著者 : 橋爪駿輝
Youtube再生4500万回超! TikTokで大ヒットの楽曲「食虫植物」から紡がれる6人の女性たちの物語。 デビュー作『スクロール』の映画化など今注目の作家 橋爪駿輝が バーチャルシンガー理芽の楽曲「食虫植物」から 「あらゆる形の愛の物語」を紡ぐ。 ーstory- クラスに溶け込めず、誰とも話すことのなかったわたし。転校生のなー子に「きもい」と言われたことで、わたしは自分の存在を見つけてもらえたような気持ちになりーー(『わたしのすべてがあの子ならいいのに』)。 地味な日々の繰り返しと、一度も「好き」をくれない彼。秋は彼にとっての「あの子」になりたいと願いーー(『体温はどんな言葉よりほんとうだ』)
よるべなき若者たちの孤独と、痛みと、共生を活写した鮮烈な「トー横文学」の誕生! 「これが新宿の片隅のリアル。どこまでも希望のない物語だ。だからこそ、深く胸を穿つ」--カツセマサヒコ(『明け方の若者たち』) 家庭にも学校にも居場所がない女子高生ジウは、救いを求め単身東北から東京を目指す。 たどり着いた新宿歌舞伎町の東宝ビル周辺、通称・トー横で出会ったのは、自分と同じ境遇の仲間たち。 売春、オーバードーズ、リストカットーー。 彼らの生き方に憧れ、引き込まれて行くうちに、ジウは生きる意味を見出していくが、幸福な時間は長く続くはずもなく……。 ずっと隣にだれかがいてほしかった。 それ以上のこと、わたしは望んでない。 混沌として、人間の掃き溜めみたいな街。 でもそれがわたしたちの居場所なんだ。(本文より)
ドラマ、映画、小説。ジャンルを超える気鋭のクリエイター最新作 家から出たい。でも出られない。 引きこもりになってしまったわたしは、たったひとりで世界から取り残されていた。 ひとりの女性と出会うまでは。 「わたし」は40歳間近の引きこもり。 昔ながらの考えを持ち、引きこもる自分を認めてくれない父との接触を避けつつ、 優しく寄り添う母親に頼りきる生活を続けていた。 ところがある日、何の前触れもなく、母親が「わたし」の前から消えてしまう。 そして現れたのは父から依頼を受けたという「鴨」と名乗る若い女性だった。 痛みの先へ。カウントダウンが始まる。 「痛み」のない人生なんてない。 だけど、そんなもの、ないほうがいいに決まってる。
あの頃感じた全てがここには詰まっているー僕の部屋の隣に住む元彼の「音だけでも聞きたいの」、という女子高生が、ある日突然やってきた。-「童貞王子」。まぐれで就職できたテレビ局。希望の部署ではなく燻っていた時に、入り浸っていたバーで出会った菜穂と付き合うことになるが、ある事件取材をきつかけに俺たちの関係は変わっていってしまう。-「スクロール」。表題作を含む、青春まっただなか、全力疾走な全5篇収録!