著者 : 熊谷千寿
“局(ザ・デパートメント)”と呼ばれるイギリスの秘密情報機関の謀報員ジョーナは、テロ組織に殺されそうになるが、彼が殺したはずの男ノアに救われた。ノアはテロ組織の情報を彼に送っていたが、アフガン情勢の急変により切り捨てられ、復讐のため“局”を罠にはめた。危険な秘密を握られた“局”は、ジョーナにノアの殺害を命じたのだった。一方、その10年ほど前、クウェートでは美貌の女性ミランダが悲劇に見舞われていた。
ノアはアメリカのためにスパイ活動を行なうようになった。ジョーナは、ある任務でミランダに接触し、恋に落ちる。やがて二人はスコットランドの離島で暮らし始めるが、突然ジョーナが姿を消し、ミランダは彼の足跡を追う。そんなとき、衝撃的なニュースが駆けめぐる。ノアがテロを起こすと予告し、さらに“局”の秘密を暴露したのだ。そして大がかりな陰謀が明らかに…。英国推理作家協会賞を受賞したスパイ小説の傑作。
北極圏に墜ちた機体のブラックボックスを回収せよーロシア人大富豪の乗ったプライベートジェットが、北極圏で消息を絶った。暗殺が疑われるが、確認の術がない。ブラックボックスからの信号は、あと3日で止まるという。信号が届く範囲はわずか半径10キロ。元SASのウェストらは、視界ゼロの猛吹雪の中、どうにかターゲット・エリアに到達するが、信号はまったく検知できない。そんなとき、ロシア製攻撃ヘリコプター、ブラック・シャークが飛来し、彼らを上空から襲撃するー。想像を絶する過酷な環境下で展開する渾身のミリタリー・アクション。
銃声がゆっくりと薄れていく。プロの暗殺者ヴィクターは、男の体が視界から消えるのを確認し、スコープから目を離した…ヴィクターはCIAからの暗殺の仕事を引き受けることになった。CIAには返さなければならない借りがあったのだ。ヴィクターは、続いて新たな暗殺を依頼され、鮮やかな手ぎわで成功させる。だが、彼には知る由もなかったー背後でCIAが巧妙かつ大がかりな陰謀を密かに進行させていたことを。一匹狼のプロの暗殺者を予期せぬ危機が襲う。シリーズ第2作。
父がスパイだった?それも辣腕?競馬狂いで借金まみれのチャーリーは、金目当てで認知症の父を引き取ってから次々と奇怪な出来事に見舞われる。尾行、誘拐未遂、自宅爆破に謎の殺し屋の出現。あげく殺人犯に仕立てられ逃げ回る羽目に…。父は普通の営業マンではなかった?疑念は募る。普段のアルツハイマーの気配も見せす、鮮やかに危機を切り抜ける父の姿を見るたびにー。
何が真実で、何が真実ではないのか?チャーリーは混乱するばかりだった。父はCIAに所属していて、なんらかの秘密作戦に従事していた。二人を追うのはCIAなのか?何を聞いても返事が意味不明な父の病。時折訪れる明晰な瞬間にはスーパーヒーローに化けるが、普段は過去も現在もわからない彼が重大な国家機密を握っていたとしたら、独創的な主人公像が絶賛を浴びた痛快スリラー。
史上最大の諜報機関にして、暗号学の最高峰・米国家安全保障局のスーパーコンピュータが狙われる。対テロ対策として開発されたが、全通信を傍受・解読できるこのコンピュータの存在は、国家機密だった……。
このコンピュータの公表を迫られたNSAは、解読不可能な暗号ソフトをなんとか解析しようとする。でなければ、アメリカという国家自体が完全に無防備になってしまうのだ……タイムリミットの暗号解読作戦の行方は!
ワイオミング州ララミーで女子大生が強姦され殺害された。すぐにヤク中の兄弟が容疑者として逮捕される。現場には兄弟の指紋など十分な証拠が残され、彼らが犯人であると誰もが確信していた。折りしも、バーンズ捜査官は女性クライマーの転落死を調査するためララミーに滞在。彼は無関係だと思われていた二つの事件に、驚愕の接点を発見する。新ヒーローが大活躍する痛快冒険小説。
土地の不正取引で、環境保全団体の活動家が惨殺された。容疑者として逮捕されたのは、ワイオミングの捜査官アントンの兄。真実を求めるアントンは活動家の恋人を追ってアリゾナの湖へと向かう。しかし、彼女を探しているのはアントンだけではなかった。断たれかけた家族の絆を守るべく、司法を敵にまわしたアントンの戦いが始まる。ハイテンポのリーガル・アクション・スリラー。