著者 : 田中芳樹
中国史上ただひとり、陸路で地中海に達した武将がいた。男の名は郭侃。祖父の代からモンゴルに仕え、攻城戦と砲術に長けた漢人だった。1253年モンゴル帝国は、イスラム世界の征服とさらなる領土拡大のため「フラグの大西征」を開始。37歳の郭侃は、15万の蒙古軍部隊長として西方遠征の途についた。新兵器「回回砲」をひっさげ、瞬く間に各地を陥落させる。だがエジプトを前に、隻眼の猛将バイバルスが立ちはだかり…。歴史に埋もれた智勇兼備の名将の一生を描く!
帝国主義に覆われ、軍靴の響きが近づく1905年のロンドン。霧の垂れ込めた街には夜ごと怪物が跋扈していた…。けれど、この街には暗鬱な空気に立ち向かう「白銀騎士団」がいる。腕利きの従者の中国人・李、インド人・ゴーシュ、負けん気の強いメイドのアイルランド人・アニー、そして若き准男爵にして団長のサー・ジョセフ。個性豊かな面々がロンドンの平和を守り、貧乏貴族から脱するため、はびこる悪と今日も戦う!
富士山は大噴火、日本政府は機能不全。京都幕府を開いた怪女・小早川奈津子は新たな野望を抱き猛進する!未曾有の大混乱の中、異形の者たちは人間を無慈悲に襲い続けた。人類の未来を背負った竜堂四兄弟は、牛種との決戦の地・月の内部へ。ついに正体を現す最兇の主君。その口から語られた「五〇億人抹殺計画」究極の狙いとは?恐るべき強敵を迎え、始・続・終・余、四人の竜王の死力を尽くした戦いが始まる!『創竜伝』完結篇!!
十六翼将のうち四人を失ったアルスラーン。だが、若き王に悲しみに沈んでいる暇はなかった。パルスへの侵攻を虎視眈々と狙うミスル、マルヤムら周辺国。魔軍を率い、チュルク国でパルス蹂躙の機をうかがう魔将軍イルテリシュ。そして、ついに身体を手に入れた蛇王ザッハークの脅威が迫る!待ち受ける悲劇の予感をはらみながら、急展開する衝撃の第十五弾!
京都の空には異形の怪物や新型兵器、地上には機動隊員やトカゲ兵…京都幕府を誕生させた小早川奈津子と手を組む竜堂四兄弟に襲いかかる無数の敵。蹴散らせども蹴散らせども奴らは次々やってくる。四兄弟は身を隠そうとある人物を頼って名古屋へ向かうが、そこで目にしたのは「閣下」と呼ばれる黒幕が引き起こした惨劇だった。怒りの四兄弟vs.傲岸不遜な黒幕、苛烈な戦いへ!
皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラムは、ついにヒルデガルド・フォン・マリーンドルフを皇妃として迎えた。さらにヒルダの懐任が発表されるにいたり、帝国全土は歓喜の色に染まる。しかし、ラインハルトは原因不明の高熱で寝込むことが増え、ヒルダと周囲を心配させる。一方、イゼルローン共和政府の軍事指導者となったユリアン・ミンツは惑星ハイネセンで勃発した共和主義者の叛乱を支援するため、帝国と一戦交えることを決める。民主共和主義の芽を守るべく、最後の戦いが始まるー。
“聖なる夜、銀世界のリゾートに日本初のカジノがオープン”のはずが、絢爛豪華な開所式の最中に巨大地震が発生、雪崩で世界のVIPを含む一万五千人が孤立した。壊滅した施設から主賓の首相がヘリで逃亡(?)する中、立ち上がったのは、部下の泉田準一郎と共に居合わせた警視庁の薬師寺涼子警視。停電に余震、変死体にカジノ強盗まで現れるも辛うじてパニックを回避する。だがそこへ、謎の“白い怪物”の大群が押し寄せて…!?「ドラキュラもよけて通る」と謳われるお涼、雪国のトバク場で、オールナイトの灼熱バトル!
方臘征伐で大功を立てながらもその多くが斃れ、梁山泊集団が崩壊してから数年後。生き残りの阮小七は仲間を偲んでいるところを邪魔した役人を殺してしまう。ところが逃亡の最中、不思議な運命のいたずらで梁山泊時代の仲間たちと次々出会うことに。世は変わらず貪官汚吏がはびこり、良民を虐げていた。生き残った好漢たちは再び集い、登雲山と飲馬川に「替天行道」の旗が翻る…!今なお多くの読者を虜にする中国歴史伝奇小説『水滸伝』。その後日譚として十七世紀に陳忱が著した、いわば二次創作の傑作『水滸後伝』が田中芳樹の筆で甦る。『水滸伝』をしのぐスケールで繰り広げられる、好漢たちの破天荒な挑戦に刮目せよ!
好漢たちが遂に一堂に会した。彼らは金軍の大型船百隻の奪取に成功、新天地を求め、一足先に海を渡った李俊のいる暹羅へと漕ぎ出す。だが暹羅では佞臣と謎の妖術使い・薩頭陀による政変が起きていた…。梁山泊の生き残り三十二人に、息子たち第二世代や新たな仲間も加わって、海戦の火蓋が切られる。肉弾戦、知略、そして妖術。原典『水滸後伝』の面白さはそのままに、より読みやすく、よりスピーディに、よりエキサイティングに再構成した田中芳樹版水滸後伝。個性豊かな好漢たちの群像劇と、新国家建設という驚天動地の大逆転劇は、読み出したら止まらない!ファンが待ち望んだ、梁山泊のハッピーエンドがここにある。
シンドゥラ国王・ラジェンドラは、パルスが放棄した要衝ペシャワール城を占領する。そこへ攻め入ろうとするチュルク軍だったが、両軍を空から悪鬼の群れが襲う!魔軍を率いる狂戦士イルテリシュの狙いは?さらに、国土再建に邁進するアルスラーンたちにも、魔軍の凶悪な牙が迫りつつあった。蛇王ザッハーク完全復活の時が近づく緊迫のシリーズ第十四弾!
王都へと急ぐ女騎士・エステルら一行が雨で足止めされた町に、魔軍の怪物たちが襲来する。その窮地に現れたのが、ダリューンらパルス精鋭軍だった。ついに並び立つ十六翼将。だが、魔の山デマヴァントの地底では、蛇王ザッハークが縛めを解かれ、自由の身になろうとしていた。さらに、深傷を負ったエステルの運命は!?衝撃的展開をみせるシリーズ第十三弾!