小説むすび | 著者 : 琴葉かいら

著者 : 琴葉かいら

夢の公爵と最初で最後の舞踏会夢の公爵と最初で最後の舞踏会

公爵様と踊った思い出を胸に、 明日から私は家庭教師になる……。 駆け落ちして伯爵家を勘当された母のもとに生まれたアンナ。 今は亡き母が手持ちの宝石を売って行かせてくれた学校で教育を受け、 明日からは家庭教師として一生働くつもりだった。 だが今夜、伯爵令嬢である親友マリアの計らいにより、 アムスコット公爵家で催される舞踏会に代理出席することになったーー すてきなドレスをまとい、“レディ・マリア”の名を借りて。 思いがけず、アンナは主役の公爵ジェームズにダンスを2度申し込まれ、 さらにはキスもされて、こう告げられた。「明日、君の家を訪ねる」 だめよ! 私はレディ・マリアではないし、明日からは働く身なのだから。 公爵への恋心を封印し、アンナは慌てて舞踏会をあとにした! 真夜中に逃げるように去った魅力的な“レディ・マリア”に求婚するため、公爵は翌日に家を訪問し、気に入った女性がレディ・マリアではなかったことを知ります。やがて公園で再会を果たす二人ですが、公爵と家庭教師は普通は友人にさえなりえない関係で……。

公爵に恋した空色のシンデレラ公爵に恋した空色のシンデレラ

清貧のシンデレラにはわかっていた。 愛だけでは身分差は超えられないと。 社交界デビューを間近に控える牧師の長女コーラは、 若きハーロウ公爵の舞踏会へ出席できることになったーー 折しも自宅に誤配された返送先不明の空色のドレスをまとって。 それは、彼女の境遇では到底買えない高級なシルク地の上等品だった。 いざ舞踏会が始まり、コーラを最初のワルツの相手に選んだのはなんと、 夏の海のような青い瞳が美しい、ハーロウ公爵デクラン! コーラはたちまち彼に惹かれるが、みずからの素性は明かせなかった。 貧しい牧師の娘が公爵と結婚できないことはわかっていたから。 でも、このおとぎばなしの続きを味わいたい。あともう少しだけ……。 そう願ったが、その空色のドレスは私のものと主張する令嬢が現れーー 長年、母の看病や妹たちの世話に忙しくしてきたコーラ。貧しさゆえただ一度のチャンスと臨む社交界シーズンに、天の恵みのように受け取ったドレスが恋の波瀾を巻き起こします。しかも空色のドレスの持ち主は、デクランの第一の花嫁候補と目される令嬢で……。

終わらない片思い終わらない片思い

愛のままには生きられない。 私はただの政略結婚の道具だから。 許婚が事故死し、ランツァは心から嘆くも、親の決めた政略結婚から 解放されたことにほっとしている自分に後ろめたさを感じていた。 そんなある日、今度は亡き許婚の兄ステファノとの結婚を命じられる。 彼とは、大人になってからまともに会ったこともないのに。 病を患う父を安心させるためにも、ランツァは従うほかなかった。 1年後の結婚式の日、祭壇でようやく顔を合わせたステファノは、 驚くほど端整な顔だちで、大人の魅力をまとい、きらきら輝いて見えた。 そう、ランツァは幼き日から、本当はステファノが好きだったのだ。 だが、人知れず頬を染めるランツァに、彼は事務的に告げた。 これはあくまでも形だけの結婚で、寝室は別だ、と。 大スター作家レベッカ・ウインターズが描いた、愛なきロイヤル・ウエディングと切ない片恋の物語。もどかしい二人のロマンスに加えて、ヒーローの亡き弟との兄弟愛が優しい筆致で綴られた本作は涙なくして読めない名作です。

英国貴族と落ちこぼれの淑女英国貴族と落ちこぼれの淑女

落ちこぼれの私では貴族の妻になれない。 どんなにあなたを愛していても。 ダンスは壊滅的に下手、流行のドレスや装飾品には興味なし、 お茶会で気のきいた会話もできないーーレティは母の悩みの種だった。 そんな彼女は、誰にも言えない秘密の二重生活を送っている。 男性に扮し、医師として村の人々の命を日々救っていたのだ。 そんなレティのもとに、診てほしい妊婦がいるという手紙が届いた。 患者の兄は、レティの初恋の人アンソニー卿だった。 医師を続けたいなら、淑女の私を知る彼に会うのは危険すぎる。 男装を見破られたら、家族までとんでもない醜聞に巻き込んでしまう。 でも、苦しむアンソニー卿の妹を見捨てるわけにはいかない。 それに何より、彼に会いたい気持ちを抑えておけなくて……。 エレノア・ウェブスターの邦訳デビュー作をご紹介します! 男装してまで医師として人々に尽くすヒロイン。戦争で体と心に深い傷を負うヒーロー。二人は不器用ながらも距離を縮めていきますが、村の名医が実は彼女だったと知られた瞬間、すべては壊れーー。

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