼才による、奇想と意外性、不思議な諧謔に富んだ短篇小説10篇を原著の挿絵とともに収録。本邦初訳。 ■目次 「無敵の隊長ウグッチョーネ・デッラ・スタニョーラ、自分自身の捕虜になる」 「両親と四人の祖父母が喧嘩したためにアニチェートがどうなったか」 「足が一本多い王さま」 「サクランボのような不幸の連続」 「いつも横を向いていた王さま」 「ケッコ、かわいそうなケッコ」 「種なしサクランボを欲しがった王さまと、王さまをからかった有名な賢者にまつわる、ためになる本当の話」 「モンテサポネッタでどうして人はこんな歩き方をするのか」 「軍の総司令官が、サルタンであるマムルーク・パシャの不眠をどのように治したか」 「思慮深い判断」 訳者あとがき  「無敵の隊長ウグッチョーネ・デッラ・スタニョーラ、自分自身の捕虜になる」 「両親と四人の祖父母が喧嘩したためにアニチェートがどうなったか」 「足が一本多い王さま」 「サクランボのような不幸の連続」 「いつも横を向いていた王さま」 「ケッコ、かわいそうなケッコ」 「種なしサクランボを欲しがった王さまと、王さまをからかった有名な賢者にまつわる、ためになる本当の話」 「モンテサポネッタでどうして人はこんな歩き方をするのか」 「軍の総司令官が、サルタンであるマムルーク・パシャの不眠をどのように治したか」 「思慮深い判断」 訳者あとがき

どこか、安心できる場所でどこか、安心できる場所で

エーコ、タブッキ、カルヴィーノだけじゃない、 もっと新しいイタリアの文学がここにある。 本邦初、21世紀イタリア短篇アンソロジーがついに登場! 13人の作家(うち11人が日本初紹介)による15の物語。 序文=小野正嗣 現代イタリア文学と聞いて思い浮かべるのは、エーコ、タブッキ、カルヴィーノ、ブッツァーティ、モラヴィア……しかし彼らがおもに活躍していたのは前世紀のこと。では、イタリアの文学は衰退したのかといえば、とんでもない、なぜこれまで紹介されてこなかったのか不思議に思える作家たちが山ほどいるのだ。本書はいまを生きる新しいイタリアの作家によるヴァラエティ豊かな作品を厳選した、本邦初の21世紀イタリア短篇アンソロジーである。普通の人々の生活に降りかかる移民・格差・人種問題、新しいセクシャリティのかたち、めくるめく幻想の世界、そして甘くほろ苦い少年少女時代の記憶ーー現在のイタリア文学シーンを代表する13人が繊細に大胆に鮮烈に描く多様性にみちた15の短篇を収録。巻末に各作家・作品を詳述する解説を附す。  〈『どこか、安心できる場所で 新しいイタリアの文学』は、文学というレンズあるいはマイクを通して、21世紀のイタリアの諸側面を伝えてくれる。ここに読める作品はほぼ同時代に書かれたという点を除けば、それぞれ主題も文体もまったく異なっている。本書だけからでも、イタリア文学の「いま」がどれほど多様で豊かなものであるかがたしかに感じ取れる。これを機会に、ここに紹介された作家や他の作家たちの作品が翻訳されることを切望する。僕たちには海外の文学を読むことが必要なのだ。イタリアの「いま」を描く、あるいはイタリアで「いま」書かれているこれらの作品を読むことで、それをいわば鏡にして、日本の僕たちは自分自身の姿を見つめ直し、自分が生きる「いま」がどのようなところなのかを確認することができるからだ〉(序文より) 小野正嗣 序文 小野正嗣 雨の季節  パオロ・コニェッティ  関口英子訳 働く男 ジョルジョ・フォンターナ 飯田亮介訳 エリザベス ダリオ・ヴォルトリーニ   越前貴美子訳 ママの親戚/虹彩と真珠母 ミケーレ・マーリ  橋本勝雄訳 わたしは誰?  イジャーバ・シェーゴ   飯田亮介訳 恋するトリエステ  ヘレナ・ヤネチェク   橋本勝雄訳 捨て子  ヴァレリア・パッレッラ 中嶋浩郎訳 違いの行列/王は死んだ  アスカニオ・チェレスティーニ  中嶋浩郎訳 隠された光 リザ・ギンズブルグ 橋本勝雄訳  あなたとわたし、一緒の三時間 キアラ・ヴァレリオ 粒良麻央訳 愛と鏡の物語  アントニオ・モレスコ 関口英子訳 回復 ヴィオラ・ディ・グラード  越前貴美子訳 どこか、安心できる場所で フランチェスカ・マンフレーディ  粒良麻央訳  作家・作品紹介  編者あとがき

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