著者 : 甘塩コメコ
大公に即位するエリーを手助けするため、ルメオン公国に向かったオパールとジュリアン。タイセイ王国でエリーを誘拐しようとした人間をあぶり出し、消えた巨額の鉱山収益の行方を探るため、二人は様々な手法で公国の要人に接近する。エリーの献身的な活動で我が侭公女という評判は変わり始めたものの、誘拐犯も隠し財産も見つからず、オパールは危険な賭けに出ることに…!オパールとジュリアンの最強兄妹は、無事にエリーを大公にさせられるか!?
あなたを妻だと思うつもりはなかった。でも、もうあなたのいない未来など考えられないー。王太子である兄イエルハルトの命令でアラン=ノシュタット子爵のもとに嫁いだマデレーネ。様々な困難を乗り越えた2人は、名実ともに夫婦になった。そんな折、王都で披露目の晩餐会を開催せよと、イエルハルトから達しが届く。新婚旅行気分で王都へ向かう一行だったが、招待されたダルグレン公爵ハーシェルの家でマデレーネに告げられたのは、“ハーシェルと結婚しろ”という第2王子・カイルの命令でー!?
クロードと結婚後、タイセイ王国でボッツェリ公爵夫人として様々な活動を行い有名事業家になっていたオパール。国王の命令で、ルメオン公国からやってくる公女・エリーのお目付け役を頼まれるが、彼女には我侭で傲慢と良くない噂があった。しかしエリーの本来の姿に気づいたオパールは、彼女が公国の次期大公に即位するに相応しい人間に育てようと試みる。そんな中、彼女に近づく不穏な影を察知し…?華麗なる逆転劇、完全書き下ろしの新章スタート!
これは、元王女という肩書き以外何も持たない私が、真実の愛を手に入れるまでの物語ー。幼い頃から虐げられてきた末の王女マデレーネは、王太子である異母兄に命じられ、“成り上がり子爵”として名高いアラン・ノシュタットに嫁ぐことになる。王家は金を、子爵家は公爵位を得るための、愛情のない政略結婚。身一つで嫁いだマデレーネを若き領主・アランは冷たい態度で出迎え、「あなたを妻と思う気はない」と告げる。しかしそこには、マデレーネを守りたいというアランの隠れた思惑がありー?
キッチンカーの運転中、車ごと異世界トリップしちゃった!?そんな花山瑚子を助けたのは、この国で一番の戦闘力を持つミランドラ公爵ノヴェル。一見冷たい彼は瑚子が無性に気になるらしく、親切に保護したのち、何と自らを後見人にしたキッチンカー営業を提案。以来瑚子は、人と魔物が共存する世界で彼と一緒に食材集めや営業に励む。けれどたびたび無茶をするせいでノヴェルとしては気が気じゃない!おかげで彼の過保護モードは日々加速してー?
その女は、小舟の船首に腰掛け寛いだ様子で微笑んでいた。舟の中には、血塗れの武芸家たち。「お会いできて光栄です、洪八生殿」比類無き武芸を誇る侠客党党首は、天下随一の絶技『剛竜十八手』をもって打ち掛かったが、女はしなやかな手で易々と防いだ。文革の高波続く中国。表社会の混乱に呼応するように、闇社会の均衡もまた、崩れていた。地仙の少女・選杯の内功修行を監督中の陸風箔が、どこか見覚えのある美女・袁桃花に出会ったのはそんな夜の事。父親捜しの依頼を面倒だからと即座に断ろうとした風箔だったがー。旧正月直前の南京を訪れた風箔の人捜しは、大物武芸家の失踪や不可解な連続殺人事件に絡み、意外な展開を見せる。錯綜する謎と多彩なキャラクターが織りなす武侠ミステリー、第2弾。
暴力と権力がはびこる’70年、中国。上海は秘密結社・侠客党の手で護られていた。が、文革の嵐にまぎれ、南の紅花党が振興を開始。闇社会もまた、混乱していた。「俺を指名しして来た奴を。…殺したのか」悲しげに問うた男の名は、侠客党の若きエリート・風箔。絶世の武芸と冴えた頭脳をもちながら、人を殺せなくなった青年である。「敵の数は、減らせるときに減らす」刃物のような声は、上司の探刻。風箔の心の傷を分かち合う美貌の友。「まだ、殺せぬか。私はもう…顔も思いだせん」探刻は風箔に手を汚す必要のない仕事を命じる。党のパトロンの洋館へ行き、財宝のありかを示す暗号を解けというのだ。相棒は、妙になまいきな少女・選杯。一見平穏な任務に見えたがー。上海の闇の中、蒼き狼は胸を疼かせ真実を追う。第4回富士見ヤングミステリー大賞最終選考作。