著者 : 牧秀彦
辻斬りまがいの所業を繰り返している同心がいる!?南町奉行所に投げ文が届いた。笠井半蔵は、旧知の内与力から依頼を受け、真相を探ることに。果たして、同心の目的とは?愛妻の制止を振り切り、事件に深入りする半蔵の前に強敵・三村兄弟が立ちはだかるー。一方、矢部定謙のもとには南町奉行の座を虎視眈々と狙う悪しき影が忍び寄っていた。時代剣戟の好評シリーズ第五弾。
評定所を震撼させる一大事が出来。蔵前の札差衆の訴状は、旗本と御家人に数年先の扶持米まで担保にした借金を重ねられ、堪りかねて手を引きたいとのことだった。この事態を収めたのが、江戸の商業界に君臨する大坂屋茂十郎。大きな野望を抱く茂十郎は、貧窮にあえぐ青年旗本に目を付けた。茂十郎の誘いに乗った青年旗本の許されざる行動はやがて目付筋の監視を招き…。
勘定奉行から密命を受け、武州へ旅立った笠井半蔵。甲州街道を荒らし回る悪党どもを人知れず成敗するための旅である。道中、甲府方面で暴れていた無頼一味が笹子峠に逃げ込んできたのを知った半蔵はこれを迎え撃つ。しかし思わぬ反撃を受け窮地に立たされることに。一方、江戸に残してきた愛妻・佐和にも邪悪な影が忍び寄っていたー!時代剣戟の好評シリーズ第四弾。
夫婦仲が良好になり、苦手だった算盤の腕も上達。自信がなかった勘定所勤めにも、張り合いが出る笠井半蔵だったが、仕事が上達した真の理由は、剣の技倆を見込まれ影御用を命じられていることにあった。南町奉行・矢部定謙の意を汲み、事件解決のため惜しみなく力を貸す日々。そんな半蔵に、南町奉行の失脚を狙う魔の手が迫っていた!時代剣戟の好評シリーズ第三弾。
任地の上州で代官の権限を私し、年貢米を差し置いて領民たちに増産させた絹織物の売り上げを献上させ、私腹を肥やしたー。折しも新任の留役組頭の“策謀”に揺れる評定所に送られてきた代官は、新任組頭と苦闘中の古参組頭の“恩人”だった。“罠”だ。謹厳実直で名を馳せた“恩人”を救え…。元留役の結城峰太郎と次男坊の小次郎、目付・遠山景晋の息子金四郎は上州へ。
勘定所勤めながら不得手の算術に四苦八苦し、家付き嫁の佐和の尻に敷かれる辛い日々を送る笠井半蔵。登城中の勘定奉行を刺客の襲撃から救ったことで、幕閣の影の警固を命じられた。勘定所への出仕は猶予され、影の御用に励むよう勘定奉行より命が下されるが、半蔵は家業をおろそかにすることに悩むのだった。そんなとき、警護先の矢部定謙が何者かに拉致されたのだ!好評シリーズ第二弾。
旗本八万騎一の美人を娶り、婿入りして勘定方の役務に邁進する笠井半蔵。実は算盤が大の苦手。代々のお役目に誇りを持つ妻・佐和の尻に敷かれはや十年、一向に算術の腕は上がらず辛い日々を送っている。ところが登城中の勘定奉行が刺客に襲われた窮地を、腕に覚えある天然理心流の剣で救った。これをきっかけに半蔵にある人物の陰の警固の命が下るのだった。時代剣戟シリーズ第一弾!
白河十一万石の当主松平定信の跡継ぎである定永が、刺客たちの襲撃を受けた。弟が襲われた裏側に、幕府を滅ぼそうとする陰謀を感じた松平蒼二郎は、新たに仲間に加わった定信お抱えの忍びの者、百舌丸とともに、京の都へ向かう。今回の敵は…禁裏、公家である。闇仕置の仲間、辰次や丈之介も後を追って京へ。そこでは最強の刺客との対決が待っていた。剣豪小説の傑作シリーズ、完結。
大恩人である亡き田嶋源太夫の妻子を助けた松平蒼二郎は、京に旅立とうとしていた。実の父である松平定信との因縁を断ち切り、己を見つめ直すための旅である。しかしそこへ、白河十一万石の跡継ぎである、弟の定永が姿を現した。定永は半月前に賊に襲われ、何とか追い払いはしたが、宿直が二名斬られたという。その黒幕は禁裏すなわち朝廷であると、定永は語る…。大好評の剣豪小説。
曇天の下、奥州街道を白河へと下る旅姿の侍の名は、松平蒼二郎。陰流の遣い手である蒼二郎は、かつては実父である白河十一万石の当主松平定信に命じられ、悪人を密かに誅殺する闇仕置を行っていた。今はある壮絶な覚悟をもって、その地を目指している。蒼二郎が守らんとする母子は、本来、蒼二郎を仇と思うべき存在であった…。大好評の剣豪小説シリーズ、第二期開幕!
やはり、潮時なのかもしれぬな…。奥州白河藩主松平定信の隠し子にして、その密命で暗殺を行う刺客として生きてきた蒼二郎。しかし今は、辰次、澄江、丈之介ら仲間たちと共にする、市井の民のための闇仕置にこそ、真に一命を賭して戦う価値があるーそう思い始めていた。父と決別した蒼二郎であったが、新たな戦いが待ち受けていた。そして母の峰姫を惨殺した仇敵の正体とは…!?
とある密命のもと、巨悪を葬る人斬りを業とする松平蒼二郎。辰次、澄江、丈之介ら、一癖も二癖もある仲間と共に、人知れず悪を斬る。その存在を知る者は極めて少ない。だがその正体が、火付盗賊改方、荒尾但馬守成章に気づかれてしまう。成章としては、好き勝手に見える彼らの闇仕置を断じて容認するわけにはいかぬ。追いつめられた蒼二郎たちは…。剣豪小説、圧巻の第四弾!
常の如く斬り尽くせ。一人たりとも討ち漏らすな。将軍家斉公お抱えの隠密集団、相良忍群の殲滅を命ずる五十がらみの男は、かなりの家柄の大名らしい。そしてその男を父上と呼ぶ浪人姿の三十男ー蒼二郎は、いったんはそれを諌めるも、亡き母の仇こそ彼らであると聞かされ、“隠密狩り”を決意する。後日、洲崎の浜には、相良忍群、二十四体の骸が横たわっていた。剣豪小説の傑作!
花月庵蒼生と名乗り生花の宗匠として深川に暮らすのは世を忍ぶ仮の姿。実は時の白河藩主松平定信の隠し子である松平蒼二郎は、徳川の天下に仇為す者どもを闇に葬る人斬りを生業とする。宿縁で結ばれた元渡世人辰次、武家の美女澄江、医師丈之介の三人と共に巨悪を滅ぼす闇仕置を請け負う日々。そんなある日、鞍馬流奥義を極めた能役者の兄弟が蒼二郎を襲った。剣豪小説の傑作第二弾!
尼崎藩江戸家老・塩谷隼人は、馴染みの船宿『海ねこ』で、お琴に給仕を受けていた。七年越しで互いに憎からず想いあう二人。願わくばお琴を娶り、共に余生を大事に過ごしたいと考える隼人であった。ある日、色好みで知られる将軍家斉公がお忍びで市中に出掛け、偶然会ったお琴を見初めてしまう。そして、お琴を大奥に迎え入れると高らかに宣言。思いも寄らぬ騒動が始まった。
尼崎藩江戸家老・塩谷隼人は、国許の農政改善への協力を求め、農学者の大蔵永常を訪ねる。永常は快諾の代わりに身辺警固を頼んできた。承知した隼人は相次いで不審な刺客と対決する。永常は幕府と薩摩の双方から狙われていたのだ。日の本の農業を向上させて民が飢え死にしない世を目指す彼が、怪しき人物であろうはずがない。隼人は薩摩藩前藩主・島津重豪の手の者と対峙することとなる。
内証苦しい尼崎藩の江戸家老・塩谷隼人。藩邸を取り仕切る一方、国許の農政に腐心する日々。その頃、加島屋正誠ら大坂の両替商たちは公儀から米切手買い持ちのための御用金調達を命じられていた。隼人は旧知の正誠に藩への融資を頼むべく大坂へ向かい堂島の米会所で面会にこぎつけるが、突如として三人の賊が乱入。正誠が連れ去られてしまった。老練の知恵と剣技で立ち向かう隼人だが……。
激動の幕末。若き神官の祝井信吾は、「常勝の御太刀」の霊験を以て日の本を統べるべき人物を一年に亘り各地で探していた。諦めかけた矢先、桂小五郎、坂本龍馬と出会った信吾は、無私の精神で日本の将来を語る彼らを見て心動かされ、独り長州へ向かう。そこでは、異国からの襲撃を受け混乱する中、高杉晋作が抜群の統率力を誇っていた。彼こそが御太刀を託すべき者なのか。だが直後、信吾は大器・西郷隆盛と邂逅するー。