著者 : 渋谷豊
映画『霧の波止場』の原作として名高い、ニヒルな傑作長編『夜霧の河岸』。久生十蘭が『金狼』の下敷きにした、パリの幻影の夜をめぐる暗黒小説『真夜中の伝統』。港町の娼家が舞台となる珠玉の推理短編『赤線地区』。3編すべてが初訳。 ピエール・マッコルランは、現代に復活させてしかるべき作家である。--澁澤龍彦 澁澤龍彦をはじめ、アルトー、クノー、ヴィアン、セリーヌ、マルロー、プレヴェール、生田耕作らが熱愛してやまなかった、20世紀フランスの奇妙な作家マッコルラン。幻想味に満ちてユーモアに溢れる傑作小説を集大成した、本邦初の3冊本選集がついに完結なる!! 「夜霧の河岸」 「真夜中の伝統」 「赤線地区」
青年貴族のフランソワは、社交界の花形ドルジェル伯爵夫妻に気に入られ、彼らと頻繁に過ごすようになる。気さくだが軽薄な伯爵と、そんな夫を敬愛する貞淑な妻マオ。フランソワはマオへの恋慕を抑えきれず…それぞれの体面の下で激しく揺れ動く心の動きを繊細に描きとった、至高の恋愛小説。
1866年、大西洋に謎の巨大生物が出現した。アメリカ海軍の要請により、アロナックス教授は、召使のコンセイユとともに怪物を追跡する船に乗り込んだ。順調な航海もつかの間、思わぬ事態が襲いかかる……。
未来の科学技術を駆使して作られた潜水艦ノーチラス号を操る、寡黙で謎めいたネモ艦長。彼の厳然たる命に従い、アロナックス教授たちは地球上のすべての海を巡る旅に連れ出される。インド洋から地中海、大西洋を南下して南極へ。氷づけになった潜水艦、巨大タコの襲撃、激しい暴風雨。次々に襲いくる危機をものともせず突き進むネモ艦長はいったい何者なのか。そして彼の目的は?時を超えて読み継がれる空想科学小説の原点。
「孤独がぼくを押し潰す。ともだちが欲しい。本当のともだちが!」職ナシ、家族ナシ、恋人ナシ。都会で孤立し無為に過ごす青年の、とびきり切なくとびきり笑えるともだち探し。ダメ男小説の金字塔。