著者 : 水戸部功デザイン事務所
大規模な詐欺事件を調査していたキャスターが、不可解な事故で死んだ。〈木曜殺人クラブ〉は、事故の裏に何かあると直感し、捜査を始める。一方、メンバーのひとりであるエリザベスは、友人のジョイスを殺されたくなければ元KGB大佐を殺すようにと脅迫され……。
1892年インド、ボンベイ。騎兵連隊を除隊し病院で療養生活を送っていたジム・アグニホトリは、二人の女性がボンベイにある時計塔から転落死した事件の記事を見つける。二人の死に違和感を覚えたジムは、被害者の夫であるアディが書いた投書を読み違和感を確信に変える。アディから事件の調査を依頼されたジムは、敬愛するシャーロック・ホームズに倣い、変装を駆使し、事件の手掛かりを再構成することで真相を究明しようとするが…。植民地時代の活気溢れる、インドの描写が豊かなエドガー賞最優秀新人賞候補作。
ガーナにある探偵事務所を、アメリカ人の青年デレクが訪ねてきた。三カ月前、インターネット詐欺にあった彼の父親は、真相究明のためにこの地で自ら調査を行っていたが、消息を絶ってしまったという。元巡査の探偵エマ・ジャンはただちに捜査を開始するが、当初たんなる失踪と思われた事件は、やがて呪術師に操られる詐欺集団サカワ・ボーイズ、警察幹部の汚職、大統領候補暗殺事件などのさまざまな暗部へとつながっていき…灼熱の地ガーナを舞台に新米女性探偵の活躍を描く2021年度シェイマス賞新人賞受賞作!
11月初旬の早朝、英国にある海辺の小さな町、イルマーシュ郊外の農場で、16頭の馬の惨殺死体が発見された。湿地のぬかるみに円を描くように埋められていた馬の首は、まるで何かの儀式のように犯罪現場を彩っていた。地元警察の刑事アレック・ニコルズは、獣医学の専門家であるクーパー・アレンの協力を得て捜査に乗りだす。しかし、捜査は混迷を極め、このさびれた町で起こった奇怪な事件は、やがて町じゅうをパニックに陥れる事態へと発展し…。不気味な事件に翻弄される人々の混乱を描いた、戦慄のミステリ。
ニュージャージー州アトランティックシティ。叔母のデズとともに暮らす少女クララは、他人の強い思いをビジョンとして視ることができる能力を持っていた。その力を使った占いで生計を立てていた彼女は、ある日行方不明になった少女を捜し出してほしいという依頼を受ける。その日を境に、女性たちが傷つけられる不吉なビジョンを頻繁に視るようになったクララは、カジノホテルのスパ施設で働くリリーの協力を得て彼女たちを救おうとする。だが犯人の魔の手はクララたちにもおよび…エドガー賞最優秀新人賞受賞作。
南カリフォルニア、サウスウェスト。かつてこの街で起きた十三人の女性が喉を掻き切られて殺されるという凄惨な連続殺人事件は、犯人が逮捕されないまま捜査が打ち切られた。それから十五年後、全く同じ手口で女性が殺される事件が起こる。犯人は同一人物なのか?そうであるならば、今までどこで、なぜ息を潜めていたのか?かつての事件に人生を狂わされた六人の女たちが、再び起こった連続殺人に巻き込まれていくー女性たちの目線から社会の暗部を描き出す、エドガー賞最終候補の傑作サスペンスミステリ!
25歳の法学部生ユジンはその朝血の匂いで目覚めた。すぐに外泊中の義兄から電話があり「夜中に母のジウォンから着信があったようだが、家の様子は大丈夫か?」と尋ねられる。自分が全身血だらけなのに気づいたユジンは床の赤い足跡をたどり、階段の下に広がる血の池に母の死体を発見する…時々発作で記憶障害が起きる彼には前夜の記憶がない。母が自分の名前を呼ぶ声だけはかすかに覚えているが…母を殺したのは自分なのか?己の記憶をたどり真実を探る緊迫の三日間。韓国ベストセラー作家のサイコミステリ。