著者 : 爽々
「十年前の夏、おれは彼女を“殺して”しまったーー」。 大学生の透には、忘れられない苦い記憶があった。それから人と関わることをずっと避けてきたが、ある日幼馴染みの空から一通の招待状が届く。それは彼が開発する新ゲームのテストプレイに参加してほしいという依頼だった。久しぶりに同級生六人と再会して、束の間の懐かしさに浸る透。しかしこのゲームは、十年前の事件ーー朱音の死の真相を暴くべく仕組まれたものだった! 賞金に目がくらみ、一人また一人とゲームから脱落する中、明らかになっていく真実。全てを知った透は朱音を救えなかった過去と向き合い、今度こそ大切な仲間たちを守ろうと決意するがーー!?
灯台には二人だけの秘密があるーー。 過去に囚われたままの青年が未来(あす)のために辿る軌跡の物語。 今日の夜空に何が見えますか? 「ね、流れ星を見るのは難しい?」 今も昴の耳もとに聞こえるのは、高校生のあの日、旧灯台で一緒に星を見ていた月菜(ルナ)の声。 大人になっても昴はあの夏に囚われたまま。しかし、老朽化が進んだ旧灯台が壊されるという報せを受け、昴は帰郷することに。 月菜との思い出は自分にとって何なのか。そして、時が流れた旧灯台で昴が見つけたものとは……? ノスタルジック青春ストーリー。 ◆ 著者について 柾木 ひかる(まさき・ひかる) 本作がキャラクター文芸デビュー作となる。
世界が終わる前に探し出した、本当の自分 わたしはこの世界が嫌いだ。 そんな気持ちを誰にも知られないように、周りが期待する「わたし」らしさを装って、当たり障りのないよう生きてきた女子高生の佐伯真魚。ある日、差出人不明の手紙で校舎の屋上に呼び出された真魚は、手紙の送り主がクラスメイトの九条シキだと知って驚く。いつも暗い雰囲気を漂わせて教室の隅にいる九条。だが、目の前の九条は晴れやかな笑顔を見せている。そしてその背中には、白く大きな翼が。人畜無害だと思っていた地味な男子生徒が、実は天使を演じるイタい人種だった…? そっと引き返そうとする真魚に、九条は謎めく言葉を告げた。 「佐伯さん、聞いて。あと七日で世界が終わるんだ」 世界を滅ぼすかどうかの選択者に、真魚を選んだという自称・天使の九条。そして滅亡を避ける方法は、真魚自身をこの世界から消す、というものだった。九条の言葉を信じられない真魚だが、翌日、いつもの景色から何かが失われていることに気づいてしまうーー。 世界の未来をその手に握る真魚が、最後の一週間で見つけた“答え”とは? 若者の圧倒的支持を集める沖田円が描く、感動の青春小説!
幼なじみの高遠原櫂から急に呼び出された時計紡は、おメダイを渡される。「今朝、おまえに渡さなきゃいけないんだ」それが唯一の違和感、いつも通りみたいな朝。櫂の妹、暖と戯れ笑いながら登校したのに、暖は死んだーー。屋上から落ちたのだ。受け入れ難い思いで願った紡は……!? 運命の朝は繰り返される。死ぬ未来を死なない未来に変えたいなら。奇跡の恋物語!