著者 : 田中淳一
環環
きわめてウリポ的な、樹形図文学。一つの樹木がその枝を伸ばすかのように、数々の枝に分かれた幼少期のエピソード群。物語・挿入・分岐と、ウリポメンバーならではの凝った構成からなる、「記憶の破壊」を試みた、規格外の自伝的フィクション。写真家だった妻の早逝の空虚を埋めるべく書かれた大作“ロンドンの大火”シリーズの一冊であり、著者の代表作!
三回殺して、さようなら三回殺して、さようなら
ミス・マープルの甥っ子、レスター警部は、季節外れの休暇をとって、南フランスにある山間の田舎町にやってきた。ところが到着早々、買いたてのフェラーリが、盗まれたうえ運転席に死体をのせて崖下で大破しているのが発見される。状況に不審を抱いたレスターは、同じホテルに泊りあわせた伯母を髣髴させるイギリス婦人とひそかに捜査を開始するが、追うほどに事件の根は深く、悲痛なものであることが明らかになっていった!ゴンクール賞作家がグロテスクにしてアラベスクな怪事件の顛末を軽妙かつ重厚に綴るちょっとブラックな傑作ミステリ。
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