小説むすび | 著者 : 深山ちひろ

著者 : 深山ちひろ

公爵の花嫁になれない家庭教師公爵の花嫁になれない家庭教師

どれほど彼を愛していても、 私は公爵夫人にはなれない……。 住み込みの家庭教師アビーは、公爵ランズドーン卿に反感を持った。 娘を社交界に出したい彼女の雇い主が、遠縁の彼に後ろ盾を請うたのだが、 彼の顔には貴族特有の礼儀正しい無関心が浮かんでいるのだ。 社交界でも最上流の彼には、貧しい家の事情なんてどうでもいいのね! 一方のランズドーン卿は、時代遅れの地味な姿をした家庭教師の 歯に衣着せぬ物言いに面食らっていた。 貧しい遠縁の娘を社交界デビューさせるなど面倒きわまりない。 いや、しかし待てよ。いいことを思いついた。 彼は社交界デビューの手助けをすることをアビーの雇い主に告げた。 「ただし、一つ条件が……アビーにも社交界デビューをしてもらいたい」 社交嫌いのアビーはランズドーン卿の突飛な提案をしぶしぶのむことに。初めは彼の高慢さに反発していたアビーも、気づけば彼の瞳に表れた知性や情熱、そして左頬に浮かぶえくぼに胸をときめかせるようになっていて……。必読のシンデレラ・リージェンシー!

家政婦と不機嫌な子爵家政婦と不機嫌な子爵

家政婦と子爵の十年愛を阻むのは、 身分の差だけではなかった……。 家政婦クロエは、亡き雇い主の親族で子爵のルークと久々に再会した。 ふたりは10年前に身分の差を超えて惹かれ合っていたが、 無制限の手当つきでという愛人契約をクロエが拒んで以来、 徹底して顔を合わせずに過ごしてきたのだ。 今、雇い主の葬儀に駆けつけた彼を見た瞬間、彼女は心をかき乱された。 ルーク……いいえ、子爵閣下。そう呼ばなくては。 どれだけ想っていても、彼とは一線を引くべき理由があるから。 長い時を経て、愛しのルークから今度は正式に求婚されるが、 それでもクロエは断ったーーすべては、娘ではない“娘”を守るために。 亡き雇い主は10年前、赤ん坊を連れた自称“未亡人”のクロエの素性を深追いせず、身の上話に無理があるのを承知で雇いました。そして遺書で、クロエの“娘”の父親を探すよう、ルークに使命を与えていて……。切ない真実と恋のゆくえをどうぞお見逃しなく!

公爵と秘密の愛し子公爵と秘密の愛し子

あなたは生涯初めての、 たったひとりの恋人だった。 社交界の宝石と讃えられるエレンには、人に言えない秘密があった。 4年前、異国で出会った魅惑的な少佐と情熱の赴くままに結婚し、 ある誤解により蜜月の余熱も冷めやらぬうちに逃げだしていたのだ。 心に深い傷を抱え、素性を偽って生きるエレンと 今や公爵となったマックスーー互いに裏切られたと思いこんだまま、 ふたりは田舎町の舞踏会で思いがけない再会を果たす。 怒れるマックスが彼女の家に押しかけ、正式な離婚を言い渡したとき、 ふいに現れた愛くるしい男の子がまじまじと彼を見つめた。 自分と同じ緑の瞳を見たとたん、マックスはさらなる怒りにうち震えた。 「僕の跡継ぎは屋敷に引き取る。一緒に来るかどうかは君しだいだ」 母子で豪壮な館に移り住み、懸命に公爵夫人の務めに励むエレンでしたが、夫の態度は頑なでした。しかしそんなある日、最愛の息子ジェイミーの行方がわからなくなり……。壊れた恋の最後のかけらが真実の愛に昇華する、珠玉のシンデレラ・リージェンシーです!

異国の花園と籠の鳥異国の花園と籠の鳥

あなたがいるこの国が、 わたしの居場所……。 いとこのつき添いでスペインへ向かう途中、海賊に襲われたハリエット。 連れていかれた奴隷市場で彼女たちを競り落としたのは、 主君の命を受け、王子のために花嫁を探していた宮殿長官カシムだった。 花嫁の条件は、美貌をそなえた英国人女性。当然、いとこが選ばれた。 しかし婚礼の当日、ハリエットは嫌がるいとこを助けるため、 花嫁とすり替わり、主君の逆鱗にふれて牢に投げ込まれた。 絶体絶命の窮地に陥ったハリエットを救ったのは、カシムだった! 市場でわたしを買った憎むべき冷酷な彼が、いったいなぜ? 牢から出されて、カシムのハーレムで監視下に置かれることになり、 ハリエットは彼のたくましい体と青い瞳に酔わされるがごとく……。 大人気アン・ヘリスが創り出した、美しき世界観のエキゾチック・リージェンシー! 賊にさらわれたのが運の尽き、期せずして異国に売られてしまったハリエット。謎の美男カシムの導きでハーレムに行き着いた彼女に、どんな運命が待ち受けているのでしょうか?

薔薇の伯爵とワルツを薔薇の伯爵とワルツを

地味で冴えない付添人のフィーには誰にも言えない秘密があった。今シーズン、ロンドンじゅうの母娘を色めき立たせている戦場帰りの伯爵ネイサン・キャラウェイー彼はフィーの夫なのだ。5年前、動乱のスペインで彼と出会い、請われるまま結婚した翌朝に彼の恋人を名乗る美女が現れ、傷ついたフィーは逃げだしたのだった。だがある日、彼女が身を寄せる親友の屋敷を偶然ネイサンが訪れる。隠れ見た彼の麗しく精悍な姿に、フィーの胸は痛いほど高鳴った。あの人の腕に抱かれたいーせめて、もう一度だけ。親友の手で謎めいた美女に変身し、フィーは仮面舞踏会に赴いた。彼に正体を見破られ、領地に連れ去られるとは夢にも思わずに。妻が逃げた理由を知らないネイサンに激怒され、さらに深く傷つくフィー。一途な想いを告げられぬまま、二人は再び生き別れて…。引き裂かれた愛、運命の再会、忘れ得ぬ情熱ー密やかな恋の微熱が伝わるような、切なくも美しいリージェンシー・ロマンス。

銀の匙を落とした幼姫銀の匙を落とした幼姫

氏素性も知れない私は、 わずらわしいお荷物……。 生後すぐに母を亡くした幼い姫君は、貴族として生まれながら、 父方の血筋を忌む祖母の命により、人知れず遠くの森に捨てられた。 身元不詳の赤ん坊を拾った少年、名門家の次男マーカスは、 彼女をロウェナと名づけ、面倒見のよい家令夫妻に育てさせた。 月日は流れ、育ての親と死に別れた19歳のロウェナは、 マーカスの異母兄の屋敷でキッチンメイドとして雇われる。 だが、主人から下心たっぷりの誘惑を執拗に受けて困り果てていると、 ある男性が颯爽と現れ、彼女を救ったーーああ、マーカスさま! 長く英国を離れていた彼がようやく帰ってきた。まさに夢のようだわ。 大好きな彼の懐かしい姿に、涙をにじませるロウェナだったが……。 幼いときから密かに一途な想いを寄せてきたマーカスとの再会は、ロウェナにとっては無上の喜びでした。それなのに、ほどなくして彼女は、信じていたマーカスが自分を追い払うつもりだと語っているのを漏れ聞いてしまい、失意のどん底に突き落とされて……。

公爵と疎遠の妻公爵と疎遠の妻

口先だけの言葉に平気でいられるほど、 あなたへの愛は軽くない。 この5年というもの、オリヴィアの結婚生活は灰色だった。 公爵ガブリエルとの結婚1年目は甘く美しい思い出に彩られていたが、 長男を産んだその日に夫が別の女性の香りを漂わせて帰宅し、 彼女はショックのあまり、もう自分には指一本触れさせないと宣言した。 ところが今、そろそろ予備の跡継ぎをもうけるよう義母に急かされ、 オリヴィアは窮地に追い込まれたーーあの日、女性と会っていた理由を いまだに説明しない彼に、再びわたしのベッドへ来てと言うなんて……。 意に染まないけれどこれが公爵夫人の務めと、彼女は夫に協力を求めた。 すると予想だにせぬ返答が、オリヴィアの胸を突き刺した! 「うんざりする務めだが、さっさと片づけてしまうしかないな」 長く血の通わない結婚生活を続けてきたオリヴィアですが、本当は公爵の気配を感じるだけで息をきらすほど彼を求めていたのでした。けれども夫のぞんざいな言葉にひどく傷つけられ……。物語終盤、愛の名言が飛び出す傑作です! 『公爵と名もなき娘』の関連作。

日陰の娘と貴公子の秘密日陰の娘と貴公子の秘密

これからずっと、私は日の当たらぬ花。 妹のためにそう決めたはずなのに……。 社交界の華ともてはやされる妹と、それを陰ながら支える姉。 エイミー・サモナーが妹の引き立て役に甘んじているのには、 世に知られざる“サモナー家の秘密”が関係していた。 無口で品位漂うとされる妹はそのじつ、知的ハンデを負っているのだ。 母が亡くなり、幼い頃からずっと面倒をみてきたエイミーは、 みずからの結婚をあきらめ、生涯、陰ながら妹を助ける道を選んだ。 あるとき、名士である姉妹の父に近づこうとする野心家のベンが 妹に求婚する計画があると聞き、エイミーは警戒心を強める。 絵に描いたような美男子の彼は公爵の落胤と聞くが、謎の多い人物だ。 ありのままの妹を本気で愛してくれる人としか結婚はさせられないわ! だが、そう心に誓った彼女自身が、よもや彼の虜になろうとはーー つねに予想もつかない展開を編み出す人気作家C・メリルの作品をお届けします。助けを必要とする最愛の妹のため、みずからの婚期を犠牲にしているエイミー。妹の不埒な求婚者に対する複雑な思いに葛藤しますが、ベンのほうも彼女に惹かれたくない理由が……。

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