著者 : 河野多恵子
赤い脣/黒い髪赤い脣/黒い髪
紅茶の季節に、孫娘の赤いくちびるの色に魅せられる祖母の偏愛「赤い唇」。外国にいる恋人に、冷たい感覚の右半身をゆだねる女の幻想「片冷え」。誰かに言いたくてたまらないある言葉への欲望「大統領の死」他人には言えない若い妻の妖しい願望「朱験」。老親の生への偏執「来迎の日」…。現実生活につなぎとめられた異常な感覚を軸に、大人の女のエロチシズムを描く短編集7編。
秘事秘事
楽しみにしていてくれ、僕の臨終の時には素晴らしい言葉を聞かせるから-夫は妻に何を伝えようとしたのだろうか?綜合商社の役員・三村清太郎と妻・麻子はともに昭和11年生まれ。人も羨む仲の二人だったが、その結婚には、ある事故が介在していた…。夫婦という「かくも素晴らしき日々」。21世紀の小説を先駆ける傑作長編。
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