小説むすび | 著者 : 田村たつ子

著者 : 田村たつ子

残された日々残された日々

ギリシア富豪に残された日々が もう長くないとも知らず、娘は花嫁となった。 父とふたり、貧しいけれど幸せに暮らしてきたジュディ。 だが父の再婚により、継母に厄介者扱いされる日々が始まった。 しかも、継母の娘で女優の義姉がジュディの名前を気に入り、 なかば強引に芸名として使うことを決めてしまった。 ある日、義姉の“ジュディ”宛てに手紙が届く。 それは、会ったこともないギリシア海運王ビダスからの求婚だったが、 折しも大役が決まった義姉は1年待つよう返事を書き、家を留守にした。 その間になんと、魅力的な大富豪ビダスが訪ねてきて、 ジュディを自分の“ジュディ”と間違え、結婚を申し込んできた! 「あなたと結婚します」ジュディはそう応えたーー彼は余命半年なのに。 大富豪ビダス・テロンを知る知人から、彼が稀少な難病にかかって余命わずかと知ったヒロインのジュディ。財産目当てで面識のないビダスと結婚するつもりだった義姉の身代わり花嫁となり、ギリシアへ渡ります。ところが義姉が予定より早く帰ってきてしまい……。

思い出の罠思い出の罠

児童養護施設に暮らすフェイスは、同じ施設の少女にいじめられてつらい思いをしていたが、病母に心配をかけまいと我慢していた。そんななか、近くの豪奢な屋敷ハットンハウスで夏を過ごすことになり、トパーズのような瞳を持つ青年ナッシュと出逢って、恋におちた。7歳年上の彼と一緒にいると世界のすべてが薔薇色に見え、フェイスは純粋な想いを打ち明けたが、彼の反応は冷たかった。きみには自分の言っている言葉の意味がわかっていない、と。さらに、件のいじめっ子に謀られ、とんだ濡れ衣を着せられて以来、ナッシュにも誤解されて疎遠になり、彼女の初恋は終わったのだった。あれから10年。思い出のハットンハウスで、二人は再会を果たすが…。生まれる前に亡くなった父の背中を追うように建築士の資格を取り、仕事でハットンハウスと再び関わることになったフェイス。貧しい彼女が大学を卒業できたのは、匿名の支援者のおかげだったが、それが今や大実業家となった初恋の人ナッシュとは知る由もなく…。

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