小説むすび | 著者 : 泉智子

著者 : 泉智子

大富豪と置き去りの花嫁大富豪と置き去りの花嫁

形だけの夫婦はもう終わり。 会えば後ろ髪を引かれるけれどーー マッテオと結婚して3年、デイジーはもう耐えられなかった。 彼が、食堂のウエイトレスだった地味なデイジーを拾って妻にし、 ギリシアの小さな町に置き去りにしてから、ずっと会っていない。 そう、マッテオと私は書類の上だけの夫婦。 彼が余命わずかな祖父の会社を受け継ぐための契約結婚だった。 約束は2年のはず。だが祖父は生きながらえ、結婚は宙に浮いた。 いま、ついに契約解消を訴えたデイジーを前にして、 マッテオはかすかな動揺を瞳に浮かべつつも、尊大に言った。 「ぼくは決めた。ぼくたちの夫婦関係を……本物にする」 なぜ今になって? 結婚を公にもせず、私を無視してきたのに。 人気作家のケイト・ヒューイットがその実力をいかんなく発揮したドラマティックな夫婦ロマンス! 妻の顔さえ覚えていなかった夫は、3年の時を経て大人になった妻を見るに、たちまち手放すのが惜しくなり……。傲慢なプレイボーイ大富豪の変貌ぶりが見物です。

ひとりぼっちの聖母ひとりぼっちの聖母

この愛をつらぬけば、傷つくのはわかってる。 だから、本当の気持ちは言わないーー 看護師のアナは癌を患った姉のため、代理母になることにした。 ところが体外受精で妊娠したのもつかの間、姉は帰らぬ人となる。 すると姉の夫は子どもはいらないと言いだし、愛人のもとへ走った。 姉の形見の子を喪うことに耐えられず、産む決心をしたアナは、 妊娠を隠したまま短期の仕事を見つけて、診療所で働き始める。 同僚のベン・コールは優秀な医師で、とても魅力的なうえに、 いつも何かと気にかけてくれて、孤独なアナの心は揺れ動いた。 そしてついにキスーーそれは心ときめく、情熱的な口づけだった。 でも、この恋はあきらめなければ……。 訳ありの子を産む私は、彼の重荷にしかならないのだから。 2017年に惜しまれつつ亡くなった人気作家のジェニファー・テイラー。読み手の心を揺さぶる感動のロマンスは、永遠に不滅です。周りの人々のため懸命に生きる本作のヒロインは、その優しさゆえに孤独で、手に入りそうになった愛すら逃してしまうのですが……。

花嫁になれなかった日花嫁になれなかった日

ずっと温かな家族がほしかった。 でも、彼は愛に背を向けていて……。 結婚式の前日、助産師のポリーは婚約者から一方的に別れを告げられた。 花嫁になるはずだった翌朝、車の接触事故を目撃した彼女は、 その一方が自分が担当する、過去に流産の経験がある妊婦だと気づく。 しかし、そこに居合わせた高名な小児外科医エリオットは、 ポリーの経験も知識も信用せず、彼女に冷淡な態度をとり続けた。 二人で協力して妊婦を病院に運んだあと、あらためて自分に起こった 大事件を思い出し、ポリーが青ざめた顔で歩き出したときだった。 呼びとめる声がして振り返ると、先ほど会ったばかりのエリオットがいる。 「きみは悩みごとがあるようだな。ぼくに話してみないか?」 その声に、彼女は不思議と慰められ、心の傷も少し癒えた気がした……。 今作はJ・テイラーの遺作『遠回りのラブレター』に登場する、ポリーがヒロインの物語です。困っている人を放っておけない彼女は人生最悪の日に、仕事と車椅子の息子がすべてというヒーローに出会います。彼の凍った心を、優しいポリーは溶かせるでしょうか?

遠回りのラブレター遠回りのラブレター

あなたは我が子のために帰ってきた。 わたしを愛していたからではなく……。 ベスとカラムは平凡ながらも幸せな夫婦……のはずだった。 けれど彼女にはなかなか赤ん坊ができず、不妊治療も失敗が続いた。 そんな妻に愛想を尽かしたように、カラムは離婚を切り出し、 仕事と言って遠い異国へ旅立ってしまう。 ところがその後、ベスは自分が妊娠していることに気づいた。 やっと苦労が報われた。これでカラムとわたしは親になれる……。 だが喜びは続かず、ベスが書いた手紙に彼からの返事はなかった。 捨てられた失意の中、彼女は待ち望んだ赤ん坊を出産して育て始める。 だから1年後、突然カラムが戻ってきても、ベスの気持ちは複雑だった。 心は親子で拒絶された悲しみと、今もつのる彼への愛に引き裂かれていた。 2017年、惜しくもこの世を去った名作家J・テイラー。今作は彼女が闘病中に執筆した一作です。元夫婦のあいだに生まれた、未来の象徴である小さな女の子に、作家がどんな思いを託していたか……。愛と命を紡ぐ温かな涙流れる物語を、どうぞお読みのがしなく!

命のかぎりの愛を命のかぎりの愛を

あの日、彼は私とお腹の子を捨て、 私は彼への恋心を、捨てた……。 エイミーはギリシアの島に、幼いわが子を連れてきた。 恋人だった外科医ニコに子どもは欲しくないと言われ、 別れて独りで産んで、看護師を続けながら育ててきただいじな息子だ。 流産したと思っているニコは、その存在さえ知らない。 これは、父親の顔も知らない子と学校でいじめられた息子に、 パパはギリシアの人だと話し、その地でルーツを感じてもらう旅だった。 まさか、そこでニコ本人と、偶然の再会を果たすとは思いもせずに。 幼い心はただでさえ傷ついているのに、もしもまた拒絶されたら……。 息子を守りたい一心で事実をひた隠しにするエイミーだったが、 皮肉にも、9年ぶりに会うニコとわが子は、あまりにも生き写しでーー 2017年、惜しくもこの世を去った名作家による、涙あふれる感動作をお贈りいたします。別れる前、ニコに知らせた流産は双子のうちの一人だけで、もう片方の胎児はお腹の中で無事に生きていたーーそんな奇跡が生んだ、シークレットベビー&運命の再会の物語!

プリンスの贈り物プリンスの贈り物

身に覚えのない妊娠ーー 相手は、思いがけない人だった! ニコルは打ちのめされた気分で病院をあとにした。 妊娠……。もう何年も男性のベッドに近づいてすらいないのに。 いつ? どうして? もしそんなことがあったとしたら、 疲労とシャンパンとで記憶のないクリスマス・パーティしかない。 つまり相手は、会社でいつも会っている誰かということになる。 動揺し、出社後も優れない顔色のニコルを見て声をかけたのは、 半年前から一緒に働いている、やり手のミッチだった。 ずば抜けてセクシーだが、なぜかニコルを苛立たせる彼が、 お腹の子の父親ということはありえない。 そこで、体調が悪いのは妊娠のせいだと漏らすと、彼は色を失い……。 “ハーレクイン・ディザイア傑作選”より、RITA賞をはじめ数々の受賞歴を誇る実力派作家J・グリーンのヒット作をお届けします。まるで覚えていない一夜の恋を経て、小さな命を身ごもったニコル。そうと知ったミッチとの関係は、いったいどのような展開に!?

内気なマーメイド内気なマーメイド

嵐が運んできたのは、 結ばれぬ運命の哀しき恋ーー 貧しい家に生まれたクレアは幼少期にいじめられ、今は身寄りもない。 苦学のすえ弁護士になるも、同僚の陰謀で失業してから孤島暮らしだ。 ある日、嵐の海で溺れかけていた男性ラウールを助け、 彼女はしだいに友情以上の気持ちを抱くようになっていった。 そんな中、ラウールが衝撃の告白をする。「僕はさる国の皇太子なんだ」 驚き、動転するクレアに、彼は一緒に王国へ来ないかと提案した。 彼女は悲惨な身の上から、人前に出るのが怖く、内気だった。 妃なんて務まるはずがない。つかのまの慰み者になるのがおちだわ。 しかし、平民と皇太子の間に未来なんてないと知りつつも、 彼を愛してしまったクレアはつかのまの夢に溺れていくのだった……。 壮絶な人生を送ってきた天涯孤独のヒロインが恋に落ちた男性は、王位を受け継ぐために国王夫妻から帰国を求められているプリンスでした。一筋縄ではいかない身分違いの恋の結末やいかに? 人気作家マリオン・レノックスが贈るシンデレラ・ストーリーの決定版!

クリスマスのシンデレラクリスマスのシンデレラ

あなたがくれた美しいドレスや宝石。 でも時がくれば、私は貧しい娘に戻る……。 訳あって逃げるようにロンドンへやってきたアシュリーは、 安宿住まいを続けながら通いのメイドとして働いている。 しかし、冬のこの時季は宿泊代が高騰し、もう限界だ。 当てにしていた友達の家にも泊めてもらえなくなり、 彼女は高級住宅地にある派遣先の豪邸に住み込むほかなくなった。 家の主であるギリシア人大富豪のルーカス・クリストフェデスは、 クリスマスが終わるまでここには来ないというから、きっと大丈夫。 ところがある日、不意に帰宅したルーカスに見つかってしまう。 警察に突き出されると怯えるアシュリーに向かい、彼は言い放ったーー この借りを返すには、ぼくの恋人のふりをしろ! 富裕な顧客向けに派遣されるメイドたちのロマンスを描く、華麗な作家競作シリーズ〈メイド物語〉。着の身着のまま路上へ放り出されるかと思いきや、予想だにしない展開に巻き込まれたアシュリーの運命やいかに!? 次なる第3話はスカーレット・ウィルソン作。

砂漠の魔法に魅せられて砂漠の魔法に魅せられて

母国の女性を娶るのが彼の定めーー 愛を夢見た私は、愚かなシンデレラ。 介護施設にいる母を見舞う生活を6年続けている看護師のアデル。 有能な医師であり砂漠の国の皇太子でもあるザヒールに片思い中だが、 彼は次々と浮き名を流しているのに、彼女には目もくれない。 しかし、病に倒れたザヒールの母を看護しに砂漠の国を訪れたとき、 彼がやがて父王の選ぶ同国出身の花嫁を娶ることを知る。 それが故にザヒールがこれまであえて自分を避けていたと気づき、 アデルはほとばしる愛をどうすることもできず、彼に純潔を捧げた。 しかし、二人が深い仲になった事実を知って激怒した父王によって、 彼女はあえなくロンドンに帰されてしまうーー 愛してはいけないザヒールの子を、その身に宿しているとも知らず。 主人公たちの心の機微を、こまやかに切なく描く表現者キャロル・マリネッリによるシンデレラストーリーをお贈りします。結ばれる望みのない恋と砂漠の魔法にからめとられ、無垢なアデルの運命は激しく翻弄され……。ドラマティックな展開に一気読み間違いなし!

涙雨のむこうに涙雨のむこうに

たいせつな人はみな去っていった。 もう涙は涸れたはずなのに、再び……。 教師のリーサは事故に遭い、友人を失ったうえ、体に大きな傷を負った。 退院後は、人前に出るのが怖くて教職に復帰できず、 婚約者もそんな彼女を見捨てて去っていった。 悲しみに沈むリーサは、傷心を癒やすため遠くの地で新生活を送ろうと、 叔母の旧友一家のもとで住み込みのナニーをすることにした。 両親を亡くした幼い双子の世話は楽しかったが、 子供たちの伯父アダムだけは彼女に容赦なく厳しい目を向けた。 秩序ばかり求める彼の姿勢には、幼子への同情や思いやりは微塵もなく、 まだ足を引きずる彼女の能力に関しても疑念を口にしてはばからない。 思わず悔し涙が溢れ、リーサの瞳に映る彼の冷たく美しい顔が歪んだーー 名匠Y・ウィタルの稀少な未邦訳作品をお届けします。事故の後遺症に悩むヒロインは、年上の冷徹な雇い主に泣かされ、1カ月の試用期間のあいだに仕事を全うできなければ即解雇という厳しい条件を突きつけられます。けなげな彼女の頑張りにぜひご注目ください。

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