著者 : 池上永一
夏化粧夏化粧
産婆のオバァのまじないによって姿を見えなくされてしまった愛する息子。末婚の母、津奈美は命をかけて井戸に飛び込み、“陰”の世界へと向かう。他の人間にかけられた「七つの願い」を奪うことで、息子の姿を取り戻すのだ…。美しい島の自然を背景に、若き母親の一途で壮絶な愛を描いた、ファンタジーの傑作。
風車祭風車祭
長生きに異常な執念を燃やす島のオバァ、フジは、九十七歳の生年祝い「風車祭」を無事に迎えようと、家族や島人を混乱の渦に巻き込む。一方、神事を怠り危機に瀕した島の運命は?島の祭や呪術を背景に、オバァや巫女、六本足の妖怪豚が大活躍する、生命力とユーモア溢れる壮大な物語。98年度直木賞候補作。