著者 : 沢村凛
人は、生きるために働いている。だから、仕事で死んではいけないんだー。労働基準監督官である三村は、“普通に働いて、普通に暮らせる”社会をめざして、日々奮闘している。時には友人刑事とコンビを組み、工場内で起きた密室殺人の謎に挑むことも、職務にまっすぐな情熱を捧げる姿がまぶしい、エンターテインメントお仕事小説!
私の人生には猫が足りないの。彼女が猫のために動くと、必ず「死」や「犯罪」につきあたる。だから、放っておけないのだ。ラストに漂う、この祈るような静かな気持ちー。巻き込まれ型ミステリーに新たな味わいの傑作誕生!
服従か抵抗か。暴力か非暴力か。選ぶ未来の形はーゲリラの頭目と1人の女性の物語。南の小国・イシャナイでは、近代化と植民地化に抗う人々が闘いを繰り広げていた。学術調査に訪れた瞳子は、ゲリラの頭目・ヤンと出会い、悲しき国の未来をいくつも味わっていく。「瞳子。世界はぼくたちを憎んでいるのだろうか」。力弱き抵抗者、ヤンたちが掴んだものは?日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
一隻の船が無人の惑星に漂着したことからドラマは始まった。属す星も、国家も、人種も異なる人々をまとめあげたリーダーに、救援後、母星が断じた「罪」とは!?争いは人間の本能なのか?厳格な法なくして人は拳をおさめられないのか?信念を貫き通す男と、彼を愛するがゆえ、それを阻もうとする仲間たち。二つの“正義”がせめぎあう。『黄金の王 白銀の王』で話題の著者の原点にして、圧巻の人間ドラマ。
「気がつくと、夢中で読みふけっていた。続きが気になって、中断したくない。 一刻も早くラストを知りたいが、物語が終わってしまうのも、惜しい。結局、読了後もしばらく余韻が続いた。」(小谷真理氏「解説」より) 二人は仇同士であった。二人は義兄弟であった。そして、二人は囚われの王と統べる王でであったーー。 一国をめぐる男二人の相克! 翠の国は、ここ百数十年、鳳穐(ほうしゅう)と旺廈(おうか)という二つの部族が覇権を争い、現在は鳳穐の頭領、櫓(ひずち)が王として治めていた。 櫓は旺廈の頭領となるべき薫衣(くのえ)を森の中に幽閉してきたが、15歳になった時、薫衣を王の城、四隣蓋城に連行する。 城の地下、歴代の王の墓所で2人きりになった櫓は思わぬ提案を投げかける。「二つの氏族を一つにし、戦を終わらせよう」と。 「敵を殺したい」という欲求を植えつけられた二人の王にとって、それは想像以上に厳しい道だった……。 “仇を討てぬ臆病者”。その非難をあびながらも、迫り来る外敵に備え、二人は己を殺して国難に立ち向かう。 日本ファンタジーの最高峰作品。 【目次】 序章 第一章 雷鳥の帰還 第二章 翼なき飛翔 第三章 ススキ野に吹く風 終章 主な登場人物 解説 小谷真理 序章 第一章 雷鳥の帰還 第二章 翼なき飛翔 第三章 ススキ野に吹く風 終章 主な登場人物 解説 小谷真理
男は二度、女を撃った。女は一度、男の命を救い、一度、その命を奪おうとした。ふたりは同じ理想を追いながらも敵同士だったから…。悠久なる大河のほとり、野賊との内戦が続く国。理想に燃える若き軍人が伝説の野賊と出会った時、波乱に満ちた運命が幕を開ける。「平和をもたらす」。その正義を貫くためなら誓いを偽り、愛する人も傷つける男は、国を変えられるのか?日本が生んだ歴史大河ファンタジーの傑作。
帰宅途中の電車のなかで偶然気づいたひそやかな追跡劇。その尾行者が、ようやく幸せをつかんだかに見えたわたしにつきまとうようになる。地下鉄の駅の階段を歩いてのぼる者同士として意識するようになり結ばれた恋人。彼はこの尾行者と何かつながりがあるのか…。切なさが胸に迫る長編恋愛ミステリー。
家庭がありながら運命的な出逢いをしてしまった二人、人の世話ばかり焼いてしまう癖を恋人に咎められる青年、息子が事故に遭遇しても足がすくんで助けられない夢にうなされる母親、隣室の女性がストーカーに殺されたのに何もしなかったと非難される男。誠実な人々の窮地を描いて共感を呼ぶミステリー集。
険しい山に囲まれ、悠久なる大河が流れる王国。長年続く野賊との内戦を終らせ、祖国に平和をもたらすー正義を胸に、理想を貫き、どんな状況でも、「生」を信じ、国を愛し闘い続けた大佐・テミズ。この男が人生を賭け、夢見たものは…。人々を愛し、孤高の生を全うした男の壮大で波乱に富んだ人生を描く、新鋭による圧巻の長編小説。
一滴の血も流すことなく〈正義〉を貫くことは可能か?アンタミア標準暦4759年、一隻の星間連絡船が無人の惑星に漂着したことからドラマは始まった。銀河宇宙を舞台に絶対非暴力主義の行方を問う。第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作。