著者 : 田中芳樹
稀世の物語作家・田中芳樹の輝かしい軌跡を辿る短篇集成。第2巻は、人知を超える能力を宿した青年・冬木涼平が自らの運命に翻弄される姿を描き『創竜伝』の原点となった三部作を劈頭に、星間戦争のさなか終わりなき戦闘に倦んでいた青年将校が死の影を纏う謎めいた少女と邂逅する「戦場の夜想曲」など11篇を収録。著者の魅力を再発見できる貴重な初期作品群を全2巻で贈る。
十一月のある晴れた休日、ニーダムは姪のメープルとともに、ロンドン郊外のシドナムにある水晶宮を訪れる。人々でごった返す、きらびやかなガラスの宮殿に、突如大きな悲鳴が響き渡った。袋づめの首なし死体がどこからともなく降ってきたのだ。死体の手に握りしめられていたボロ布には、「死神」という赤い文字。外では、暴風雨が吹き荒れ、人々は水晶宮に閉じ込められてしまう。混乱する人々の前に、カラスの仮面をつけた黒ずくめの男が姿を現わす。それは、おぞましいショーの始まりだった…。
二世紀にわたり宇宙を統べてきたタイタニア一族の内乱。アリアバート・ジュスラン連合軍の勝利目前、藩王アジュマーンは和睦の場に刺客を放つ。全宇宙の首都「天の城」を危険に曝してまでも謀計を巡らす藩王の真意とは?人類の命運を握る者たちの最後の戦いが始まる。後世に伝えたい銀河叙事詩、ついに完結。
ついにペシャワール城に魔軍が襲いかかる!クバードらの善戦むなしく、魔将軍イルテリシュ率いる数万の魔物たちの猛攻に城は陥落寸前に。そのときー。一方、客将軍としてミスル国に滞在するヒルメスには、国を乗っ取る千載一遇のチャンスが訪れていた。さらに、王都エクバターナの地底では、蛇王ザッハークの眷属が暗躍する!激動のシリーズ第十二弾。
隆盛を極めたタイタニア一族に深刻な亀裂が。次期藩王を狙うイドリスは藩王暗殺未遂事件を機にアリアバート、ジュスランに叛逆罪を宣告。さらには二人を討つべく、一族の怨敵ファン・ヒューリックを自軍へ迎えいれる策に出た。謀略の渦巻く中、ついに戦端が開かれる。本格銀河叙事詩の名作、待望の第4巻。
時は一八三〇年、冬のパリ。カナダから来た少女コリンヌは父の不名誉を拭うため、「ライン河までいき、双角獣の塔に幽閉されている人物の正体を調べよ」という老伯爵の難題に挑む。塔の仮面の男は死んだはずのナポレオン!?酔いどれ剣士、カリブの海賊王、若き自称天才作家と共に少女は謎に満ちた冒険の旅へ。
王都エクバターナの街で、アルスラーンとエラムが魔物に襲われる。蛇王ザッハークの魔の手は確実に忍び寄っていた。一方、ミスル国で玉座を狙い雌伏するヒルメスは、美しき孔雀姫・フィトナと運命的に出会う。彼女の腕には謎の銀の腕環が…。そして魔の山デマヴァントに閉じこめられたクバードたちの運命は!?パルスの新たな歴史が動きだすシリーズ第十一弾!
ヒルメスを追放しミスル国を掌握したテュニプは。孔雀姫フィトナを押し立ててパルス侵攻をもくろむ。その陰には、パルス人の商人・ラヴァンの暗躍があった。一方、マルヤム国に辿り着したヒルメスは、国王ギスカールと再会する。二人はふたたび手を結ぶのか!?チュルク国では魔軍を率いる魔将軍イルテリシュが、パルス蹂躙の機を待つ。そしてついに、蛇王ザッハークが完全復活を遂げる!?四方を難敵に包囲されたアルスラーンの運命は!?クライマックス迫る!!超絶ヒロイック・ファンタジー小説、慟哭の書下ろし最新作、第15弾!
蛇王ザッハークの再臨を阻むべく、アルスラーンは魔の山デマヴァントの封鎖を命じる。だが、それに呼応するかのように、王都エクバターナでも、蛇王の眷属である怪物たちが不気味な動きを見せていた。一方、トゥラーン人の戦士たちを率いるヒルメスは、ミスル国を手中に収めるべく、策謀を巡らせるのだが…。来たるべく大変動を予感させる人気シリーズ第十弾!
仮面兵団に侵攻されたシンドゥラ国が援軍を求めてきた。アルスラーンは、ナルサスの助言を受け、敵の意表を突く策をとる。それは、北側から迂回し、チュルク国境を突破するというものだった。作戦は功を奏し、パルス軍は勝利の進撃を続けるのだが…。ついに迎えるヒルメスとダリューンの一騎打!さらにファランギースの悲しい過去が明かされるシリーズ第九弾!
ここがあこがれの南の島?十年前の未解決事件殺人犯を捜しに、薬師寺涼子警視が派遣されたのは、絶海の孤島だった。無人島を開発、一大リゾートとなった島には、お騒がせ国家公安委員長と後援会御一行も訪れるが、搭乗してきた飛行艇が海中からの奇襲により撃墜。捜査に駆けつけた海上保安庁の巡視船、海上自衛隊のオスプレイも相次いで破壊される。某国の秘密兵器か、謎の深海生物か?バカンスムードも一転、海自、海保、警察の捜査権争いが勃発する中、不気味な怪生物が!警視庁の魔女王が忠臣・泉田と大暴れ!
アルスラーンが即位して三年。十八歳の若き国王の下、パルスの国情は安定し、着実に国力を盛り返しつつあった。だが、奴隷制度を廃止した「解放王」に対して、特権を失った旧名門貴族たちの間には遺恨が拡がっていた。さらに、ミスルやチュルクなどの隣国も、パルスへの野心をむき出しにし始める。さらなる波乱を予感させる、大ヒットシリーズ第二部が堂々開幕!
日本中を恐怖に陥れた殺人鬼を追って、警視庁の史上最強女王・薬師寺涼子警視は部下の泉田準一郎らを連れてシベリア奥地を大追跡、犯人が潜伏する秘密都市へ向かった。そこで一行が見たのは地獄のような光景と恐るべき陰謀、とうに滅びたはずの幻の巨獣!?人智を超えた敵に、お涼さまは常識越えの作戦で挑む!
王都エクバターナを巡る最後の決戦の火蓋が切られた。パルス軍十万に対して、王都東方で迎え撃つルシタニア軍は二十万。しかし、勢いの違いは明らかだった。侵略者は撃退され、王都城門が開かれる。だがそれは、アンドラゴラス王とヒルメス王子との雌雄を決する対決の始まりでもあったー。ついにアルスラーン出生の秘密が明かされる、感動の第一部完結編。
城に帰還した父王アンドラゴラスの命により、事実上追放の身となったアルスラーン。五万の兵を集めるまでは帰れぬ運命となった。つき従うのは、ダリューン、ナルサスをはじめとしたわずか七人の側近のみ。一行はパルス随一の港町ギランへー。そこで待ち受けていたのは、海上商人を脅かす海賊たちとの戦いだった。新たな冒険の始まりに胸躍るシリーズ第六弾!
「ここは地の涯 シベリア奥地」日本を恐怖に陥れた殺人鬼を大追跡。「どんどん事を大きくして、君にも愉しませてあげるから」と警視庁の史上最強女王・薬師寺涼子警視は部下の泉田らを従え、シベリア出張。犯人が潜伏する秘密都市へと向かった。辿りついた先で見たのは、地獄としか思えぬ驚愕の光景と、世界を震撼させる兇悪な陰謀だった。人智を超えた敵の暴走を止めるべく、涼子は常識を超えた作戦で挑む。
六世紀の中国、南北朝時代と呼ばれる動乱の世。北斉は無能な皇帝の乱脈を極めた統治のもと、西に北周、南に陳、北に突厥と三方を強敵に囲まれていた。あまりの美貌ゆえに仮面をつけて戦場にたったと言われる北斉の皇族、蘭陵王・高長恭は智勇兼備、不敗の名将であり傾きかけた国を必死でささえていた。
タイタニア一族に傷をつけた男、ファン・ヒューリック。彼ただ一人の行動と知力で歯車が狂いだしたのだ。宇宙を放浪するファン一派を駆逐せんと、タイタニア一族は威信をかけ、「タイタニアの五家族」の当主の一人である猛将ザーリッシュ・タイタニアを派遣したが…!?日本が誇る宇宙の叙事詩、待望の第2巻。
魔将軍・イルテリシュが捕らえた青年・ジャライル。彼はチュルク国王からアルスラーン暗殺の密命を受けていた。チュルクの内情を知ったイルテリシュは新たな野望を思い立つ。一方、ヒルメスは客将軍としてミスル国を掌握するも、ナバタイ王国侵攻の報を受ける。急遽、出兵するヒルメスだが…。王都へ向かう女騎士・エステルの一行が雨のため足止めされた町に、魔軍が襲来する!だが窮地に現れたのはパルス精鋭軍であった!そこには軍師・ナルサスの恐るべき策謀が…。ついに十六翼将が並び立ち、大いなる恐怖が再臨する、瞠目の書下ろし最新作、第13弾。