著者 : 渡辺佐智江
多額の借金をギャングに返すため、ギャンブラーのジョンは大金を抱え、愛車マスタングでネヴァダ砂漠を疾走していた。だが、突然車が故障した。修理のため彼は、ちっぽけな町に立ち寄るが、強盗事件に巻き込まれて大事な金を失ってしまう。金を返す時間が迫る中、彼は美貌の女とその夫の危険な関係の渦中に引きずりこまれていくが。鮮烈なタッチで描くパルプ・ノワール。オリヴァー・ストーン監督映画『Uターン』の原作。
「この世には神も、仏も、ロン・ハバードもいないのか!?」とジョンは天を仰いだ。愛車’64年型マスタングがネヴァダ砂漠でオーバーヒートしてしまったのだ。明日の午前0時までに、ラスベガスのギャングのところまで借金1万3千ドルを返しに行かなければならないというのに。身から出たサビ、八百長カードゲームでこしらえた借りだが、返さないことにはこの身が危ない。マスタングをなだめすかし、ようやくちっぽけな町、シエラにたどりついたが…熱さにさらされた町の住人は、どこかが変だ。鄙には稀な美貌の人妻グレースはいきなりジョンを誘惑し、冷たい飲み物を飲みに入った店では強盗に大事な1万3千ドルを奪われ、そのためにマスタングの修理代も払えず町を出ることすらできない。ギャングとの約束の時間は刻々と近づいてくる。そして、ジョンの運命は際限なく悪い方へ転がり落ちていった。オリヴァー・ストーン監督、ショーン・ペン主演により映画化された、新しいノワール小説。
厳格な母親と頼りない父親、管理と偽善が横行する学校を吹き飛ばせ。わたしは赤が好き。わたしは赤い夢を見る。夢や記憶をたどりながら、自分を発見するために『嵐が丘』へと旅立つ…。『血みどろ臓物ハイスクール』のポスト・パンク作家が世界に股を開いた、迸る出血ヒーリング小説。
ペニスが生えた人妻。洗練された〈悪趣味〉に満ちた諧謔と皮肉が炸裂する感傷的恋愛小説&茶番劇。仰天、狂騒、欲情のセックス・コメディ・イン・ザ・U.K.。ヴァギナが出来たラガーマン。
時は現代、英国人女性ドン・キホーテ(66歳)は堕胎により発狂、喋る犬セント・シメオンをお供に果敢に世界へと出撃する。自伝、幻覚、歴史、ルポ、テクストの引用が網の目のように入り組み、お得意の〈剽窃〉がいかんなく発揮されている。マゾヒスティックな愛のなかに性の神話の復権を語った長編小説。