小説むすび | 著者 : 泉智子

著者 : 泉智子

小さな天使の父の記憶を小さな天使の父の記憶を

髪も、肌も、瞳もーー この子はあなたに瓜二つ。 1年半前、バイオレットはタクシーの衝突事故で1週間の記憶を失った。 ほどなく妊娠に気づくが、困ったことにおなかの子の父親を思い出せず、 今は生後6カ月になった息子を独りで育てている。 そんなある日、仕事で偶然出逢った魅力的な男性エイダンを見て、 記憶が怒濤のごとく甦り、バイオレットの頬を涙が伝ったーー そう、この人よ! エイダンと過ごしたあの夜は人生最高の夜だった。 バイオレットはこれまで彼に連絡をとれなかった理由を説明したが、 エイダンの反応は冷たかった。「記憶喪失だって? 都合のいい話だな」 しかし、エイダンが不意にそばにあった赤ん坊の写真に気づいたとき、 彼女は告げた。「そうよ、この子は間違いなく……あなたの息子よ」 抜群の発想力であっと驚くストーリーを次々に生み出す作家アンドレア・ローレンスが描く、記憶喪失&予期せぬ妊娠物語! 突然、自分に子供がいることを知らされたエイダンはショックを受け……。『大富豪と貧しき相続人』『仮面の富豪とエマの秘密』の関連作。

遠回りのラブレター遠回りのラブレター

あなたは我が子のために帰ってきた。 わたしを愛していたからではなく……。 ベスとカラムは平凡ながらも幸せな夫婦……のはずだった。 けれど彼女にはなかなか赤ん坊ができず、不妊治療も失敗が続いた。 そんな妻に愛想を尽かしたように、カラムは離婚を切り出し、 仕事と言って遠い異国へ旅立ってしまう。 ところがその後、ベスは自分が妊娠していることに気づいた。 やっと苦労が報われた。これでカラムとわたしは親になれる……。 だが喜びは続かず、ベスが書いた手紙に彼からの返事はなかった。 捨てられた失意の中、彼女は待ち望んだ赤ん坊を出産して育て始める。 だから1年後、突然カラムが戻ってきても、ベスの気持ちは複雑だった。 心は親子で拒絶された悲しみと、今もつのる彼への愛に引き裂かれていた。 2017年、惜しくもこの世を去った名作家J・テイラー。今作は彼女が闘病中に執筆した一作です。元夫婦のあいだに生まれた、未来の象徴である小さな女の子に、作家がどんな思いを託していたか……。愛と命を紡ぐ温かな涙流れる物語を、どうぞお読みのがしなく!

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