小説むすび | 著者 : 田内志文

著者 : 田内志文

失われたものたちの国失われたものたちの国

本と物語を愛する 私たちに必要な冒険がある。 32歳のセレスは、少女の姿に戻り、 美しも残酷な異世界に迷い込んでしまう。 本にまつわるダーク・ファンタジー 『失われたものたちの本』続編! 邪悪な魔女や人間を襲う人狼(じんろう)。クロスボウを構えたラプンツェル。人間を憎む恐ろしい妖精(フェイ)。 ーー「めでたしめでたし」なんて、無縁の世界。 ロンドンに暮らすセレスは、ひとりで8歳の娘を育てていたが、ある日、娘が交通事故で昏睡状態となってしまった。医師の勧めで、セレスは田舎にあるケア施設に娘を移すことにする。その施設の敷地には、『失われたものたちの本』という物語を書いた作家の古い屋敷があった。娘の看病を続けるセレスが限界を迎えた日、彼女は何者かに呼び寄せられるようにして屋敷の屋根裏部屋に入り込み、さまざまな本が呼びかけてくる声を聴いた。そこに突然現れた怪物に襲われ、屋敷から逃げ出すが、気がつくと知らない場所に迷い込んでいた。そこは魔女や人狼、巨人たちが存在する、美しくも残酷な世界だった。セレスは元の世界に戻れるのか? 異世界冒険譚『失われたものたちの本』続編!訳者あとがき=田内志文

新訳 ジキル博士とハイド氏新訳 ジキル博士とハイド氏

ロンドンで弁護士業を営んでいるアタスンは、友人のジキルから遺言状を預かっていた。自分が死亡、3ヶ月以上行方不明、もしくは不在だった場合、恩人であるハイドに全財産を譲渡するという内容のものである。不審に思ったアタスンは、憎悪を抱かせるハイドを調べようとするものの、ジキルに止められてしまう。その後、街で殺人事件が発生しーー。人間は一者ではなく二者から成るものである……善悪の二面性に焦点を当てた世界的名作。 【アンドルー・ラングは「スティーヴンソンの奇抜な言動と風貌は男たちを虜にした。彼は私が会った男たちの中でも、男たちを恋に落とす力を飛び抜けて持っている人物であった」と書いている。(中略)クレア・ハーマンは「スティーヴンソンは、特に女性とともに過ごすことを好んだ」ものの「自らが同性に対して持つ性的魅力に彼が気付いていなかったとは考えにくく、むしろそれを楽しんでいた節がある」と解説している。彼自身はいわゆるストレートだったものの、そうした秘密の男世界については熟知していたのだろう。無論、ふたつの人格を持つ不気味な人物が巻き起こす恐ろしい事件を描いた怪奇小説として読んでも本書が十分に面白いのは間違いないが、そうしたことも踏まえてページをめくってみると、本書の持つ面白みがいっそう深まるのではないかと思っている】(訳者あとがきより)

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