著者 : 深沢仁
英国特別幻想取締報告局本部があるロンドンへ。 カイとランスはそこで幽霊だらけの事件に遭遇する。 鞠子やエド、そしてランスの過去が繙かれる充実の第2巻。 書き下ろし作品を含む未収録短編6編を増補! イギリスで遭遇したのは妖精や精霊、そして頻繁に倒れる赤毛の青年だった。英国ウィッツバリーに留学した皆川海(ミナガワ・カイ)は、自宅に現れた妖精を追い出すために叔母が呼びつけた英国特別幻想取締報告局のランス・ファーロングと出会う。ともに幻想的生命体を見る能力を有するふたりの青年が“ファンタズニック(幻想事件)”と向き合ってゆく姿を描いた傑作ファンタジイ! 全6巻の文庫(ポプラ文庫ピュアフル刊)を2巻ずつ収め、書き下ろしや未収録の短編を増補。さらに新たな著者あとがき、文庫版に続いてカバーイラストを手掛ける人気イラストレーター、ハルカゼさんによる描き下ろしカラー口絵2点も収録した、全3巻の愛蔵版です。 ■2巻収録 「グリム・リーパー」 妖精や幽霊を見ることができる“第二の目”をもつカイとランスは英国特別幻想取締報告局の招きでロンドンに行くが、そこではゴーストを消滅させる『死神』の存在が噂されていた……。 「ウィール・オブ・フォーチュン」 鞠子とグレンの出会い、人間界に渡ることになったエドワード、子ども時代のランスなど、本編で語られなかった登場人物たちの過去を描く。 【2巻書き下ろし短編+未収録短編紹介】 皆川海が英国に留学する以前の、高校生だったときのエピソードを綴る 「夏祭りーー高校一年生」 海の3歳下の陸の同級生の女の子の、年上の海に対する淡い想い 。(未収録) 「家庭科室ーー高校二年生」 海ってどんな奴? クラスメイトから見た海は。(未収録) 「ピアノ教室ーー高校三年生」 ちょっとこじれ気味の海と陸。すれ違う兄弟の気持ち。(未収録) 「双子の長い夜1」 できのいい真面目な兄ルークと、不出来な弟ジャックのタガート兄弟。 葛藤をかかえたふたりが出会ったのは……(未収録) 「バルコニーにて」 工ルフのエドワードと吸血鬼のパトリシア、バルコニーでの邂逅。(未収録) 「双子の長い夜2」 ぼろぼろになって報告局で療養中のジャック・タガートの心は……(書き下ろし)
どうやら俺は、人間としては、 こいつのはじめての友人になったらしい。 皆川海。ランス・ファーロング。 不思議の国イギリスで、彼らの‟冒険”が幕を開ける。 著者の初期作品を代表する人気シリーズを初単行本化。 書き下ろしを含む短編5編を増補した愛蔵版! イギリスで遭遇したのは妖精や精霊、そして頻繁に倒れる赤毛の青年だった。英国ウィッツバリーに留学した皆川海(ミナガワ・カイ)は、自宅に現れた妖精を追い出すために叔母が呼びつけた英国特別幻想取締報告局のランス・ファーロングと出会う。ともに幻想的生命体を見る能力を有するふたりの青年が“ファンタズニック(幻想事件)”と向き合ってゆく姿を描いた傑作ファンタジイ! 全6巻の文庫(ポプラ文庫ピュアフル刊)を2巻ずつ収め、書き下ろしや未収録の短編を増補。さらに新たな著者あとがき、文庫版に続いてカバーイラストを手掛ける人気イラストレーター、ハルカゼさんによる描き下ろしカラー口絵2点も収録した、全3巻の愛蔵版です。 ■1巻収録 「ファンタズニック」 逃げるように日本から英国に渡ったカイが出会ったのは、妖精やゴーストがらみの不思議な出来事と、それを扱う英国特別幻想取締報告局の青年ランスだった。 「ミッドサマー・イヴ」 夏至前夜が近づくと妖精たちは各地でイタズラをし、人間を惑わせる。どうやら今年はカイとランスが住むウィッツバリーに妖精の国への道が現れるらしく……。 【1巻書き下ろし短編+未収録短編紹介】 「ひとつ屋根の下」(書き下ろし) ミニトマトとパンとビーフジャーキーだけを摂取し続けるランスの生活に、ついにカイが我慢の限界に。 「テディベア」(未収録) 「報告局の子どももテディベアといっしょに寝たりすんの?」というカイのなにげない問いがここまでややこしい話になるとは……。 「月夜の銀貨」(未収録) 妖精によって道に迷わされたときには、服を裏返しに着ればいい……はずだったが!? 「She is here.」(未収録) 死んだ妻と話していると言い張る5歳の娘が姿を消した。探し回る父の前に現れたのはカイと名乗る日本人の青年だった。 「‘What’s he like?’」(書き下ろし) 故郷を遠く離れ、ウィッツバリーでひとり暮らす皆川鞠子のもとに、何年も会っていなかった甥の海がやってきた。戸惑う鞠子だったが……。
互いが、互いにとって‶非日常″。 そんなふたりの距離は近づくか? 春の宿、夏の墓参、秋のドライブ、 そしてーー冬の宿。 それぞれの季節に一度ずつしか 会うことのなかったふたりの一年を描いた、 絵画のような恋愛小説。 自分を裏切った恋人ともうすぐ旅行に出かけるはずだった女、その恋人の代わりに旅に同行することを申し出た男。なぜか承諾してしまった女は、それまで見ず知らずだった男と春の宿で一夜を過ごすことになるーー。 春の宿、夏の墓参、秋のドライブ、そして冬の宿。火葬場での出会い以来、それぞれの季節に一度ずつしか会うことのなかったふたりの一年を四章仕立てで描いた、絵画のような恋愛小説。 『眠れない夜にみる夢は』の著者の新境地的傑作。
静寂のなか、ゆっくりと息をする。 あの人はなにをしているか、と考える。 ちょっと憂鬱で、でも甘い。 まったくありふれてはいないけれど、 わたしたちの近くで起きていそうな 煌めく五つの人間関係。 『この夏のこともどうせ忘れる』の作者が贈る、 夜の作品集。 三人は同じ日の夜に出会い、恋に落ちた。俺は彼女に。彼女はあの男に。そして、あの男が恋をした相手は俺だった。なぜ俺なのか、とあの男に訊いてみた。健やかな馬鹿がタイプなのだという。それって悪口じゃないのか? それはともかく俺たちの一方通行の三角関係は、しかしそれほど時間を置くこともなく、べつのものへと姿を変えていった(「明日世界は終わらない」)。さまざまな登場人物たちが織り成す、ひとことでは言い表せないような繊細な人間関係を描いた、この作者ならではの珠玉の五編を収録する。 ■目次 「なにも傷つけないように、おやすみ」 「明日世界は終わらない」 「不自由な大人たち」 「家族の事情」 「砂が落ちきる」 あとがき