著者 : 浦賀和宏
人気のない池で10歳の少年の溺死体が発見された。10年後、犯行を疑われた幼馴染み3人組の前に謎の男が現れ自白を迫った。男の登場によって彼らの日常は狂い始める。事件に隠された驚天動地の真実とは? プロローグ 八木法子からの手紙 『デルタの悲劇』 浦賀和宏 解説 桑原銀次郎 エピローグ 八木法子からの手紙
ミステリ作家の西野冴子は、ストーカー扱いされた挙げ句、殺人事件の犯人として逮捕されてしまうが、一切心当たりがない。始まりは、彼女が受け取った一通のファンレター。些細な出来事から悪意を育てた者が十五年の時を経て、冴子を逃げ場のない隘路に追い込んでいく。残酷なほど計算し尽くされた罠に落ちる人間を描くサスペンスミステリ。
森の中の『ハーフウェイ・ハウス』という閉ざされた学園には二十二人の大人びた美しい子供たちが暮らしていた。推理小説を愛読するアヤコのもとに、兄を名乗る健一という男が現れる。アヤコは健一と共に脱走を試みるが、意識を失い引き戻されてしまう。のちに何者かによって二人の教師が殺害され、学園内の空気は一変し…。二つの世界が織り成すノンストップミステリー。
美しい母と二人、何不自由なく暮らしていた武田。その母が殺害された。謎の数字と、自らが本当の親ではないことを言い遺してー。自分が見てきた世界は何だったのか?自分は何者なのか?記憶喪失の女、自分を付け狙う怪しい影、実の母を殺した友人…無関係に見えた複数の謎の向こうに、武田はついに巨大な陰謀があることを知る!
ミステリ作家の冴子は、友人・亜美から恋人タケルを紹介される。第一印象からタケルに不穏なものを感じていた冴子は、一通のファンレターを契機に、タケルに不審を抱き、彼の過去を探ることに。するとそこには数多くの死が……!そしてその死は着実に冴子と亜美にも近づいていた。逆転に次ぐ逆転。鮮やかに覆っていく真実。これぞミステリの真髄!
北海道・網走に住む小説家の加納豪は、かわいい妹の彩を溺愛していたが、彩が商社に就職して夕張でひとり暮らしを始め、やがて同期の奥津と結婚することになり悲嘆に暮れる。しかし婚約者・奥津の浮気が発覚し、彩はショックで飛び降り自殺してしまう。奥津への復讐を誓った兄は、奥津を網走に誘い出し殺害する。奥津の遺体を車に隠しアリバイを構築するために夕張に向かう途中、加納は交通事故を起こしてしまうーー。 ここから物語はふたつに分岐していく⇒ A:交通事故で人身事故を起こし、殺人が露呈した場合 B:交通事故を起こしたものの事なきを得て、殺人が露呈しない場合 ……果たして加納の運命やいかに。 ふたつのパラレルワールドがひとつに結びつくとき、衝撃の事実が明らかになる。
十七歳の洋子は佐久間という工員の青年と恋に落ちる。だが仲間二名が殺害される事件が起き、犯人と疑われた彼は姿を消す。洋子は佐久間を追って故郷である東北の寒村を訪ねると、かつて東京で彼が飼っていた三毛猫を見つける。村人らは佐久間はいないと口を閉ざし、洋子を監視しはじめた。恋人との再会を信じる洋子を待っていたのは、あまりにも残酷な衝撃の結末だった。
ライターの銀次郎が昏睡状態から目覚めると、謎の男が現れた。男は「この病院で目覚めた人は自殺する」と告げる。過去に四人の患者が自殺したことを知り、調査を始めた銀次郎は、関係者の証言を辿る中で、彼らの企みに飲み込まれて行く。オカルトか、医療ミスか、それとも。次々と明らかになる衝撃の事実に目が離せないノンストップミステリー。
引き裂かれたふたりの世界。転落事故に遭い姿を消した妹を探す健一。隔離された学園に囲われる少女、アヤコ。選ばれし、美しき子供が暮らす洋館での殺人事件。この結末は、予測不能ー!!著者渾身の「実験的」長編ミステリー誕生。
富士樹海近くで合宿中の高校生文芸部員達が次々と殺されていく。いったい何故? 殺戮者の正体は? この理不尽かつ不条理な事態から、密かに思いを寄せる少女・美優を守る! 部員の八木剛は決意するも、純愛ゆえの思いも空しく……!? 圧倒的リーダビリティのもと、物語は後半、予測不能の展開を見せる。失踪の調査対象“八木剛”を追う保険調査員琴美がたどり着いた驚愕の事実とは!?
首なし死体として発見された美人女子大生、菅野香織。彼女の死と殺害方法は、ミステリ小説の中で何故か予告されていた。首は見つからぬまま、再び発見される首なし死体。異常な連続殺人の背後には、密室の中で自ら首を切断して自殺した作家の存在があるという。被害者の同級生、安藤直樹が事件の真相を追う。『記憶の果て』『時の鳥篭』に続く安藤シリーズ第3弾。
安藤直樹は冷たく表情のない若者。三人目の女子大生・首なし死体が見つかっても動揺せず、「これは俺の事件だ」とのたまう。そして、第四の事件を予言する安藤。彼が笑みを浮かべた時、世界は暗転した。驚愕の「切断の理由」とは…。『記憶の果て』『時の鳥篭』から複雑に絡み合うメビウスの輪が、遂に解かれる!どんでん返しでは済まされぬ、愕然必至のミステリ。
「この子は近い将来、自殺する」。初対面の少女の運命をなぜか私は知っていた。少女に出会った瞬間意識を失った私は、心肺停止から奇跡的に蘇生するが、見るのも聞くのも全て昔のものだ。もしかしたら私は未来から来た人間なのか。私は少女を自殺から救うべきなのか。時空の螺旋が絡み合う安藤シリーズ第二弾。
その少女は、私ー浅倉幸恵が高校時代に一度だけセックスをした直樹にうり二つだった。少女はすでに妊娠中で、子供の名前を直樹とつけると決めたという。過去の出来事と未来の出来事の奇妙で不可解な一致。二人の直樹は同一人物なのか?『記憶の果て』と対をなす、「私」という謎の迷宮を彷徨うミステリ。
父が自殺した。突然の死を受け入れられない安藤直樹は、父の部屋にある真っ黒で不気味なパソコンを立ち上げる。ディスプレイに現れた「裕子」と名乗る女性と次第に心を通わせるようになる安藤。裕子の意識はプログラムなのか実体なのか。彼女の記憶が紐解かれ、謎が謎を呼ぶ。ミステリの枠組みを超越した傑作。
何者かに恋人を殺された香奈子。妹の異常行動を目撃した根本。次々と起こる凄惨な事件によって引き合わされた見知らぬ二人。ミステリ界注目の、若き天才・浦賀和宏が到達した衝撃の新領域!
売れっ子マンガ家、陣内龍二の婚約者・里美が交通事故で死んだ。ショックのあまり、陣内は、自作のヒロインを作中で殺してしまう。たちまちファンからの抗議が殺到。その中に里美の死を予知した手紙があった。日付は事故の数日前。陣内が手紙の差出し人を訪ねると、神崎美佐という48歳の落着いた女性だった。部屋には作中のキャラクターが飾られ、熱心なファンであることを示している。何故、神崎は里美の死を予知できたのか?そして、予知された死は防げないのか?23歳の俊英が挑む迷宮的ミステリー。
首無し死体となって発見された美人女子大生、菅野香織。彼女の死と殺害方法は、ミステリ小説の中で、何故か予告されていた。首は見つからぬままに、再び発見される女子大生の首無し死体。異常なる連続殺人の背後には、密室の中で首を切断して自殺した作家の存在があるという。事件と対峙するのは、笑わぬ男、安藤直樹。安藤が最後に微笑むとき、明らかになる「世界の謎」、そして驚愕の「切断の理由」。若き才能が、ミステリ・ルネッサンスの先を見つめ、自らの存在を賭けて挑む超絶のエンターテインメント。
私は、この子がそう遠くない未来に死んでしまうことを知っている-初対面の少女の自殺を、何故か「私」は知っていた。「私」の生まれてきた理由は、その少女を救うためだから…。少女に出会った途端、意識を失った「私」が、過去を語り出すとき、日常は、呆気なく崩壊していく…。著者の感性が全編に横溢する新エンターテインメント。