著者 : 橘外男
皇帝溥儀皇帝溥儀
壮絶な引揚体験と焼跡の東京が幻視させた、夢想の大殿堂。東京裁判の証言台に立ったラスト・エンペラーには影武者がいた?元宮廷女官が発表した謎の手記をめぐり大胆な綺想を展開する未完長篇(表題作)はじめ、傀儡国家の盛衰に翻弄された人々の運命を描く作品集、満洲残影篇。
予は如何にして文士となりしか予は如何にして文士となりしか
奔放無頼のストーリーテリングと、類人猿への異常な執心。軍人の父に放逐された文学好きの不良少年は、芸妓と出逢い一大改心。貿易商のかたわら小説デビューし、あれよという間に直木賞。しかしその回想はいつも微妙に食い違う…虚々実々に彩られた怪作家の人生を辿る自伝物語篇。
燃える地平線燃える地平線
病妻とドッペルゲンガー。死を招く千里眼。ホテルで耳にした脱植民地闘争。日本軍による婦女暴行と屍体消失…直木賞受賞作「ナリン殿下への回想」の続編(表題作)他、「MR・タチバナ」が語る数奇な物語の数々。
陰獣トリステサ陰獣トリステサ
澁澤龍彦が「人獣交合の描写のエロティシズムとグロテスクぶりにかけては、この橘外男の『陰獣トリステサ』以上のものは、まだ世界のどこの文学にも現われていないようだ」と絶賛した表題作ほか、綺想の傑作『青白き裸女群像』『妖花イレーネ』を一挙収録。
橘外男集橘外男集
身の毛もよだつ怪奇譚や、実録風怪異現象をエキゾティシズムと猟奇趣味の混合した耽美的な文体で描いた、橘外男。特異な経歴をもち、様々な職に就きながら小説の筆を取った異色作家の、「聖コルソ島復讐奇譚」「怪人シプリアノ」など「実話」と銘打ったグロテスクな海外怪異譚と、「蒲団」「逗子物語」などの日本的怪談10篇を収録。
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