著者 : 水野泰治
地下室に人工的に造られた“孤島”の扉が再び開かれるのは72時間後。参加者はミステリー講座を主催する推理作家を含め、若い教え子七人。密室状態になった初日の夜、推理作家は死体となって発見された。異常な心理状態に追い込まれる参加者たち。しかし、それは次々と起こる事件の幕開きにすぎなかった。
数百億円の遺産と会社の実権を残したまま女主人は密室で殺された。容疑者は相続人全員。遺産と実権を狙い愛憎、陰謀が渦巻くなか、武蔵野の風情を残す豪邸“土筆庵”で次々とおこる密室殺人。美貌の女刑事・鮎川阿加子も犯人の誘いに乗せられて…。四つの密室が複雑に絡み合いながら事件は意外な結末へ向かう。
ジャーナリスト・風間隆平の変死に疑惑を抱いた星野昇子と柚木哲也は隆平が生前追っていたテーマを手がかりに親友の怪死の謎を解くため調査に当たる。「喜多川歌麿は殺人犯だった」というのが隆平のテーマだと知った二人は、歌麿の暗号を解くことで隆平の死の真相に近づいたが…。見立て殺人の衝撃的結末。
アルバイト先で星夫が売ったアイスクリームを客がひと舐めした途端、胸をかきむしり悶死する。その時通りあわせた美女のスカートがめくれ星夫の目はそちらに釘付け。しどろもどろの説明しか出来ず星夫は毒殺犯に間違われる。潔白を証明すべく美女を追って入りこんだ所は母神教本山だった。そこでも後継者争いから怪事件に巻き込まれ四苦八苦…。
地下室の扉が再び開かれるのは72時間後。人工的に“孤島”を作り、その中でミステリー講座を開催する。参加者は立案者の推理作家と若い教え子たち7人。ところが初日の夜、推理作家は死体となって発見され、続いて第2の殺人が。さらに人間消失。新トリック・メーカーが読者にあえて挑戦する不可能犯罪の極致。
平成51年の東京IC(インテリジェント・シティ)に一大事件が勃発した。人間に長寿と健康をもたらす王乳の開発に貢献した和久努太郎が、行方不明になった。東京ICの警備担当の沖、松原両巡査は、今では国際特殊観光地区として江戸時代の遊廓を復元した吉原に、足を踏み入れた時、殺人事件に遭遇してしまった。和久総裁の足取りも吉原の中にあると思われ、その捜索で再び吉原に入った両巡査の目前で、第二の殺人が起きた。そして怪人21面相からの犯行声明も舞い込んだ。和久総裁誘拐と連続殺人事件の解明に関わった若い巡査の活躍は…?
なぜ(Why)いつ(When)…そして誰が(Who)の3つのWが、事件が起こるたびに逆転して、捜査陣を大混乱に陥し入れる。たとえば奥多摩の鐘乳洞で突然出現した死体、そして渓谷を静かに渡っていく死体。どの場面にも「彼女」は近くにいて、確固たるアリバイもある。真犯人は果して誰か、驚愕のWhoが浮かぶ。
箱根のホテルでアルバイトをすることになった大江星夫の仕事は、前庭でアイスクリームを売ることだった。やっと売れたアイスクリームを客がひと舐めした瞬間、星夫の面前ですさまじい苦悶の形相で死んだ。ちょうどその時、ホテルから出てきた美女が、蜂が入ったと悲鳴をあげてスカートを高くまくり上げた行為は、星夫には事件と無関係とは思えなかった。警察から釈放された星夫は、井澄晶子という美女を追及せずにはいられない気持ちで、ホテルの近所にある広大な母神教本山の安楽境に乗り込んだ。晶子の美貌に圧倒されて、怒りを忘れた星夫は、安楽境に滞在することにしたが、そこではどろどろした派閥争いから地獄のような怪事件が続発する。最後の1ページまで逆転の連続する書き下ろし長編本格ミステリー。
3000坪の武蔵野の豪邸“土筆庵”を舞台に次々起こる密室殺人!数百億円の遺産と会社の実権を残し、女主人は殺された。相続人たち全員が容疑者。陰謀渦巻くなか、美貌の女刑事・鮎川阿加子は、勇躍、捜査に乗り出すが、犯人の誘いに乗せられて…。4つの密室が複雑に絡みあう長篇本格推理!そして意外な結末!