小説むすび | 著者 : 泉智子

著者 : 泉智子

伯爵からの招待状伯爵からの招待状

人嫌い伯爵と無一文の乙女が出会ったとき、 奇跡への扉が開くーー。 まさか……そんな! ヘレンは色を失った。幼くして孤児となり、 親類をたらい回しにされてきた彼女を育ててくれた叔母が、 なんと全財産を失い、一文無しになってしまった! 折も折、一族の長である伯爵セバスチャンから招待状が届いた。 恒例のクリスマス会。年に一度、この日だけは人嫌いの伯爵が姿を現し、 地所の小作人たちをねぎらい、施しをするのだ。 ヘレンは叔母を連れ、伯爵邸へ向かうが、心労から叔母が倒れてしまった。 誰も助けてくれないので、困ったヘレンは厨房へ食事をもらいに行き、 従僕に怒った。だが従僕だと思った彼こそ伯爵セバスチャンだった。 強欲な親類と亡妻の浮気で大の人嫌いになったという伯爵の無表情だった ハンサムな顔に、突如輝きが宿り、鳶色の瞳でヘレンを愉快そうに見た。 秀逸なキャラクター描写で大人気のヒストリカルの名手、アニー・バロウズが綴る、心を閉ざした人嫌いのヒーローと、正直で快活なヒロインの織りなす、とっておきの恋物語。クリスマスの雰囲気をたっぷり楽しめる、心温まるリージェンシー・ロマンスです

お針子王女の結婚お針子王女の結婚

お針子のわたしが本当は王女?! だからって、愛なき結婚なんて……。 針仕事が得意で顧客のためにドレスを作っているルイーザは、 亡き両親のように大恋愛をして結婚することを夢見ている。 ある日、彼女のもとに、セバスチャンと名乗る男性が現れた。 黒髪に黒い瞳、形のいい唇、地中海系の肌の色をして魅力的……。 見知らぬ男性にたちまち惹かれるなんて、わたし、どうかしているわ! ルイーザのときめく密かな恋心をよそに、彼が衝撃の事実を告げる。 「きみは地中海の王国シャルムーの王女なんだ」 国王の亡き一人息子が生前に民間人と極秘結婚をし、娘をもうけたーー その娘がルイーザだという! しかも、王位継承順位第1位の王女だと。 彼女が発見されるまでは、セバスチャンが第1位だったのだが……?! 自分が生まれる前に死んだ父のことはよく知らなかったルイーザ。ただ、父方の親族は、母を葬儀に参列させず酷く扱ったことだけは聞いて快く思っていませんでした。そんな国のプリンセスになんてなりたくない! でも、セバスチャンに愛なき結婚を提案され……。

小さな天使の父の記憶を小さな天使の父の記憶を

髪も、肌も、瞳もーー この子はあなたに瓜二つ。 1年半前、バイオレットはタクシーの衝突事故で1週間の記憶を失った。 ほどなく妊娠に気づくが、困ったことにおなかの子の父親を思い出せず、 今は生後6カ月になった息子を独りで育てている。 そんなある日、仕事で偶然出逢った魅力的な男性エイダンを見て、 記憶が怒濤のごとく甦り、バイオレットの頬を涙が伝ったーー そう、この人よ! エイダンと過ごしたあの夜は人生最高の夜だった。 バイオレットはこれまで彼に連絡をとれなかった理由を説明したが、 エイダンの反応は冷たかった。「記憶喪失だって? 都合のいい話だな」 しかし、エイダンが不意にそばにあった赤ん坊の写真に気づいたとき、 彼女は告げた。「そうよ、この子は間違いなく……あなたの息子よ」 抜群の発想力であっと驚くストーリーを次々に生み出す作家アンドレア・ローレンスが描く、記憶喪失&予期せぬ妊娠物語! 突然、自分に子供がいることを知らされたエイダンはショックを受け……。『大富豪と貧しき相続人』『仮面の富豪とエマの秘密』の関連作。

遠回りのラブレター遠回りのラブレター

あなたは我が子のために帰ってきた。 わたしを愛していたからではなく……。 ベスとカラムは平凡ながらも幸せな夫婦……のはずだった。 けれど彼女にはなかなか赤ん坊ができず、不妊治療も失敗が続いた。 そんな妻に愛想を尽かしたように、カラムは離婚を切り出し、 仕事と言って遠い異国へ旅立ってしまう。 ところがその後、ベスは自分が妊娠していることに気づいた。 やっと苦労が報われた。これでカラムとわたしは親になれる……。 だが喜びは続かず、ベスが書いた手紙に彼からの返事はなかった。 捨てられた失意の中、彼女は待ち望んだ赤ん坊を出産して育て始める。 だから1年後、突然カラムが戻ってきても、ベスの気持ちは複雑だった。 心は親子で拒絶された悲しみと、今もつのる彼への愛に引き裂かれていた。 2017年、惜しくもこの世を去った名作家J・テイラー。今作は彼女が闘病中に執筆した一作です。元夫婦のあいだに生まれた、未来の象徴である小さな女の子に、作家がどんな思いを託していたか……。愛と命を紡ぐ温かな涙流れる物語を、どうぞお読みのがしなく!

三人のホワイトクリスマス三人のホワイトクリスマス

天涯孤独のシンデレラ。 ついに見つけた幸せは、儚い幻なの? 生後すぐに捨てられて施設で育った看護師のエマにとって、 クリスマスは独りで自宅で過ごすのが常だった。 ある日、町へ買い物に出かけた彼女は、 容姿端麗な新任ドクターのダニエルに出くわした。 親を亡くした幼い姪を引き取って育てている彼は、 エマの身の上を知り、クリスマスを一緒に過ごそうと提案してきた。 看護師たちがこぞって憧れる彼と特別な時間を過ごせるなんて! 人生で初の幸せなクリスマス。そのまま自然と二人は結ばれた。 ところが翌朝出勤すると、入院患者の指輪がないと大騒ぎになっていて、 エマが犯人扱いされてしまうーーそして、ダニエルからも疑われ……。 親を知らぬ身寄りのないヒロインと、親を事故で亡くしたばかりの姪を引き取って育てているヒーロー。それぞれ心に傷を抱えた者たちが出逢い、クリスマスという一年で最も特別な時間を分かち合うーーロマンスの名手ジェニファー・テイラーが贈る、温かな感動作!

恋愛劇場恋愛劇場

今もなお純潔を守っている私に、 なぜ彼はこんなにつらく当たるの? ベットは町の劇団で出会った年上の男性カルと惹かれ合い、 身を捧げようとしたが制止されたーーバージンを理由に。 やがて彼への想いが無残にも打ち砕かれる日がやってきた。 彼が芝居の演出のため単身でニューヨークへ行くと言ったのだ。 捨てられたベットは、涙がかれるまで泣いたあと決心した。 “小劇団止まりの女優”という彼の侮言が間違いだと証明するわ! カルのあとを追うようにニューヨークに来て6年、 ベットは舞台女優として着実に成功をおさめていった。 そんな折、主役の座を射止めたい芝居のオーディション会場に、 突然カルが脚本家として現れ宣言する。「芝居は僕が演出する!」 ロマンス小説の世界でトップを走ってきた作家ダイアナ・パーマー。その作品は長い年月にわたって愛され、新訳版まで出るほどです。本作も1988年に初めて邦訳されたあと、新しい翻訳で刊行されました。うぶなヒロインと年上ヒーローの再会ロマンスの超傑作!

路地裏のシンデレラ路地裏のシンデレラ

朝が来て、シンデレラは路地裏に戻った。 王子と永遠の絆で結ばれたとも知らず。 6年前、サマンサは王子にして外科医のハリドと恋に落ちた。 突然、花嫁としてふさわしくないと、彼がサマンサを切り捨てるまでは。 彼女はずっと異性関係の派手な母と、服役中の兄に苦しめられてきた。 そんな育ちのわたしが、王子の配偶者としてふさわしいわけがない。 しかしそのハリドから、自分の祖国で一緒に働いてくれないか、 という依頼が飛びこんできて、サマンサの心は揺れた。 恐れていたとおり、再会するなり彼女の目はハリドに釘づけになった。 その堂々とした姿は相変わらずで、いかにも王族らしい。 サマンサの胸は締めつけられた。だから、わたしは分不相応だったのだ。 頭ではわかっている。でもなぜか、ときめく胸はわかってくれない……。 ヒーローに捨てられた過去を持つヒロインは、彼のそばで働くこととなり、かつての失恋の痛手がうずき出します。王子との結婚なんて望まない。でも一度でいいから、彼に求められたという思い出をください。その後、小さな命が彼女のおなかに宿ってーー。

シンデレラは孤独な夜にシンデレラは孤独な夜に

彼との日々は夢のように、 海の色に溶けていった。 「ぼくはアレクサンダー・ディミトリウ。 きみがバルコニーから見ているのには気づいていたよ」 キャサリンは慌てて否定しながら、頬が火照るのを感じていた。 彼は幼い娘が邪魔をしたお詫びにと、キャサリンを食事に誘った。 亡き母の故郷にほど近いギリシアの村で独り静養しているけれど、 わたしがここにいるのは既婚者とデートするためではないわ! しかし、彼が妻を亡くしていると知り、互いに医師であることから ともに感染症の対応にあたるうち、二人の距離は急速に近づいた。 つかのまの恋でいい。私は幸せになれない人間だから……。 そう自分に言い聞かせ、亡き妻を愛する彼にキャサリンは全てを捧げた。 人目を忍んで、めくるめく情熱に身をまかせる二人。やがてアレクサンダーの娘や祖母も含めた家族ぐるみの付き合いが始まり、愛のぬくもりを知るキャサリンでしたが、アレクサンダーの亡き妻の幻影に悩み続けます。そしてついに、せつない片恋は砕け散って……。

シンデレラと秘密の天使シンデレラと秘密の天使

あなたの重荷になりたくなかった。 あなたの夢は、わたしの夢だから。 神様、お願いです。どうか人違いでありますように。 看護師クレアの祈りもむなしく、近づいてきた新任の医師は 忘れられない元恋人ショーンーー愛する息子ベンの父親だった。 8年前、クレアは彼の夢を邪魔したくない一心で彼のもとを去った。 そして密かにベンを産み育ててきたーー父親は死んだことにして。 どんなに辛くても、この嘘を一生背負って生きる覚悟でいたのに……。 千々に乱れる心を抱えながら、再びショーンに惹かれていくクレア。 真実を告げられないまま、家族ぐるみのつきあいが始まったが、 ベンの誕生日を知るやいなや、ショーンは激しい怒りを燃え上がらせた。 「きみがぼくを振ったのは、ほかの男の子供を産むためだったとはな!」 クレアのことを誤解し、失望して辞表を出したショーン。また彼を失うのは耐えられないと気づいたものの、勇気を出せないクレア。そんなある日、ベンが喘息の発作を起こして二人の病院に搬送され……。魅惑のドクターと健気なナースの、切なくも美しい純愛物語。

愛を知った一週間愛を知った一週間

教師をしているジェーンは、内気で目立たない存在の26歳。 ある夏、旅先のコート・ダジュールで地図を見ていてぶつかった、 グリーンの瞳をした男性ザビエルの美しさにどぎまぎした。 だが奥手で経験のないジェーンは、彼からの食事の誘いを断ってしまう。 その後、たまたま訪れたホテルで再びザビエルと出会い、 なんと彼がホテル王で名うてのプレイボーイであることを知った。 やっぱり、相手に不自由しない彼が私に本気になるはずがないわ……。 それなのに、「ここにいる1週間、僕と過ごしてほしい」と囁かれ、 ザビエルの抗いがたい魅力に、思わず知らずうなずいていた。 4カ月後、イギリスに戻ったジェーンは一人、つわりに苦しんでいたーー 女性に苦労したことのないザビエルは、最初の誘いを断られ、なんとしてもジェーンを落とそうと躍起に。しかし、約束の1週間が終わると、彼の態度はあまりにそっけなくて……。〈遅咲きの恋の花〉と題して、奥手なヒロインの甘く切ない恋模様をお届けします!

彼女のエンディングノート彼女のエンディングノート

愛しい命を守りたいーー それが彼女の、最後の願い。 子供のころに家族を失い、施設で孤独に育ったゾーイは、 ある日元恋人の医師ベンと再会し、熱く切ない一夜を過ごした。 だが愛を失う恐怖にとらわれて逃げだしたーー2年前と同じように。 そして今、目の前にまたベンがいる。今日こそ彼に伝えなければ。 自分の生き方についての考え方が変わったことを。 この最後のチャンスを、絶対に逃したくはないことを……。 「妊娠しているのか、ゾーイ?」ベンの率直な問いを受け、 ゾーイは数奇な運命を伝えるための勇気をかきあつめた。 「ええ。あなたの子よ。それと、妊娠がわかってから癌が見つかったの。 私が死んだときには、この子のことをお願いしてもいいかしら」 ショックと悲しみにうちひしがれながらも、深い愛でゾーイの願いを受け入れたベン。身重の体で働きながら治療を受け、徐々にやつれていくゾーイを懸命に支えますが、彼女はかたくなに愛を拒みつづけて……。小さな天使が絆をつなぐ、ドラマチックな運命の愛。

灰かぶりの秘密灰かぶりの秘密

あの笑顔を忘れられるはずがない。 彼は、12歳の私が憧れた王子さま。 清掃員のカミには、今も深く心に残る忘れられない記憶がある。 12歳のとき、父の運転するタクシーから見た、黒髪の美しい若者の姿。 王子さまさながらに紋章付きの黒塗りの車に乗り込むところで、 彼に釘づけのカミに気づいて、ほほ笑みかけてくれたのだ。 その後、父は亡くなり、カミはいま働きながら大学に通っている。 でもまさか清掃作業で訪れた邸宅で、黒髪の彼に会うとは思わなかった。 邸宅の主は、プロヴァンスの大富豪、ラウル・フォンテスキュー。 予想に反して、ラウルもまた彼女のことを覚えていてくれたことで、 カミは彼に強く惹かれていくーーその胸に、大きな秘密を抱えたまま。 クリスマスを迎える頃には、私は余命わずかかもしれない……。 愛する人と過ごすクリスマス。憧れの王子さまから、一緒に過ごしたいと望まれても、深刻な病を抱えるヒロインは、成功するかわからない手術を控えていて……。R・ウインターズらしい愛と優しさのつまった、担当編集が自信をもっておすすめするシンデレラ・ストーリー!

十八年後の奇跡十八年後の奇跡

この腕に抱いた幼子の温もりは、 片時も忘れたことがなかった。 ローズは17歳で、生まれたばかりのダニエルを養子に出した。 初めて愛した相手には去られ、両親にも見捨てられて、 彼女は独り、ロンドンに出て、息子のダニエルを産んだのだった。 息子とのつらい涙の別れの後、ローズは看護師として自立した。 それから18年、彼女に奇跡のような再会の機会が訪れた。 ダニエルの養父であるオーウェンに呼び出されたのだ。 会ってみると、オーウェンは荒削りだがハンサムな男性だった。 養母を亡くして失意の息子が、生母に会いたがっているという。 すぐにも会わせてほしいと懇願するローズに、オーウェンはしかし、 息子に近づかせまいと、金を渡して引き下がらせようとして……。 2017年に惜しまれつつこの世を去ったロマンス小説家ジェニファー・テイラー。作家と生前に親交のあった泉智子氏が翻訳を手がけた本作は、やむなき事情で手放したわが子を想うヒロインと、その子を守ろうとするヒーローの出逢いと深い愛を描く感動ロマンスです。

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