著者 : 橋爪駿輝
食虫植物【わたしのすべてがあの子ならいいのに】食虫植物【わたしのすべてがあの子ならいいのに】
クラスに溶け込めず、誰とも話すことのなかったわたし。転校生のなー子に「きもい」と言われたことで、わたしは自分の存在を見つけてもらえたような気持ちになりー(『わたしのすべてがあの子ならいいのに』)。地味な日々の繰り返しと、一度も「好き」をくれない彼。秋は彼にとっての「あの子」になりたいと願いー(『体温はどんな言葉よりもほんとうだ』)。「誰かに/あの子になりたい」「世界から/あの子から愛されたい」という感情を軸に、あらゆる形の恋を描いた全6編を収録。
愛しみに溺レル愛しみに溺レル
刹那の光を求めてネオン街で出会ったわたしたちの、真っ暗闇の青春。売春、オーバードーズ、リストカット。学校や家より、わたしはここにいたい。よるべなき若者たちの孤独と、痛みと、共生を活写した鮮烈な「トー横文学」の誕生!
この痛みに名前をつけてよこの痛みに名前をつけてよ
「わたし」は40歳間近の引きこもり。昔ながらの考えを持ち、引きこもる自分を認めてくれない父との接触を避けつつ、優しく寄り添う母親に頼りきる生活を続けていた。ところがある日、何の前触れもなく、母親が「わたし」の前から消えてしまう。そして現れたのは父から依頼を受けたという「鴨」と名乗る若い女性だった。「痛み」のない人生なんてない。だけど、そんなもの、ないほうがいいに決まってる。
スクロールスクロール
あの頃感じた全てがここには詰まっているー僕の部屋の隣に住む元彼の「音だけでも聞きたいの」、という女子高生が、ある日突然やってきた。-「童貞王子」。まぐれで就職できたテレビ局。希望の部署ではなく燻っていた時に、入り浸っていたバーで出会った菜穂と付き合うことになるが、ある事件取材をきつかけに俺たちの関係は変わっていってしまう。-「スクロール」。表題作を含む、青春まっただなか、全力疾走な全5篇収録!
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